
音質も通話も高レベルで満足度Max
Bang&OLUFSENのBeoplay E8 3rd Genは3万円オーバーの価格に恥じない性能を備えたプレミアムワイヤレスイヤホンです。
アクティブノイズキャンセリング機能こそ非搭載ですが、繊細で厚みのあるフラットな音質は余裕をもってゆったりと音楽を楽しみたい方向けの味付けで、通話品質もビジネスユースにも耐えられる高いレベル。
本革製の充電ケースなどシックなデザインも含めて、まさに余裕のある大人向けの製品です。
所有欲を満たしてくれる数少ない完全ワイヤレスイヤホンの1つとしてぜひ試していただきたい1台です。

Contents
Beoplay E8 3rd Genの通話品質と音質
まずはこのブログで最も重視しているマイク性能と音質についてみていきましょう。
Beoplay E8 3rd Genのマイク性能
Beoplay E8 3rd Genのマイクは片側2つ×2の4マイクとなっています。
製品ホームページではマイクの指向性を高め、集音性能を向上させるビームフォーミング技術に対応したと記載されています。
正直なところ4マイクなので通話品質にはそれほど期待していなかったのですが、マイクテストの結果は目を見張るものでした。
【B&O Beoply E8 3rd Gen マイクテスト】
マイクテストを実施したのは夕方のカフェで、30席ほどある店内は8割程埋まっていて、かなりざわついている状態。
そのような状況でこれだけの通話品質ですから、かなり優秀だといえるでしょう。
サ行が刺さるような感じと若干こもるような音になるという傾向はありますが、特筆すべきは周辺ノイズがほとんど気にならないということ。
ビームフォーミング技術のレベルが高いのか、周辺ノイズの低減については通話品質に定評のあるJabraの完全ワイヤレスイヤホン以上だと感じました。
じつは同じ場所でAVIOT TE-D01qのマイクテストも行っているんですが、聴き比べて頂くと同じ4マイクながらどれだけ差があるかを実感して頂けると思います。
まぁ、両者は25,000円ほどの価格差がありますから当然ともいえなくはありませんが、ビジネス用途に完全ワイヤレスイヤホンを購入しようと検討している方には、製品によって通話品質にも相当差があるということを知って頂きたいと思います。
Beoplay E8 3rd Genの通話品質であれば、オフィスの自席からのweb会議参加でも、周囲のノイズをあまり気にする必要はありません。
また、自室や会議室など周辺ノイズが少ない環境下なら、社外とのweb会議でも全く問題なく使えるレベルの通話品質です。
Beoplay E8 3rd Genの音質
Beoplay E8 3rd Genは決して大径ではない5.7mmドライバー搭載機ながら、その音質にこそ最大の特徴があるといっても過言ではありません。
低音~高音までどの音域も解像度が高く厚みのある音質で、聴かせたい音にスポットライトがあたってくっきりと浮かび上がってくるような感覚にとらわれます。
フラットではありますが、どちらかといえば中~高音に力のあるかまぼこ型で、低音は中~高音を下支えしながら音楽全体に艶を加えてくれるような上品な音色という表現が適当かと思います。
レビューの中には低音が弱いという意見も散見されますが、僕はそのようには感じませんでした。
まぁ、Technics EAH-AZ70Wの低音で十分満足している僕にとってBeoplay E8 3rd Genの低音は十分迫力があり、音割れのしないしっとりとした音色にすっかり魅せられてしまいました。
中音~高音は音の粒1つ1つがしっかり感じられる透明感のある音質で、シャリつきや刺さる感じもなく長時間でも聴き疲れしないやわらかな音色。
すがすがしいまでの透明度のおかげか、聴かせたい音にまるでスポットライトがあたっているかのように感じる表現力、これがBeoplay E8 3rd Genの最大の魅力だと思います。
音場定位は目の奥のあたりでこの点も自分好みなんですが、聴かせたい音がスッと前に出てくるような感覚があり、これがスポットライトがあたっていると感じた理由かも。
Beoplay E8 3rd Genは高級イヤホンではありますが、その価格以上に満足感を得られる音質を備えた製品だといってまちがいありません。
Beop 3rd Genlay E8 3rd Genの外観と装着感
Beoplay E8 3rd Genの本体や充電ケースなどの外観と装着感についてチェックしてみましょう。
Beoplay E8 3rd Genの本体と充電ケース
Beoplay E8 3rd Genの充電ケースはコロンとした楕円形で、手のひらにおさまるサイズです。
ケースは本革製で上部にB&Oのロゴが刻印されていて、ビジネスシーンで使っても一目置かれるようなシンプルながら高級感のあるデザインです。

