オカムラ バロンに実際にじっくり座ってみる機会があったので、どのようなワークチェアなのかとその感想をレビューします。
Contents
オカムラ バロンの概要
まずはオカムラ バロンの外観やサイズ、ラインナップについてみていきましょう。
オカムラ バロンの外観とサイズ
オカムラ バロンのコンセプトは、エルゴノミクス(人間工学)が生み出す快適な座り心地とシンプル&シャープな洗練されたデザインとされています。

バロンはメッシュチェアとして人気が高いワークチェアで、最上位モデルであるコンテッサ セコンダの弟分のような存在なので、たしかにデザイン性は高いと感じます。
座面や背面などの寸法は以下の表の通りです。
| バロン 寸法 | メッシュタイプ | クッションタイプ | |
|---|---|---|---|
| 座面幅 | 495mm | ||
| 座面奥行き | 400 ~ 450mm | ||
| 座面高さ | 422 ~ 522mm | 415 ~ 515mm | |
| 背面幅 | 495mm | ||
| 背面高さ | エクストラハイバック | 1,160 ~ 1,350mm | |
| ハイバック | 953 ~ 1,053mm | ||
| ローバック | 883 ~ 983mm | ||
| 肘掛高さ | アジャストアーム | 563 ~ 763mm | |
| デザインアーム | 603 ~ 703mm | ||
クッションタイプよりメッシュタイプのほうが座面が7mm高くなっている以外は、どちらも全く同じ寸法となっています。
ハイバックとミドルバックでは背面の高さが70mm違いますので、身長170cm以上の方はハイバックもしくはエクストラハイバックがおすすめです。
オカムラ バロンのラインナップ
オカムラ バロンのチェアタイプは、エクストラハイバック、ハイバック、ローバックの3種類が用意されており、シートタイプはメッシュとクッションタイプの2種類から選択することができます。

なお、背もたれはメッシュ一択となりますが、スタンダードメッシュとグラデーションサポートメッシュの2種類のメッシュタイプが用意されていいます。

グラデーションサポートメッシュは、腰回りのメッシュ密度を細かくして腰をしっかりサポートし、背中の部分はメッシュ密度を粗くして柔らかなフィット感になっています。
グラデーションサポートメッシュは背面生地で腰をサポートする設計になっているため、ランバーサポートのオプション設定はありません。
フレームカラーはポリッシュ、シルバーの2種類で、ボディカラーはブラックとホワイトの2種類。
オプションはランバーサポートの有無、2種類のアームタイプが用意されており、ボディカラーにホワイトを選択すると、肘の色がグレー/ホワイトに変更となります。

なお、バロンの稼働肘はアジャストアームと呼ばれる肘掛け部分の面積が細いデザインとなっており、他のワークチェアと若干異なります。
生地のカラーバリエーションはスタンダードメッシュが全12色、グラデーションサポートメッシュは全6色が設定されています。

グラデーションサポートメッシュはカラーバリエーションが半減しますが、特別色のアクアブルーが加わっているので明るい色が好みの方はちょっと目を惹かれますね。
オカムラ バロンの価格
次にオカムラ バロンの価格についてみてみましょう。
オカムラバロンの実売価格
オカムラ バロンのカタログ価格と実売価格の比較表を作成してみました。
| 仕様 | カタログ価格 (シルバー/ポリッシュ) | 実売価格 (シルバー/ポリッシュ) | |
|---|---|---|---|
| ハイバック (スタンダードメッシュ) | 肘無し | 143,880円/162,140円 | 98,120円/110,550円 |
| ハイバック (グラデーションサポートメッシュ) | 151,250円/169,730円 | 103,180円/115,720円 | |
| オプション | デザインアーム | +21,340円/+25,630円 | +14,520円/+17,380円 |
| アジャストアーム | +24,530円/+28,930円 | +16,610円/+19,690円 | |
| ランバーサポート | +14,300円 | +9,790円 | |
| 固定式ヘッドレスト | +43,890円 | +29,810円 | |
| 可動式ヘッドレスト | +50,820円 | +34,650円 | |
ネットで調べた限りでは、チェア本体・オプションともにカタログ価格の3割引き程で販売されているようです。
この価格表を目安に、ネットで販売されている商品が安いか高いのかを判断いただければ良いのではないかと思います。
オカムラ バロンのオプション選択
価格表をご覧になって「オプションってこんなにするの?」と思われるかもしれません。
しっかりしたメーカーのワークチェアオプションって、本当に高いんですよね。
でも、オプション有無で快適さが全く違ってきますので、予算が許すならオプションはなるべく付けることをおススメします。
なお、バロンの場合、ランバーサポートよりグラデーションサポートメッシュを選択したほうが4千円ほど安く購入できますので、ここは悩みどころかと思います。
ランバーサポートについては次の章で解説していますので、それを参考に検討いただければと思います。※ランバーサポートはこちらを参照願います
オカムラ バロンの機能
オカムラ バロンの機能とオプションについてみていきましょう。
オカムラ バロンの基本機能
オカムラ バロンの特長はContessa直系の快適な座り心地だとされています。
快適なメッシュシーティング
オカムラ バロンには新開発のメッシュ素材が採用され、誰にでもベストなポジションが得られる先進の設計が施されています。
とくにバロンは、日本初の背座メッシュシーティング「コンテッサ」の流れをくむ存在であり、座り心地を徹底的に追求したワークチェアとなっているのです。
バロンにのみ設定されているメッシュ生地であるグラデーションサポートメッシュは、下の図の通りランバーサポート無しで腰回りをサポートするような構造になっています。

