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ハイレゾってなに?|ワイヤレスイヤホンでも高音質を楽しむには

ハイレゾが高音質だってことはわかるけど、どのくらい良い音なんだろう…?

ハイレゾ対応のオーディオ製品が数多く発売されていますが、実際にはこんな疑問を抱えている方も多いと思います。

そんなわけで、今回は「ハイレゾ」についてわかりやすく説明していきたいと思います。

ハイレゾってなに?

ハイレゾというものはそもそもどういうものなのか。

まずはハイレゾという言葉について、簡単に説明していきます。

ハイレゾ音源とよばれるもの

ハイレゾ(Hi-Res)という言葉は、ハイレゾリューションオーディオ(High-Resolution Audio)の略語です。

ちなみに、ハイレゾリューションは「高解像度」、オーディオは「音響」や「音響機器」という意味。

では、高解像度な音響というのはどの程度の音質なのでしょう?

じつは、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が2014年に以下の通知を出しています。

「ハイレゾオーディオ」(*注1)と呼称をする場合
” CDスペックを超えるディジタルオーディオ ”であることが望ましい。

*(注1)オーディオおよび音声を意味して使用される”ハイレゾリューション”、”ハイレゾ”という呼称に関しても含む

引用元:一般社団法人 電子情報技術産業協会 「ハイレゾオーディオの呼称について(周知)」より

つまり、ハイレゾとはCDよりも解像度の高い音源や、その音源を再生することのできる音響機器ということになります。

なるほど!ではあるんですが、もう少し掘り下げていきます。

ハイレゾがCDよりも解像度の高い音源だとして、そもそもCDというのはどのくらいの音質なのでしょう。

音質の解像度は、一般的に「量子化ビット数」と「サンプリングレート」によって決まります。

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の通知では、「量子化ビット数」と「サンプリングレート」のいずれかがCD音源以上とされています。

いっぽう、日本国内にはハイレゾロゴを商標登録している一般社団法人 日本オーディオ協会(JAS)という組織も存在します。

以下はハイレゾ対応ワイヤレスイヤホンですが、右画像の左下、Hi-Resのロゴに見覚えがある方も多いのではないでしょうか。

SOUNDPEATS Capsule3 Pro パッケージ

JASが推奨しているスペックは、「量子化ビット数」と「サンプリングレート」のいずれもCD音源を超える音質を備えたものとしています。

ということで、ハイレゾの定義を図に表すと以下の通りになります。

ハイレゾの定義

日本国内では一般的にJASのハイレゾロゴを使用することができる音源、ないしはオーディオ機器がハイレゾであるとの認識でしょうね。

ハイレゾはなぜ音が良いの?

