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AKG N5 Hybrid レビュー|はやくも2024最強の予感

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世界中のレコーディングスタジオで選ばれているマイクやヘッドホンに、AKGというメーカーがあるのをご存知でしょうか。

AKGはオーストリアで設立された音響メーカーで、プロ用のヘッドホンのスタジオシリーズなどは欧米で圧倒的な支持を得ています。

そんなAKGが同社初となるワイヤレスイヤホンを発売したとあれば、これは試してみるしかありません。

先に申し上げておきますが、このAKG N5 Hybridはかなり良きです!

ここのところ本業の仕事が忙しく記事を全く更新できていなかったので、久しぶりに気合いを入れてレビューしていきます。

AKG N5 Hybridスペック
AKG N5 Hybrid 良い点とイマイチな点

【良い点】
解像度が高く繊細な表現でありつつ芯の太さを感じる音質
ノイキャン性能はWF-1000XM5などに迫るレベル
通話品質は歴代最強といえるほどのクリアさ
LDAC対応のほか付属ドングルでLC3plusにも対応
装着安定性高く、イヤホン本体の質感も高い
アプリメニューが豊富で操作も直感的
2台のデバイスに同時接続可能なマルチポイントに対応
ワイヤレスチャージ、急速充電に対応

【イマイチな点】
充電ケースの質感がいまひとつ
タッチコントロールの完全カスタマイズができない

 

 

