テレワークをしていて、ネットの遅さにイライラすることはありませんか?
インターネットの通信速度は、光回線やWiFiルーターの種類、利用しているプロバイダによって大きく違ってきます。
今回は、ネットの遅い原因がどこにあるのかを調べる方法と、それを解消するための対策について説明します。
在宅勤務でのイライラはこれで解消間違いなし!
Contents
テレワークの通信速度が遅い原因

テレワークの通信速度が遅い原因は、ざっくり大きく分けると以下の3つに分類されます。
- 契約している光回線の通信速度や通信規格に問題がある
- WiFiルーターやLANケーブルなどネットワーク設備に問題がある
- 光回線もしくはプロバイダに問題がある
まずは、なぜ通信速度が遅くなるのかということと、それを調べる方法をご説明します。
通信速度や通信規格に問題がある
自宅のネットワーク環境って、入居してから変更していないって方が多いんですよね。
もし、光回線ではなくADSLを利用しているということなら、光回線に変更すればそれだけで通信速度は相当改善します。
ADSLは電話回線を利用してインターネットに接続する方式ですが、すでに新規申し込みは終了しており、2023年1月31日にはサービス自体が終了する予定です。
さて、ほとんどの方は光回線を利用していると思いますが、現在主流になっている通信速度は1Gbpsです。
もし、あなたが100~200Mbpsの通信速度の契約しているなら、1Gbpsの契約に変更するだけでネットが快適になることは間違いありません。
また、インターネット接続にはIPv6 IPoE方式という次世代技術が登場しています。
プロバイダ各社はこの技術を使った「v6プラス」「v6オプション」など「v6」という名前のついた高速インターネット接続サービスを提供しています。
プロバイダは光回線とインターネットをつなぐ役割を担っています。

v6サービスは「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6接続方式」と呼ばれるもので、IPv6の通信網を使いつつ、従来のIPv4インターネットにも接続することができるというサービス。
技術的な詳しい話は別の機会にしますが、イメージとしては以下の図の通りです。

従来のIPv4通信は、インターネット利用者が多いと回線が混雑し、あたかも車の渋滞のように通信速度が低下してしまいます。
これに対してv6サービスは、大容量のIPv6通信網を利用するため回線の混雑が少なく、通信速度の低下が起こりにくい仕組みなのです。
自分の接続方式がIPv4・IPv6どちらか分からないという方は、以下のボタンからインターネットの接続テストを実施してみてください。
結果画面で下の図のようにIPv6は利用できませんと表示されたら、従来のIPv4 PPPoE方式だということになります。

v6サービスは無料で利用できますから、プロバイダのホームページなどから申し込んで通信速度アップをはかりましょう。
ただし、v6サービスを利用するにはIPv6(IPoE方式)に対応したWiFiルーターが必要ですので、いま使っているWiFiルーターの規格も確認する必要があります。
v6サービスに申し込む前に、次のWiFiルーターについての説明にも目を通しておいてください。
WiFiルーターやLANケーブルが古い
あなたが光回線に加入したときから同じWiFiルーターを使い続けているなら、通信速度や通信規格(v6サービス)を変更するときに、WiFiルーターも入れ替える必要があるかもしれません。
現在使われているWiFiルーターの規格は、11nと11acが主流ですが、11acは11nの最大約11倍の速さと言われています。

出典:BUFFALOホームページより
上の図はWiFiルーターの規格やアンテナ本数による通信速度を表したものです。
Mbpsは1秒間に送受信可能なデータ量を表す単位で、数値が大きいほど通信速度が速くなります。
ここ何年もずっと同じWiFiルーターを使っているなら11n規格の可能性大。
アンテナの本数にもよりますが、WiFiルーターの変更で2~3倍程度の速度改善が十分期待できるということがお分かりいただけるのではないでしょうか?
ちなみにWiFiルーターの規格は、WindowsとMacそれぞれ以下の①もしくは②の方法で確認することができます。
- パソコンの設定 ⇒ ネットワークとインターネットを選択 ⇒ WiFiを選択 ⇒ ハードウェアのプロパティを選択 ⇒ プロトコルを確認
- Windowsキー+Xキー ⇒ システムメニューの「コマンドプロンプトC」を選択 ⇒ 「netsh wlan show interface」と打ち込む ⇒ 無線の種類を確認
- optionキー+WiFiマークをクリック ⇒ PHYモードを確認
- このMacについて ⇒ システムレポートを選択 ⇒ ネットワークのWiFiを選択
上記のいずれかで確認して頂くと、たとえば802.11nとか802.11acといったように、自分の使っているWiFiルーターがどちらの規格かがわかるはずです。
さて、通信速度や通信規格が速度低下の原因だということがわかって、WiFiルーターも変えなければならないとしたら、契約内容の変更を検討する必要があります。
ただし、単純に契約している光回線事業者との契約内容見直しを行うより、別事業者に乗り換えたほうが通信速度をアップしながら月々の料金を下げられる可能性もあります。
このあたりが光回線を選ぶときに感じる「いったいどこを選べばいいの?」って悩みにもつながるのですが、次の章で詳しくみていきましょう。
テレワークの通信速度をおとくに改善するには