ハイレゾが高音質なのは、原音により近い音を再現しているからといことになります。

そもそも音は空気の振動によって伝わるもので、以下の図の通りアナログ波形をしています。

音の大小と高低

大きな音ほど上下の振幅が大きく、また、高い音ほど波形の幅が狭くなっていることに着目してください。

音を録音したり有線や無線で通信するときには、電気的なデジタル信号に置き換えるんですが、ここで量子化ビット数サンプリングレートが関係してきます。

「量子化ビット数」は、数値が高くなるほど記録できる音の振幅を測定する段階が細分化されると説明しました。

つまり量子化ビット数が大きくなればなるほど、音の大小の移り変わりをより細かく表現することができるようになります。

また、階層が細分化されることによりとくに波形の小さな音=より小さい音の表現力が上がるようになります。

量子化ビット数が16bitでは階層が65,536段階なのに対し、24bitでは16,777,216段階となります。

いっぽう「サンプリングレート」は、数値が高いほど1秒間に原音をデジタル化する回数が増えるのでデータ内の情報量が多くなります。

また、1秒間に原音をデジタル化する回数が増える=より振幅の間隔が狭い高い音を表現できるようになるんですね。

サンプリングレート44.1kHzでは44,100分の1秒ごと、96kHzでは96,000分の1秒ごとにサンプリングします。

このように量子化ビット数とサンプリングレートが上がれば上がるほど、音質は原音に近づきます。

そして原音に近づけば近づくほど、その音は「解像度が高い=高音質」ということになるわけです。

ハイレゾ音源のイメージ

デジカメは画素数が細かくなればなるほど画像が鮮明になりますが、音質もイメージとしてはそれと同じ。

高精細カメラの画像がきれいに見えるのと同じで、ハイレゾはより原音に近いから「良い音」だと感じるんですね。

そういった意味では、人間はリアルなものをより良いと感じるようになっているということなんでしょう。

ハイレゾで音楽を聴くためには

ハイレゾはCD音源を超える音質なので、CDから録音した音楽はハイレゾとはいえません。

したがって、ハイレゾで音楽を聴くには音楽配信サービスを利用します。

音楽配信サービスには気に入った今日だけを購入できる音楽配信サイトと、月額料金を払うと聴き放題になるストリーミングサービスがあります。

音楽配信サイトは1曲からハイレゾ音源のダウンロードが可能。

1年間で新しい曲を15~16曲くらいしか聴かないという方は1曲ごとに購入できる音楽配信サイトでも良いでしょう。

いっぽうで、色々な曲を楽しみたいという方は、圧倒的にストリーミングサービスがお得。

ただし、現在ストリーミングサービスでハイレゾ音源を提供しているのは「Amazon Music Unlimited」と「Apple Music」の2つだけ

LINE MUSICやSpotifyは残念ながらハイレゾ音質の配信には対応していません

ちなみにAmazon Music UnlimitedとApple Musicの違いは以下の通り。

比較項目Amazon Music UnlimitedApple Music
曲数1億曲
(洋楽が充実)
1億曲
(邦楽が充実)
料金個人月額1,080円
(プライム会員980円)
月額1,080円
ファミリー1,680円(6人まで)
(プライム会員年額16,800円)
月額1,680円(6人まで)
学生月額580円月額580円
音質16bit/44.1kHz(HD)
16bit/48kHz(Ultra HD)
24bit/192kHz(Ultra HD)
16bit/44.1kHz(ロスレス)
16bit/48kHz(ロスレス)
24bit/192kHz(ハイレゾロスレス)
360 Reality Audio対応非対応
Dolby Atomos対応対応
無料体験1ヶ月1ヶ月

正直なところ両者の違いは360 Reality Audioに対応しているかどうかだけ。

ただし、Amazon Primeに加入していればAmazon Music Unlimitedのほうが料金が安いのでおススメですね。

 

ワイヤレスイヤホンのハイレゾとは?