イヤホン本体も余計な装飾はなく落ち着いた雰囲気で、タッチセンサーに控えめにプリントされたB&Oのロゴがスタイリッシュさを感じさせます。

イヤーピースはシリコン製4サイズ(XS,S,M,L)と、ウレタン製のComply 200(スポーツタイプ)が1サイズ(M)が同梱されています。
カラーバリエーションは全5色ですが、個人的には何故Greenがラインナップされたのか開発陣にインタビューしてみたいなぁと(ごめんなさい。余計なお世話でした…)。

Beoplay E8 3rd Genの装着感

Beoplay E8 3rd Genは差し込むだけで耳と一体となるような装着感です。
頭を振っても脱落するような感覚はなく安定した着け心地で、長時間使用しても耳が痛くなるような圧迫感も感じません。
また、遮音性が非常に高く装着しただけで周囲のノイズがスッと消えるような感覚があり、これでアクティブノイズキャンセリングが搭載されていたらどんだけノイキャン効くんだろうと思ったほど。
そんなわけでANCが搭載されていなくても、カフェや雑踏の中であればノイズは全く気になりません。
電車に乗っていても音楽を流してしまえば「静寂の中で音楽を聴きたい」という欲求さえなければ、「なんだANCなくても全然OKじゃん」というくらい。
同梱されているイヤーピースで遮音性がしっくりこないと感じる場合は、以下のイヤーピースを試してみることをおススメします。
Beoplay E8 3rd Genの機能と操作性
最後ににBeoplay E8 3rd Genの機能や操作性についてみていきましょう。
Beoplay E8 3rd Gen専用アプリ
Beoplay E8 3rd Genは専用アプリ「Bang&Olufsen a/s」に対応しています。
アプリは必要最低限の機能しか備えておらず、できることは以下の通りです。
【Bang&Olufsen a/sの主な機能】
✓イヤホン本体バッテリー残量
✓コンテンツ再生/停止
✓音量UP/DOWN
✓リスニングモード切替(イコライザー)
✓透過モード強弱設定
✓自動スタンバイON/OFF
イコライザーは下の右の図のように、円の中のポジションによって音質が変化する珍しいタイプとなっています。