グラデーションサポートメッシュは深く腰掛けると腰をしっかりホールドしてくれる感じがありますので、ランバーサポートが腰にあたる感覚が苦手な方にはおススメです。
アンクルチルトリクライニング
アンクルチルトリクライニングは、くるぶし(アンクル)を支点にしてリクライニングすると、背もたれと座面がシンクロしてスライドする機能です。
この機能がないワークチェアでは、背もたれだけが後ろに倒れて座面はそのままの位置で動かないため、体を支えるポイントが上半身の上のほうにずれて無理な態勢になってしまします。
バロンのリクライニング角度は23°まで可能ですが、背もたれの角度に合わせて座面も追随するように角度が付くので、太ももの圧迫感がなく自然な姿勢をサポートしてくれます。

オカムラ バロンのオプション
つぎにオカムラ バロンのオプションについてみていきましょう。
アジャストアーム
オカムラ バロンのアジャストアームは他の製品と異なり、前後左右のスライド機能は搭載しておらず、高さと角度調整のみとなっています
アジャストアームは上下に100mm高さ調整が可能で、バロンは肘掛下のボタンを押しての調整ではなくアーム自体を持ち上げて調整するラチェット構造になっているのが特長です。
また、アームレスト部分が外側に30度・内側に30度と60度と大きく角度を付けることができるのもバロンの稼働肘の特長となっています。
このようにバロンのアジャストアームは他の製品とは異なる仕様になっていますが、机とシートの距離や作業内容によって、角度を大胆に変更できるのは大きなメリットだと思います。
このアームがあるのと無いのとでは、1日のデスクワークを終えた時の疲労感が全く違いますので、必須のオプションといっても過言ではありません。
ヘッドレスト
バロンのヘッドレストはワイドタイプで、固定式と可動式の2種類が用意されています。

可動式のヘッドレストは、高さ90mm、前後に角度20度可動しますので、自分の体格や姿勢に合った位置に調整して使うことができます。
固定式と可動式のヘッドレストの価格差は約5,000円程度ですので、余裕があれば可動式を選ぶことをおススメします。
ランバーサポート
バロンのランバーサポートはスタイリッシュな半透明なデザインで、上下50mmの範囲で動かすことができます。
サブリナやコーラルに比べるとやや小さめで、面というより点で支えられている感覚が強いと思います。
腰回り全体をホールドする感覚が欲しい場合は、ランバーサポートではなくグラデーションサポートメッシュを選択することも検討すると良いでしょう。

