EarFunといえば、低価格ながら高機能なワイヤレスイヤホンを次々に発表しているメーカー。
しかも新製品が出るたびにコスパの良さが更新されている印象で、2024年も注目したいメーカーの1つです。
そのEarfunからAir 2というスティックタイプの新モデルが2月1日にリリースされました。
Earfun Air 2はノイズキャンセリング非搭載ながら、基本仕様をみるとその他の機能面はしっかりしている印象。
これは実際に試さなければということで、今回はEarFun Air 2をレビューしていきます。
もちろん実際に使ってみて良かった点ばかりではなく、残念に感じた点も忖度なくお伝えしたいと思います。

【良い点】
〇圧迫感の無い軽い着け心地
〇弱ドンシャリながら全体域バランスの良いサウンド
〇低価格とは思えない通話品質の高さ
〇急速充電やワイヤレスチャージに対応
〇マルチポイントに対応
〇タッチ操作カスタマイズの自由度が高い
【イマイチな点】
✖LDAC接続が不安定
✖外音取り込み機能は欲しかった
Contents
EarFun Air 2のデザインと装着感
EarFun Air 2のイヤホン本体や充電ケースのデザインや、実際に装着してみて感じたことを確認していきましょう。
EarFun Air 2のデザインは価格相応
EarFun Air 2のデザインは、スティック型のワイヤレスイヤホンとしては標準的だといえるでしょう。
ただし、現状実質税込みで5,000円を切る価格だということを考えると、かなり頑張っているなと思います。
まず充電ケースはシンプルながらコロンとしたデザインで、手の平にのるコンパクトサイズ。

重量も本体を格納した状態で45gしかないので、上着やパンツのポケットに入れても邪魔になりません。
マットな塗装なので指紋が付きにくいのは個人的にはポイントが高いです。
イヤホン本体は「スティック型といえばこれ」というデザイン。

低価格もでるなので、デザイン的に「特別ここが」というようなところは残念ながらありません。
しかしチープさを感じるかというと全くそんなことはなく、むしろ他メーカーの1万円台前半のスティック型イヤホンと同程度のクオリティだと思います。
この記事を書いている時点ではブラックしか発売されていませんが、メーカーホームページにはホワイトも掲載されています。
他のモデルにもホワイトはラインナップされているので、少し時間が経つとリリースされるかもしれませんね。
スティック型らしい軽い装着感

EarFun Air 2は、スティック型イヤホンらしい軽い着け心地です。
スティック型のイヤホンは、スティックが耳に干渉してイヤーピースが耳孔に深く入りずらくなっています。
またイヤホン本体のシェルと呼ばれる部分が小さいので、装着したときの圧迫感も少ないんですね。

したがってEarFun Air 2は、一般的なカナル型イヤホンの装着感が苦手という方にはおすすめのモデルとなります。
なお、スティック型のイヤホンはイヤーピースが耳孔に深く入りにくいので、遮音性が低いと感じることがあります。
しかしEarFun Air 2を実際に着けてみて、遮音性が低いとは感じませんでした。
EarFun Air 2はアクティブノイズキャンセルが非搭載なので、イヤホンそのものの遮音性は気になるポイント。
個人的にも「遮音性はどうかな?」と思っていたんですが、これなら問題ないと感じました。
EarFun Air 2の音質と通話品質
EarFun Air 2の音質と通話品質についてチェックしていきましょう。
EarFunとしてはバランスの良いサウンド
Air 2はEarFunのワイヤレスイヤホンとしては落ち着きがあり、バランスの取れたサウンドだと感じました。
個人的にEarfunのワイヤレスイヤホンには、「ドンシャリ」で「ソリッド」な音質だというイメージを持っています。
アタック感も強くて音がグイグイ来るイメージなので、曲によっては聴き疲れすることもあるなと。
しかし、Air 2はドンシャリでソリッドということは変わらないももの、少し角が取れた丸みのある音質。