なお、専用アプリがタッチセンサーのカスタマイズに対応していないのが残念ですね。
発売から1年半経過していますのでおそらく対応の予定はないと思いますが、モデルチェンジ後は是非機能として加えてほしいところです。
Beoplay E8 3rd Genの操作性
Beoplay E8 3rd Genはイヤホン本体のタッチセンサーで操作が可能です。
アプリでのカスタマイズができないため、タッチセンサーでの操作は以下の表のとおりデフォルト設定のまま使用することになります。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回タップ | Transparency mode | 再生/停止 |
| 2回タップ | 前の曲に戻る | 次の曲に進む | |
| 長押し | 音量DOWN | 音量UP | |
| 通話 | 1回タップ | 受話 | |
| 2回タップ | 切断 | ||
| 5秒長押し | 着信拒否 | ||
| 通常時 | 3回タップ | - | ボイスアシスタント起動 |
アプリを使っての感想は、ボリュームのUP/DOWNの操作がしにくいということ。
ボリュームの操作は左右のタッチセンサーの長押しなんですが、ボリュームが大きくなりすぎたり小さくなりすぎたりで、なかなかうまく調整できません。
慣れればそんなことは無いのかもしれませんが、もうすこしゆるやかにボリュームが上下するようアプリの改修をしてほしいなと思いました。
また、これはどのイヤホンにも言えることなんですが、通話のときにミュート機能を追加してほしいんですよね。
たとえば着信時に左右どちらも1タップで受話の設定になっていますが、右の1タップで受話/切断、左はミュート/解除の設定だと格段に使い勝手が向上すると思うんですが…。
Beoplay E8 3rd Genのおすすめ機能
Beoplay E8 3rd Genは機能満載のイヤホンではありませんが、いくつかおすすめしたいポイントを説明します。
Transparency mode
Transparency modeは外音取り込み機能(アンビエントモード)のことで、外音の取込みレベルをアプリで4段階に調整可能です。
下の図のようにアプリのメインメニューの下のほうに「透過」という項目がありますので、ここで外音取り込みレベルを調整することができます。

Beoplay E8 3rd Genの外音取り込み機能は非常に優秀で、イヤホンを装着しているのを忘れるくらい自然な音だといわれますが、使ってみると確かにレベルが高いことがわかります。
僕は外音取り込みを使うのがコンビニでの買い物の時くらいなので音質はあまり気にしないんですが、Beoplay E8 3rd Genくらい自然な音なら利用シーンも増えるかもと感じました。
ワイヤレス充電
Beoplay E8 3rd GenはQi規格のワイヤレス充電に対応しています。

ワイヤレス充電は、USBの直接接続での充電より30分ほど充電時間が長くなりますが、充電器さえ設置してしまえばポンと置くだけですから便利なんですよね。
IP54の防塵・防水性能
IPとはInternational Protectionの略で、防塵・防水の国際規格のこと。

IPに続く前の数字が防塵等級、後ろの数字が防水等級を表しており、そのどちらかがXの場合は特別な防塵・防水処置は施していないことを意味しています。
完全ワイヤレスイヤホンでは、IPX4やIPX5と防水機能を備えた製品は多いものの、防塵等級まで備えた機種はそう多くありません。
Beoplay E8 3rd GenはIP54ですから、防塵等級5、防水等級4に準拠しているということになります。
防塵・防水等級はどちらも0等級から始まりますので、防塵等級5は「正常な動作に支障をきたすような粉塵が内部に侵入しない」となっており、家電製品としてはほぼ最高レベル。
いっぽう、防水等級4は「いかなる方向からの水の飛沫によって影響を受けない」レベルですので、急な夕立に合ったくらいなら全く問題ない防水性能です。
まとめ
それでは最後にBeoplay E8 3rd Genの良い点、改善してほしい点を整理してみましょう。
✓全音域で解像度が高く中~高音に厚みのある音質
✓聴かせたい音にスポットライトがあたるかのような臨場感
✓周辺ノイズを抑制する高い通話品質
✓シンプルながら高級感のあるデザイン
✓自然な音に近い外音取り込みモード
✓aptXに対応
✓IP54の防塵・防水性能
✓ワイヤレス充電対応
✓アプリでのタッチセンサーのカスタマイズができない
✓タッチセンサーでボリュームの細かい調整がしずらい
Beoplay E8 3rd Genは、聴く・話すという最もたいせつな2つの品質については非常に高いレベルにある製品です。
3万円オーバーという高級ワイヤレスイヤホンですが、日常使用のメインである聴いたり話したりすることに関しては支払った対価以上の満足感が得られることは間違いありません。
日本製のイヤホンのように至れり尽くせりのアプリメニューは揃っていませんが、いい音が聴けてビジネスでも使える通話品質のイヤホンを探している方にはおススメの1台です。
良いものを長く使いたいという方にはぜひ手に取って頂きたいイヤホンですね。

