AKG N5 Hybridのデザインと装着感

まずはAKG N5 Hybridの充電ケースやイヤホン本体のデザインをみていきましょう。

充電ケースデザインはいまひとつ

AKG N5 Hybridの充電ケースは、お世辞にもガジェットとしての所有欲を満たしてくれるデザインには達していない印象です。

AKG N5 Hybrid充電ケース

売り出し価格3万円台後半ということを考えると、できれば筐体にはアルミなどを使ってほしかったなと感じました。

まぁ、アルミ筐体にして4万円を越えるよりは、3万円台におさえられたことを喜ぶべきかもしれませんが…。

デザインもいたってシンプルで、オーディオに興味のない人だとイヤホンだって分からないかもしれませんね。

いっぽうでイヤホン本体は、ビルドクォリティの高さを感じさせるデザインで、ショートスティック型が採用されています。

AKG N5 Hybridイヤホン本体

どこかで見た形状だなと思う方もいるかもしれませんが、実はこれJBL Tour Pro2と基本設計は同じなんです。

AKGとJBLはどちらもSAMSUM傘下のHARMANグループ。

AKGとしては初のワイヤレスイヤホンということもあり、今回はイヤホン本体の設計は見送ったということなんですかね。

シンプルな充電ケースやイヤホン本体の共通化のことを考えると、なんとかコストをおさえようとできる限りの努力をしたということかもしれません。

なお、カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。

AKG N5 Hybridカラーバリエーション

ブラックも良いですが、ホワイトも清潔感があって捨てがたい…。

付属のドングルはLC3plus接続用で、USB-C端子を備えるiPhone15ならハイレゾで音楽を楽しむことも可能です。

しっかりした装着感で安定性も高い

AKG N5 Hybrid装着イメージ

AKG N5 Hybridはスティック型ながらかなりしっかりとした装着感で、スティック無しの純粋なカナル型のイヤホンと同じ感覚です。

したがって装着安定性はかなり高く、頭を激しく振っても落下するような心配はありません

通常のスティック型は、スティック部分が耳に当たってイヤーピースが耳孔に深く入りにくくなっています。

スティック型のイヤホンの装着感が軽いと感じるのは、こようにイヤーピースによる圧迫感が少ないという特徴があるからなんですよね。

しかしAKG N5 Hybridは、耳に当たる部分の形状が、スティックのないカナル型モデルと同じような形をしています。

スティック部分はマイクに指向性を持たせるためで、装着感を軽くするためのものではないのでしょう。

しかもスティック部分がタッチコントロールになっているので、ハウジングが比較的小振りでスッキリしています。

これなら耳の小さな女性が装着してもイヤホンが大きすぎる印象はなく、スタイリッシュな見た目になっています

AKG N5 Hybridの音質と通話品質

AKG N5 Hybridの音質と通話品質をチェックしていきましょう。

透明感が高く骨太なサウンド

AKG 5N Hybridは若干低音にボリューム感があるものの、全体的にはフラットな音質

各帯域とも解像度が高く、その点においては有線なみといわれるSONY WF-1000XM5やTechnics EAH-AZ80とも遜色ありません

両者との違いは一音一音にしっかりとした厚みがあり、音にぼやけたところが無く輪郭がはっきりしているところでしょうか。

とくに低音は他のワイヤレスイヤホンに比べて最もタイトに鳴っていて、パワフルさと繊細さが同居したまさに有線クオリティ

高音の細かな表現力は有線に比べるとさすがに劣りますが、それでもワイヤレスイヤホンとしてはトップクラスだと断言できます。

AKG N5 Hybrid音質

個人的に高音の表現力はEAH-AZ80がもっとも優れていると思っていますが、そのぶん線の細さを感じるんですよね。

AKG 5N Hybridの高音はEAH-AZ80と同じくらい繊細ながら、一音一音にエネルギーが感じられるのが大きな違いだと思います。

またボーカルも非常にクリアで、その透明度の高さはAKGサウンドならではといったところでしょう。

全体的に音が近い感覚ですが、音場が広く上方向の抜けも素晴らしいため煩いようには感じません。

AKG 5N Hybridの音質をまとめると、繊細さと力強さが絶妙にバランスしたハイクオリティサウンドという表現でしょうか。

得意不得意というジャンルはなく、どんな音楽にも合うという万能タイプなイヤホンだと思います。

なお、AKG 5N Hybridは付属のUSB-Cドングルを使うことによって、LC3plusでの24bit96KHzのハイレゾ再生が可能。

AKG N5 Hybridドングル

これはiPhone15でハイレゾ再生ができるということを意味するので、同機種ユーザーにとっては大きなメリットでしょう。

ただし電車の中などでは接続が不安定になることがあり、いつでもストレスなくハイレゾを楽しめるというわけではありません

このあたりはiPhoneの宿命とでもいうべきところで、自宅内など接続の安定した場所用と割り切るしかなさそうです。

とはいえ、AAC接続でも繊細で見通しの良いAKGサウンドは十分に感じることができます。

したがってiPhoneユーザーにもおススメであることにかわりはありません。

2024年度は始まったばかりですが。いきなり音質で頭一つ抜けたイヤホンが出てきたなと感じました。

 

 