ちなみに、ランバーサポートをオプションで装着すると1万円程度かかりますが、スタンダードメッシュからグラデーションサポートメッシュに変更するのは5千円程度の追加で済みます。
交換用キャスター
オカムラ バロンを自宅で使うのであれば、キャスターの種類にも気を付けましょう。
床にカーペットが敷いてあれば標準のナイロンキャスターでも問題ありませんが、フローリングだと傷がついてしまいます。
フローリングの部屋で使うなら、表面に柔らかいウレタンを巻いたウレタンキャスターに変更しましょう。
オカムラ バロンに座った感想
最後にオカムラ バロンに実際に座って感じたことをお伝えします。
オカムラ バロンの座り心地
まずバロンといえばメッシュということで座面がメッシュのタイプに座ってみましたが、コンテッサ セコンダやフィノラに比べると座面が柔らかく自然な座り心地でした。
また、クッションタイプに比べてなぜか座面が広く感じられたんですよね。
クッションタイプもメッシュタイプも座面の幅・奥行きともに全く同じ寸法なのですが、座った時の沈み込みがあるかないかで感覚に違いが生じるのかもしれません。
なんといってもメッシュタイプは、太ももの裏に熱がこもる感覚が一切ないのが良いなぁと思ったいっぽうで、冷え性の方は冬場はスース―してしまうかもと少し心配になりました。
そのくらいスッキリ、さっぱりとした座り心地なので、座面にメッシュタイプを選んだ場合は冬場は厚手のボトムを履くなどした方が快適に過ごせると思います。
いっぽうのクッションタイプは、コンテッサやサブリナのクッションタイプと比べると座面が若干薄くなっているような感覚にとらわれました。
これも個人的な感覚かもしれませんが、バロンは座面がメッシュのほうが良いなと思いました。カッコいいですしね。
背もたれは肩の部分が張り出したデザインになっているので、身長180cmの僕でも肩までしっかりサポートされている感じがしてゆったり座ることができます。
ランバーサポートは小型のため、やはり点で支えられているような違和感があり、とくにリクライニング時は「もう少し幅があれば…」と思ってしまいました。
グラデーションサポートメッシュにも座ってみましたが、腰回りが面で優しくホールドされるような感覚があり、個人的にはリクライニング時の安定感もこちらの方が好みですね。
ランバーサポートのほうがしっかり腰を押しだしてくれますが小さいだけにゴツゴツ感があるので、ほかの製品でランバーに違和感を感じたことがあるような方はグラデーションサポートメッシュを選択すべきだと思います。
ヘッドレストは大きくしっかりとしたつくりなので、リクライニングした時の安心感がありますね。
ヘッドレストは3万円オーバーの追加オプションではありますが、リクライニング時にあるのと無いのとでは快適性が大きく違ってきます。
少し無理をしてでもヘッドレストは付けることをおススメします。
オカムラ バロンをおススメしたい方
オカムラ バロンをおススメしたいのは、在宅のテレワーク比率が高く、PC作業を行っている時間が比較的長い方でコスパの高いメッシュチェアを求める方です。
バロンはデスクワークを行うための機能的なデザインをしており、リクライニングしながら電話やリモートミーティングを行うより、作業することに適したチェアだと思います。
オカムラ バロンは何かこう「無駄を排除した作業用の機能美」とでも言いましょうか、座っただけで仕事をするぞと背筋が伸びるような、そんなワークチェアなんですよね。
また、メッシュシートを採用しているワークチェアの中では、比較的求めやすい価格でもあります。
オカムラでメッシュシートを採用しているのはコンテッサ セコンダ・フィノラ・バロンの3機種ですが、この中ではバロンが最も座り心地が良いメッシュシートワークチェアだと思います。
もちろんコンテッサ セコンダも否定はしませんが、個人的にはコンテッサはクッションシートのほうが断然座り心地が良いと思っていますので。
また、フィノラも悪くないのですが、テレワークの事務作業で使用するワークチェアの観点からは、バロンのアジャストアームのほうがフィノラより機能的だと思います。
フィノラは魅せる要素が強いワークチェアなので、在宅用としてはあまりおススメできないと個人的には感じています。
ですから、メッシュシートのワークチェアを選ぶなら、個人的にはオカムラ バロンが最もコストパフォーマンスが高くおススメだと思います。
まとめ
オカムラ バロンのおすすめポイントは、少し無理をすれば手が届くメッシュシートのワーク用チェアであること。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、デスクワークをするために必要十分な機能は全て揃っているチェアで、なおかつメッシュシートチェアとしては低価格だということです。
オカムラのメッシュシートの代表格であるコンテッサ セコンダは、エクストラハイバックだと20万円はしますし、ハーマンミラーのアーロンチェアはそれ以上。
バロンも決して安いワークチェアではありませんが、メッシュシートのカテゴリーの中では求めやすい価格だということですね。
デザインも非常に洗練されていますし、座って作業するという点においても非の打ちどころのないワークチェアであることは間違いありません。
オカムラ バロンは所有しているだけで仕事をしようと思ってしまう、そんな気分にさせてくれるワークチェアではないかと思います。
メッシュシートのワークチェアが気になっている方は、要チェックな1台ですよ!