テレワークの通信速度をアップするのはもちろんですが、だからといってコストもアップしてしまうのは避けたいものです。
なるべく初期費用をかけずに、できれば月々の利用料を下げながら通信速度をアップさせるには、光回線事業者の種類とその事業者を選んだときのメリットを理解したうえで契約先を選ぶ必要があります。
光回線事業者の種類と特長
下の図は、光回線事業者にどんな種類があるのか、また最も大きなメリットであるスマホの割引との関係を表したものです。

これを見ると、光回線事業者が以下の3つに分けられることがお分かりいただけると思います。
- NTT東西が提供するフレッツ光
- プロバイダなどがNTT東西の光回線を利用して提供する光コラボ
- 自社で光回線を敷設して提供されるている独自回線サービス
そもそも光回線といえばNTT東西が提供しているフレッツ光が市場ではトップシェアを持っていて、全国に回線が敷設されています。
近年契約者を増やしている光コラボはフレッツ光の回線を利用しているので、全国でサービスを提供しており、通信速度の速い遅いはプロバイダによって変わると考えましょう。
いっぽう、独自回線事業者は自社で光回線を敷設しているので、フレッツ光や光コラボのように全国すべてをカバーしているわけではありません。
しかし、NURO光の標準2Gbpsは国内最速ですし、eo光のように地域の電力会社などが提供しているサービスが多く、電気料金が割引になるなどのメリットがあります。
また、図を見て頂くとお分かりのように、光コラボの一部とauひかりはスマホの割引があることが最大の特徴です。
家族で利用しているスマホ台数分の割引が適用されますので、通信速度をアップしつつ実質料金を安くしたいなら、スマホの割引をポイントに事業者を選択しましょう。
光回線やプロバイダとの契約を確認・変更する
光回線事業者の種類は理解して頂けたと思いますので、それぞれの回線ごとに考えられるコストを下げつつ通信速度をアップする方法をみていきましょう。
フレッツ光を利用している場合
フレッツ光にはいくつかの契約タイプがありますが、無線LANの通信速度という観点でみると大きく以下の通りの分類となります。
プラン | 通信速度 | WiFiルーター | 月額料金 |
---|---|---|---|
光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ | 1Gbps | 無料貸出(IPv6対応) | 5,709円~ |
光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ | 1Gbps | 無料貸出(IPv6対応) | 3,894円~ |
光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプ | 200Mbps | 自分で購入 | 5,489円~ |
光ネクスト マンション・ハイスピードタイプ | 200Mbps | 自分で購入 | 3,564円~ |
光ネクスト ファミリータイプ | 100Mbps | 自分で購入 | 5,489円~ |
光ネクスト マンションタイプ | 100Mbps | 自分で購入 | 3,564円~ |
光ライト ファミリータイプ | 100Mbps | 自分で購入 | 3,619円~7,700円 |
光ライト マンションタイプ | 100Mbps | 自分で購入 | 2,739円~5,775円 |
光ネクスト、光ライトともに使用している光回線は同じなので、違いは通信速度とWiFiルーター無料レンタルの有無ということになります。
フレッツ光で通信速度が遅いと感じている方は、「ギガ」以外のプランを利用している可能性が高いと思いますのでご自身の契約を確認してみてください。
「ギガ」以外のプランから「ギガ」プランに変更する場合、2,000円の変更手数料が発生し、月額利用料金も若干アップしてしまいます。
そこで同じ1Gbpsの契約をするのであれば、フレッツ光の解約違約金が無く、新たな工事も発生しない光コラボへの転用をおすすめします。
フレッツ光から光コラボに転用する際、プロバイダの解約違約金は発生する可能性があります。プロバイダとは基本的に2年契約となっていますので、契約満了月前後でない場合に解約金が発生します。
ただし、転用先の光コラボ事業者でキャッシュバックのキャンペーンを行っているなら、解約金を十分にまかなえるので、転用先のキャンペーンをしっかりチェックしましょう。
以下にフレッツ光からの転用でおすすめの光コラボをまとめてみました。
最初の行にフレッツ光で契約をギガに変更した場合の料金(プロバイダ込み)を出してありますので、光コラボ各社の料金や特徴と比較してみてください。
転用先 | プロバイダ | 月額料金 | ルーター | 特長 |
---|---|---|---|---|
フレッツ光ギガ | 各社 | 戸建:5,709円~ 集合:3,894円~ |
無料 | 事務手数料2,000円必要 |
GMOとくとくBBのドコモ光
|
GMOとくとくBB | 戸建:5,200円 集合:4,000円 |
無料 | 速さに自信のプロバイダ ドコモ光セット割適用 |
【So-net 光 コラボ】![]() |
so-net | 戸建:3,080円~ 集合:1,980円~ |
無料 | 安さに自信の光コラボ |
【ビッグローブ光】![]() |
BIGLOBE | 戸建:3,780円~ 集合:2,780円~ |
500円 | auスマートバリュー適用 |
【OCN光キャンペーン】![]() |
OCN | 戸建:4,800円~ 集合:3,600円~ |
無料 | ひかりTV利用でフレッツ光 と同額程度の料金 |
光コラボを利用している場合
すでに光コラボを利用していて通信速度が遅いと感じている方は、まずはv6プラスに申し込んでみましょう。
それでも通信速度が改善しないなら、回線かプロバイダに原因がある可能性があります。
回線とプロバイダ、どちらに原因があるかは速度測定テストを行えばわかります。
以下の2つのボタンのうち、「フレッツ速度測定」が光回線の速度、「プロバイダ速度測定」がプロバイダを介した速度です。
フレッツ速度測定で十分な速度が出なかったら回線を、プロバイダ速度測定の数値が悪いということならプロバイダの変更を検討すべきです。
まず、光回線自体に十分な速度が出ていないならNURO光がおすすめです。
スマホの割引などは無くなってしまいますが、大きなキャッシュバックと2Gbpsの高速通信は魅了ですね。