マイク性能は最強クラス

AKG N5 HybridはZoom認証済みの高通話品質を謳っていますが、実際に試してみたところ驚きの通話性能でした。

まずはその実力を確認して頂きたいのですが、以下は比較的混雑している量販店の店内でマイクテストをしたものです。

Bluetooth接続と2.4GHzワイヤレスの両方を試してみましたが、どちらも音声、ノイズ抑制共にかなり優秀なことがおわかりいただけると思います。

まず気が付くのが、自分が声を発する前から周辺ノイズがしっかりと抑制されていること。

自分が声を発するまでは周辺ノイズの抑制が効かないモデルが多いんですが、AKG N5 Hybrid は最初から周辺ノイズが聞こえません

店内ではBGMが流れていたんですが、それもほとんど聞こえませんね。

また、周囲でかなり多くの人が会話していたんですが、これだけ人の話し声が抑制されているのは驚きです。

AKGのオリジンといえばコンデンサーマイクですから、N5 Hybridもその血脈を受け継いでいるということでしょうか。

ちなみに両者を聴き比べてみると、音声の明瞭さはいずれも同じくらいですが、周辺ノイズ抑制は2.4GHzワイヤレスが一段上ですね。

AKG N5 Hybridの通話品質をスコアリングすると以下の通りで、これは歴代トップクラスのレベル

AKG N5 Hybrid通話品質

正直なところ、個人的にワイヤレスイヤホンの通話性能も来るところまで来てしまったかなと思っていました。

ところがこれほどの通話品質を突き付けられると、まだまだ進化は止まらないんだなと考えを改めなければなりませんね。

AKG N5 HybridのANCと外音取り込み性能

AKG N5 Hybridのアクティブ・ノイズキャンセリングと外音取り込み性能について確認していきましょう。

トップクラスに迫るノイキャン性能

AKG 5N Hybridのアクティブノイズキャンセリング(=ANC)は、かなり高レベルな仕上がりになっています。

イヤホンを装着してANCモードにした瞬間「お!ノイキャン結構強いな」と感じます。

人の話し声は聴こえるもののノイズはかなり低減されており、SONY WF-1000XM5など最強勢に迫る出来栄えという印象。

カフェ店内はもちろんのこと、これなら電車内で音楽を楽しむにも十分なノイキャン性能でしょう。

AKG N5 Hybridノイズキャンセリング性能

なお、ノイズキャンセリングはアダプティブノイズキャンセリングとカスタムの2種類から選択が可能。

AKG N5 Hybridノイズキャンセリングカスタマイズ

アダプティブノイズキャンセリングとは、周囲のノイズレベルに合わせてリアルタイムでノイキャン強度を自動補正する機能です。

カスタムを選択した場合、ノイキャン強度は7段階で調整することができるようになっています。

 

 

外音取り込み性能は通常レベル

AKG N5 Hybridの外音取り込みは実用的にはまったく不満はないものの、イヤホンを着けていないと感じるレベルには到達していない印象

コンビニのレジで店員と会話したり、電車内のアナウンスを聞くというシーンでは何ら困ることはない音質です。

いっぽうでほんの少し高音にフォーカスしているような感覚があり、イヤホンを着けていないくらい自然かといわれると一歩及ばないかなと感じます。

そういった意味では、外音取り込み性能が最重要という方でなければ不満を感じることはないはずです。

外音取り込みレベルはノイズキャンセリング同様に7段階から選択が可能。

AKG N5 Hybrid外音取り込みカスタマイズ

取込みレベルを上げるほど周辺のざわめきのようなノイズを拾いやすくなるので、個人的にはLevel4くらいがちょうど良いと感じました。

AKG N5 Hybridの機能について

AKG N5 Hybridの機能面についてチェックしていきましょう。

専用アプリは使いやすく機能も充実

AKG N5 Hybridには専用アプリが用意されていて、イヤホンを色々とカスタマイズして使うことができるようになっています。

AKG Headphones

AKG Headphones

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アプリは直感的に操作でき、デザイン性も高くなかなかの出来栄え、

AKG N5 Hybridアプリトップ画面

メニューの充実度もかなりレベルが高い印象で、欲しい機能はほとんど揃っていますね。

ここでは代表的なメニューをご紹介していきます。

イコライザーで音質チューニング可能

AKG N5 Hybridは、専用アプリにイコライザーが用意されています。

5種類のプリセットに加え、10バンド(32kHz~16kHz)の完全カスタマイズも可能。

AKG N5 Hybridイコライザー

実際にチューニングしてみると、イメージ通りに音質が変化してくれる印象です。

微妙な調整にもしっかり応えてくれるし、大きくいじっても全体が崩壊することはありません。

このあたりはさすがAKGチューニングといったところでしょう。

イヤホン本体のタッチコントロール

AKG N5 Hybridはイヤホン本体のタッチコントロールで様々な操作ができるようになっています。

デフォルトの操作は以下の通りで、タッチコントロールの感度はちょうど良い感じですね。

動作
音楽1回押しノイズキャンセリング ⇒ アンビエントアウェア ⇒ OFF切替」再生/一時停止
2回押しトークスルー ON/OFF次の曲へ
3回押し曲戻し
2秒長押しボイスアシスタント起動
通話2回押し着信応答/通話終了
2秒長押しマイクミュート ON/OFF