低・高音が主張しすぎるということもなく、多くの人が「良い音」と思えるようなチューニングではないかと感じました。
正直なところ実質5,000円ほどでこの音質は驚異的だと思います。
EarFunが今後の新モデルにこのチューニングをデフォルトとして採用したら、他メーカーには脅威になるのでは…。
そんなことを考えるくらい、この価格にしては良い音質だと思います。
低価格ながら機能面が充実しているというのが、これまでEarFunやAnkerなど中華系のイヤホンの特長でした。
しかし音質についてもかなり洗練されてきた印象があり、今後が楽しみですね。
LDAC接続は非常に不安定
EarFun Air 2は高音質コーデックのLDACに対応しています。
LDAC接続を行うには専用アプリで「Bluetoothオーディオの品質」を開き、LDACをONにします。

実際にLDAC接続してみると、高音がより細やかに感じられることが実感できました。
しかし個人的にはLDACだとソリッドになりすぎる印象で、AAC接続のほうが好みに感じました。
そしてなにより、LDAC接続が全く安定しないんですよねぇ。
街中で使っていると接続が切れまくりで、これではLDACは自宅以外では使えないなと感じました。
個人的にはLDACよりAACの音質のほうが好みなので大きな問題ではないんですが、LDAC目当てで購入するのは危険でしょう。
せっかくのLDAC対応なので、ファームウェアのアップデートで対策して欲しいですね。
通話専用イヤホンとして使うのもアリ
EarFun Air 2を実際に使ってみて一番驚いたのが通話性能の良さ。
1万円以下のワイヤレスイヤホンとしては、トップクラスの通話品質だと思います。
以下は実際にEarFun Air 2を使って、カフェでマイクテストを実施した音声です。
【EarFun Air 2 マイクテスト】
店内はBGMが流れていたのでかすかに音楽が聴こえますが、自分の声は非常にクリアなのがお分かり頂けると思います。
話しはじめは周辺ノイズと自分の声の分離が追い付いていませんが、そのあとはノイズがしっかりと抑制されています。
エコーやこもりといったところもほぼ感じられないので、通話品質はかなり高いと評価出来るでしょう。

実質5,000円でこれほどのマイク性能というのは非常に驚きで、ビジネスにも積極的に使えるレベルです。
通話目的でマイク付きの安い有線イヤホンを購入するなら、EarFun Air 2を購入したほうがお得だと思いますよ。
EarFun Air 2の機能について
EarFun Air 2の機能面について確認していきましょう。
進化した専用アプリ
EarFun Air 2には専用アプリ「EarFun Audio」が用意されています。
このアプリは以前に比べて格段に使い勝手が良くなっており、個人的にはEarFunが最も進化したポイントだと思っています。

アプリメニューはゲームモード ON/OFF、音楽用イコライザー、タッチキーのカスタマイズの3つ。
低価格モデルなのでアプリメニューが豊富というわけではありませんが、必要最小限のことはできるようになっています。
充実した音楽用イコライザー
EarFun Air 2を実際に使ってみて、音楽用イコライザーがかなり充実しているなと感じました。
イコライザーはデフォルトサウンド、プリセットイコライザー、カスタムイコライザーの3種類。
カスタムイコライザーは10バンドで、お気に入りのチューニングを保存しておくことも可能です。

また、プリセットイコライザーも以下の10種類が用意されています。
Classical、Jazz、Country、R&B、Rock、Pop、高音ブースト、低音ブースト、高音を弱める、低音を弱める
なお、プリセットイコライザー選択時にもチューニングの波形が表示されます。
それを参考に、カスタムイコライザーで好みのサウンドチューニングを行うという楽しみ方がおすすめです。
自由度の高いタッチコントロール
EarFun Air 2はイヤホン本体のタッチセンサーで直接操作ができるようになっています。
デフォルトの設定は以下の通りで、個人的にはタッチ1回にボリュームコントロールが割り振られているのが気になります。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回押し | 音量DOWN | 音量UP |
| 2回押し | 再生/停止 | ||
| 3回押し | 曲戻し | 曲送り | |
| 長押し | 音声アシスタント起動 | ||
タッチ1回は誤作動が多いので、自分としては何も動作しない「無効」を割り振っておきたいところ。
そんなときはコントロールカスタマイズを使って、操作の割り振りを変更しちゃいましょう。