ワイヤレスイヤホンでもハイレゾで音楽を楽しむことができます。

ただし、イヤホンと音楽を再生するスマホなどのデバイスのBluetoothコーデックがハイレゾに対応していることが条件となります。

Bluetoothのハイレゾコーデック

ワイヤレスイヤホンで音楽を聴く場合、イヤホン本体に音楽をダウンロードするわけではありません。

まずは音楽配信サービスなどから、スマホやパソコンなど再生用デバイスに音楽ファイルをダウンロードします。

音楽配信サービスは曲を購入するのでダウンロード前提ですが、ストリーミングサービスはダウンロードしなくても音楽を再生することが可能です。

そして再生用デバイスとワイヤレスイヤホンをBluetoothで接続して、はじめて音楽を聴けるようになるんですね。

Bluetoothでのデータの送受信には「コーデック」という仕様が存在し、やり取りできるデータ量に制約があります。

コーデック音質と特長量子化ビット数/サンプリング周波数ビットレート遅延
SBCBluetoothを搭載した機器は必ず対応している。SBCの音質を★と仮置きして他のコーデックと比較してみます。16bit/48KHz64kbps~328kbps0.22秒前後
AAC音質は★★。iPhoneやiPadのコーデックはAACが優先され、AACが使えない場合はSBCで接続される。16bit/48KHz詳細は非公開につき推定値
128kbps
256kbps(可変)
328kbps
0.12秒前後
aptX™音質は★★。米Qualbommが開発したAndroid端末の標準仕様。AACと体感上の差はない。16bit/48KHz352kbps@44.1kHz
384kbps@48kHz
0.07秒前後
aptX™ LL音質は★★。低遅延に特化したaptXのコーデックで、音ゲーやバトルゲームに最適。16bit/48KHz352kbps@44.1kHz
384kbps@48kHz
0.04秒前後
aptX™ HD音質は★★★。aptXの高音質版コーデック。ビットレートを高め遅延を犠牲にした音楽用コーデック。24bit/48KHz529kbps@44.1kHz
576kbps@48kHz
0.13秒前後
aptX™ Adaptive音質は★★★★。接続環境やアプリに応じてビットレートを自動で変化させるコーデック。今後主流になる可能性大。24bit/96KHz276kbps~620kbps0.05秒~0.08秒程度
LDAC音質は★★★★。SONY独自の超音質特化型コーデック。遅延が大きいためゲームや動画視聴には向かない。24bit/96KHz330kbps/660kbps/990kbps1秒以上

ハイレゾが量子化ビット数24bit、サンプリングレート96kHz以上の音源だということはすでに説明した通り。

これを踏まえると、Bluetoothでハイレゾに対応しているコーデックは、現状ではLDACとaptX™ Adaptiveだけだということがおわかり頂けると思います。。

また、Bluetooth接続は同じコーデック同士でしか通信ができません

たとえばイヤホンがSBC,AAC,LDACに対応していても、スマホがハイレゾコーデックのLDAC対応していなければ接続はAACになります。

ハイレゾ接続ができない例

AAC接続は16bit・48kHzまでの音質なので、このコーデックで接続となればCD音質と同等。

つまり、ワイヤレスイヤホンでハイレゾ音源を楽しむ場合には、イヤホンと接続するデバイスの両方が同じハイレゾコーデックに対応している必要があるのです。

ちなみにAmazon Music UnlimitedからHDとUltra HDの楽曲をダウンロードして、LDAC対応のワイヤレスイヤホンでで再生したときの画像です。

HD再生では16bit/44.1kHzのCD音質、Ultra HDでは24bit/96kHzのハイレゾ音質になっていることがおわかり頂けると思います。

Amazon Music Unlimitedの音質

ハイレゾを楽しめるワイヤレスイヤホンは以下の記事に纏めてありますので、よろしければご参考にして頂ければと思います。

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iPhoneでもハイレゾは楽しめる?

ワイヤレスイヤホンで音楽を楽しむときに接続するデバイスは、ほとんどの方がスマホになると思います。

ここで気を付けたいのが残念ながらiPhoneのBluetoothコーデックはSBCとAACにしか対応していません

いっぽうAndroid端末は様々な機種がハイレゾコーデックに対応しています。

したがって、ワイヤレスイヤホンをスマホに接続してハイレゾ音源を楽しみたいという方にはAndroid端末がおすすめです。

では、iPhoneとワイヤレスイヤホンの組合せでハイレゾ音源を楽しむ方法はないのでしょうか?

残念ながら現在のところ、iPhoneとワイヤレスイヤホンの組合せでハイレゾ音源を聴くことはできません。

ワイヤレスイヤホンとiPhone接続では、最高音質でも16bit・44.1kHzのCD音質までとなってしまいます。

iPhoneでハイレゾ音源を楽しむためには有線イヤホン・ヘッドホンを使うしかないのが現状です。

iPhoneはアンプの性能がそれほど良くはなく、Apple純正のLightning to 3.5mmオーディオジャック変換ケーブルを使っても、24bit/48kHzまでの音質なのが現状です。

なお、iPhoneで24bit/48kHz以上の解像度でハイレゾを楽しみたいなら、ポータブルタイプのDAC/アンプを購入するという方法があります。