操作カスタマイズは可能ですが、音量コントロール、再生コントロール、アンビエントサウンドの操作のいずれかを割り振る形式

AKG N5 Hybrid操作カスタマイズ

できればここは完全カスタマイズして欲しかったところですね。

個人的によく行うアクションは再生停止、音量上下、ANC⇔アンビエンの3つ。

AKG N5 Hybridのアプリの仕様では、いずれかのアクションをあきらめてスマホで操作するしかありません。

ここが解消されればより使いやすくなるので、ファームウェアのアップデートで完全カスタマイズに対応して欲しいところです。

デバイス2台同時接続可能なマルチポイントに対応

AKG N5 Hybridは2台のデバイスに同時接続できるマルチポイントに対応しています。

AKG N5 Hybridマルチポイント

このマルチポイントという機能は、イヤホンを複数のデバイスに接続する人にとっては神機能。

たとえば通勤時にプライベートスマホにN5 Hybridを接続して音楽を聴いていたとしましょう

このときマルチポイント機能を使って、仕事用の携帯にも同時接続状態にしておきます。

そうすると仕事用携帯に着信があれば、イヤホンを操作するだけで着信応答することができます。

もちろんこの時、プライベートスマホの音楽は一時停止し、通話を終了すると再生が開始されます。

着信応答、通話終了ともにイヤホンん操作だけで完結しますので、仕事用の携帯はバックの中のままでも大丈夫。

以上は使い方の一例ですが、同時接続しておくデバイスの組み合わせは自由

パソコンとスマホ、ゲーム機とタブレットなど、Bluetooth接続できる機器なら2台同時に繋げておけます

この機能は一度体験すると後戻りできないくらい便利なので、是非試していただきたいですね。

バッテリー性能や防水も死角なし

AKG N5 Hybridはノイズキャンセリング使用時にイヤホン本体で約8時間、充電ケース併用で約32時間というバッテリー性能を誇ります。

また、急速充電にも対応しており15分の充電で約4時間の音楽再生が可能

もちろんQi規格のワイヤレス充電にも対応しています。

ワイヤレスイヤホンを使いはじめて最も気を遣うのがバッテリー残量なんですが、これだけの性能であればまず困ることはないでしょう。

くわえて防塵・防水性能もIP54となっており、ほこりや雨にもある程度の強さを備えています。

ちなみにIP54というのは、多少の砂埃やにわか雨程度ならイヤホン本体に大きな影響が出ないレベルの防塵・防水性能

街中など外出時にも使用環境をあまり気にせず音楽を楽しむことが可能です。

 

 

AKG N5 Hybridのレビューまとめ

それでは最後にAKG N5 Hybridの総合評価と、実際に使ってみて感じたことをまとめていきましょう。

評価項目ImpressionScore
通話品質トップクラス(ドングル接続でさらにクリアな通話となる)5.0
低音タイトで粒立ちが良く全体を下支えする上品な迫力あり4.8
中音ボーカルが近く透明感がありながらもエネルギッシュな音質4.8
高音解像度が高く華やかな印象4.9
ANC性能最強には一歩及ばないがトップクラスの性能4.7
外音取込み普段使いには支障のない平均的なレベル4.6
アプリ機能デザイン面、操作面、メニュー充実度いずれも高レベル4.7
機能加点LC3plus対応(付属USB-Cドングル使用時)5.0
機能加点LDACに対応5.0
機能加点マルチポイントに対応5.0
総合評価4.9

AKG N5 Hybridを実際に使ってみて感じたことは「これは2024年度最強イヤホンになる可能性があるな」ということでした。

まず音質がかなり良く、AKGらしい透明感のある見通しの良いサウンドは期待以上のクオリティでした。

付属のUSB-Cドングルを使えばLC3plusで24bit96kHzの高音質接続が可能というのも好ポイント。

iPhone15以降という制約はありますが、ワイヤレスイヤホンとiPhoneの組合せでハイレゾを楽しめる貴重な存在です。

圧巻だったのが通話品質の高さで、歴代のワイヤレスイヤホンのなかでも最強といって良いほどの出来栄えです。

ノイズキャンセリングもWF-1000XM5など最強には少し足りないかなとはいえ、このレベルなら日常使いには何ら不満を感じることはないでしょう。

マルチポイントやワイヤレスチャージにも対応していますし、アプリ機能も満足できる仕上がりです。

個人的に不満な点といえば充電ケースのクオリティですが、もしマグネシウム筐体なら4万円超えだったと思えば致し方ないかなと。

為替や部材の高騰でプレミアムイヤホンは4万円台でもおかしくない状況。

最近個人的には「新製品が出るたび値段が上がっていて、価格と性能のバランスに疑問を感じるなぁ」と思っていました。

しかしAKG N5 Hybridは久しぶりに「この性能でこの価格なら安い!」と思えた1台

2024年度はまだ始まったばかりですが、AKG N5 Hybridは年度最強の可能性があるイヤホンとして自信をもってご紹介します。