カスタマイズは、左右とも1~3回と長押しそれぞれにアクションが設定できるようになっています。
これだけ自由度が高ければ、感覚的に使いやすいようにタッチコントロールをカスタマイズすることが可能ですね。
2台のデバイスへの同時接続が可能
EarFun Air 2は2台にデバイスに同時接続することができるマルチポイントに対応しています。

このマルチポイントという機能は、イヤホンを複数のデバイスに接続して使用するユーザーには神機能。
たとえば出張するときの電車移動中を想定してみましょう。
電車での移動中、自分のプライベートスマホとビジネス用スマホにイヤホンを同時接続しておきます。
車内でプライベートスマホで音楽を聴いている時に、ビジネス用スマホに仕事の着信があったとします。
この時、イヤホン本体のタッチセンサーを2回タッチすると着信応答に切り替わり、音楽は自動停止するんですね。
通話が終わると自動的にプライベートスマホとの接続が優先され、止まっていた音楽が再び流れ出します。
Bluetooth接続ができるデバイスなら、マルチポイントで同時接続する組み合わせは自由。
EarFun Air 2は遅延55msのゲームモードも搭載しているので、ゲーム機とスマホという組み合わせも便利そうですね。
バッテリーや防水性能も死角なし
EarFun Air 2は、イヤホン本体で約9時間、充電ケース込みで約40時間の再生が可能となっています。
これだけの駆動力があれば、1週間はバッテリーチャージ無しでも余裕でしょう。
また、EarFun Air 2はアプリトップ画面で充電ケースのバッテリ―残量も確認できるようになっています。
これなら充電ケースの充電タイミングを視覚的に確認することができるので、「バッテリーまだ残ってたっけ?」と気にする必要もありません。
くわえて、ワイヤレスチャージと急速充電にも対応しているので、バッテリーに関しては死角なしと言って良いでしょう。
さらにEarFun Air 2はIPX7の防水性能になっているのもうれしいポイント。
IPX7とは、常温の水道水(静水)の水深1mのところに機器を沈め、約30分放置して取り出した時に機器の機能が正常に動作するというレベル。
「常温の水道水」なのでお風呂の中で使うことは避けたほうが良いですが、冷水のシャワーなら大丈夫という性能。
まぁ、あえて水に濡らす必要はないと思いますが、かなりハードに使っても大丈夫というのは大きなメリットだと思います。
EarFun Air 2のレビューまとめ
それでは最後にEarFun Air 2の総合評価と、実際に使ってみて感じたポイントを整理してみましょう。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | オフィスなどでビジネスにも使用可能 | 4.6 |
| 低音 | 迫力はあるが主張しすぎない | 4.2 |
| 中音 | ボーカルの分離感・距離感とも問題なし | 4.4 |
| 高音 | とげとげしさが無く丸みのある音質 | 4.3 |
| アプリ機能 | 必要最低限のメニューを装備 | 4.2 |
| 機能加点 | マルチポイントに対応 | 5.0 |
| 機能加点 | IPX7の防水性能 | 5.0 |
| 機能加点 | 急速充電・ワイヤレスチャージに対応 | 5.0 |
| 総合評価 | 4.6 | |
EarFun Air 2を実際に使ってみて感じたのは、ワイヤレスイヤホンのエントリーモデルとして完成度が高いということです。
EarFun Air 2はアクティブノイズキャンセリングは搭載していないものの、それでもOKならかなりおすすめ。
たとえば有線イヤホンのケーブルに煩わしさを感じているなら、とりあえずEarFun Air 2を使ってみて欲しいですね。
ケーブルの煩わしさからの解放や通話時のノイズ抑制、マルチポイントでの2台同時接続等々…。
おそらく聴いたり話したりするシーンでのあまりの使い勝手の良さに、手放せなくなると思います。
もちろん音質もこの価格帯としては標準レベル以上ですので、音楽を聴く楽しさを再認識できる可能性も高いのではないでしょうか。
LDAC接続での不安定さが残念ではありますが、iPhoneユーザーならそこも気にする必要はありません。
たかがイヤホンではありますが、EarFun Air 2は普段の生活を豊かにする可能性を秘めた1台であることは間違いありません。