いっぽうでスマホの割引はそのまま継続したい方、プロバイダの速度に問題がある方は、光コラボ内での契約変更を検討しましょう。
ドコモ光を利用していてプロバイダに遅さの原因があるなら、ドコモ光セット割はそのまま継続できて、速さに定評があるGMOとくとくBBへのプロバイダ変更がおすすめです。
また、auスマートバリューを利用しているなら、速さに定評のあるauひかりへ回線自体の乗り換えを検討してみましょう。
プロバイダは、やはり速いとうわさでキャッシュバックなど特典も大きいGMOとくとくBBがおすすめです。
ソフトバンクのスマホを使っていて通信速度に不満があるなら、NURO光への変更を検討しましょう。
NURO光と同時にNURO光でんわに加入すれば、おうち割光セットでのスマホ割引は継続して受けられます。
もし、NURO光のサービス提供エリア外なら、携帯をドコモかauにしてスマホ割引を受けられる光コラボと契約するという大技も選択肢になります。
独自回線を利用している場合
独自回線のうち、NURO光で通信速度が遅いと感じている方はいないと思います。
しかし、auひかりやeo光などの光回線を使っていて遅いと感じている方はいらっしゃるでしょう。
その場合、記事の最初に説明した通り、通信速度は1Gbpsで契約をしているか?、v6サービスに申込んでいるか?、WiFiルーターは最新機器か?を順に確認してみましょう。
そして、もし全て問題が無いのであれば、プロバイダか回線自体の契約変更を検討することになります。
ただし、eo光などの地域限定の独自光回線では、プロバイダが1社に決まっているサービスが珍しくありませんので、その場合は回線自体の契約変更が必要です。
とにかく速さを求めるならNURO光が最もおすすめですが、光回線の契約変更を検討するなら、スマホの料金削減も一緒に考える良い機会かもしれません。
現在使っているスマホはそのままで携帯会社だけを無料で変更することもできますので、家族でバラバラのスマホを使っているなら検討してみてはいかがでしょうか?
たとえば以下の記事は、いま使っているスマホはそのまま無料でドコモに乗り換える方法です。
https://monolowl.com/docomo-sim-2020-10-18
まとめ

テレワークの通信速度が遅くて仕事がはかどらない!というイライラを抱えている方は少なからずいらっしゃいます。
とくに家族がゲームやリモート授業でネットを頻繁につかったりする場合、自宅に人がいればいるほどネットの速度は遅くなってしまいます。
みんなのイライラが募ってついつい険悪になりがち、なんてことは避けたいものです。
そうならないためには、まずは自宅のネットワーク環境を一度しっかり確認すること。
自分はフレッツ光、光コラボ、独自回線のどの事業者と契約しているのか?また、プロバイダはどこを使っているか?どのような割引を受けているのか?
契約している通信速度や通信規格、使っているWiFiルーターの規格についてもいまの状況を確認することがとても重要です。
そのうえで、割引の大きいスマホ割引が継続可能な事業者への変更か、それを捨ててでも速さを優先するか?を検討していきます。
もしくは、光回線やプロバイダ変更と同時に携帯会社も見直してしまうといった、自宅のネットワークの総点検という選択肢もありえます。
携帯や光回線・プロバイダの乗り換えは、時期によってはキャッシュバックなど非常に大きな特典が付くことも珍しくありません。
この記事を読んで頂いている方は、少なくとも家計について考える立場にある方なのでしょうから、実質的な負担を最小限に抑えつつ通信速度を上げる必要がありますよね?
最高の通信速度と最低の料金を両立するための方法は、それぞれのケースごとに別記事で紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。