SONY LinkBUds Sは「ながら聴きもはまり聴きも、思うがまま」というキャッチコピーで、2022年6月3日にリリースされました。
LinkBudsというブランドが冠されたことで、同社初の穴あきイヤホン「LinkBuds」と同じコンセプトの製品かと思っていたんですが、これは大きな勘違いだったようです。
LinkBuds SはSONYのフラッグシップモデルであるWF-1000XM4の流れをくむ製品で、ノイキャンや音質は一歩及ばないながらもそれほど大きな違いも感じられない完成度の高さなんです。
さらに通話品質はWF-1000XM4以上のレベルの高さで、なにより次世代Bluetooth規格であるLE Audioに対応予定とのこと。
どうも詳しく調べれば調べるほど、なぜLinkBudsとしたのか首をかしげたくなるような「完成度の高い普通の完全ワイヤレスイヤホン」なんですよね。
そんなわけで今回は、SONY LinkBuds Sを実際に使ってみて感じたことをレビューしていきます。
WF-1000XM4との違いについても要所要所で触れていきますので、是非最後までお付き合いください。

【良い点】
〇WF-1000XM4より40%小型化されたイヤホン本体
〇クリアでモニターライクなSONYらしい音質
〇ノイキャン性能はWF-1000XM4に匹敵するレベル
〇通話品質は異次元のレベルの高さ
〇次世代Bluetooth規格であるLE Audioに対応予定
〇超ハイレゾコーデックLDACに対応
〇マルチポイントに対応(2022年11月17日~)
【イマイチな点】
✖タッチコントロールの完全カスタマイズ不可(パターン割当てのみ)
Contents
SONY LinkBuds Sのデザインと装着感

SONY Link Buds Sの充電ケースやイヤホン本体デザイン、装着感などをみていきましょう。
Link Buds Sの同梱物
LinkBuds Sは非常にコンパクトなBOXに入っていますが、イヤホンを使うにあたって最低限必要なものはきちんと同梱されています。

同梱物は取扱説明書、製品サポート登録説明書、USB-TypeA to C充電用ケーブル1本と交換用イヤーピースです。
充電ケースに収納されているイヤホン本体にはMサイズのイヤーピースがあらかじめ装着されていて、交換用にはSS/S/LLの3種類が用意されています。
耳の小さな女性向けにSSサイズのイヤーピースが同梱されているのはうれしい点ではありますが、Lサイズは同梱されていないんですよね。

Mサイズ(緑色の軸)とLLサイズ(紫の軸)の大きさに少し差がありますので、この2つのサイズがどうもしっくりこないという方は市販のイヤーピースを検討しましょう。
SONYの純正イヤーピースならMとLLの間にLがあり、価格もお手頃なので以下の製品を試してみると良いでしょう(Lサイズは軸が薄い緑です)。
また、かなり高価なイヤーピースではあるものの、個人的にはJVC Spiral Dot++(EP-FX10)をおススメします。
柔らかく装着感が良いこと、S/MS/M/ML/LとMサイズ周りが充実していること、そしてキレのある低音とクリアでシャープな中高音を実現してくれる製品なんですよね。
ちょっと高いなと感じる方は、Spiral Dot++の半分くらいの値段で前モデルのSpiral Dotが購入可能なので、こちらから試してみるのも良いでしょう。
Link Buds Sの本体と充電ケース
Link Buds Sの充電ケースは、サラッとしたマットな手触りで非常にシンプルなデザインになっています。

サイズもかなりコンパクトで女性でも手の平におさまるくらいなので、シャツやパンツのポケットにサッと入れて持ち運びができる携帯性の良さは大きなメリットだと思います。
Link Buds Sは残念ながらワイヤレス充電には対応していないので、充電はケース背面のUSB-TypeCポートから付属のケーブルで行います。

充電を開始するとケース前面のLEDランプが橙色に点灯し、満充電になるとLEDランプが消灯するようになっているので分かりやすいですね。
LinkBuds Sのイヤホン本体はびっくりするくらい小型化されていて、百円玉より二回りくらい小さなボディになっています。

ちなみにLinkBuds SはWF-1000MX4に比べて40%小型化されているんですが、画像のように並べてみるとその小ささが実感頂けるのではないかと思います。

フェイスプレートの大きさしかり、本体の厚みもかなりの差がありますから、装着したときの耳へのおさまりもかなり違ってきます。
WF-1000XM4だと小柄な女性の耳には少し大きいというユーザーの声が多かったとはいえ、ここまで思い切って小型化できるところはさすがSONYだと思いますね。
LinkBuds Sのイヤホン本体カラーはイヤーピースを含めて同色で統一されていて、充電ケースと同じ汚れが目立ちにくいマット調になっています。
フェイスプレートの横にSONYの刻印が入っているくらいの非常にシンプルなデザインなので、あまりギラギラしたデザインを好まないユーザーにも好まれそうですね。
LinkBuds Sのカラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、エクリュ、アースブルーの4色。

エクリュは装着時しても目立たないカラーなので、イヤホンを装着している雰囲気を出したくないと考えるユーザーから支持されそうです。
アースブルーは2022年11月4日リリースされた新色で、マーブル模様には個体差があり自分だけの模様というのが魅力。
また、ウォーターボトルなどの際し素材を使用してつくられた、地球環境に配慮した商品でもあります。
Link Buds Sの装着感
LinkBuds Sは小型のボディだけあって装着時に圧迫感がなく、それでいて耳にしっかり密着する装着安定性の高いイヤホンだと感じます。
最近のSONY製完全ワイヤレスイヤホンはエルゴノミック・サーフェース・デザインが採用されていて、耳との接触面が多くなっていることから装着安定性は良くなっているんですよね。
LinkBuds Sもエルゴノミック・サーフェース・デザインが採用されていますが、それに加えて小型軽量ボディなので、圧迫感のない軽い着け心地ながらしっかりと耳に固定されている安心感があります。
出典:SONY製品ホームページより音質が良く機能面も充実している完全ワイヤレスイヤホンはどうしても大きくなりがちで、これだけ小さくてポテンシャルが高いイヤホンはとても貴重。
男性はもちろんのこと、その小ささからLinkBuds Sは是非とも女性に注目して欲しい製品だと思います。
SONY LinkBuds Sの音質と通話品質
SONY LinkBuds Sの音質と通話品質を確認していきましょう。
Link Buds Sの音質
LinkBuds Sは5mmという小型のドライバーながら音にしっかりと厚みがあり、SONYらしいモニターライクなサウンドを楽しむことができます。
ドライバー径が5mmとこの価格帯のイヤホンとしては小型で、全体的なダイナミックさに少し物足りなさを感じるものの、音の厚みやクリアさなど基本性能は十分満足できるレベルに仕上がっています。
LinkBuds Sの音質は、デフォルトの状態だと低音~中音の量感が多く、中音のクリアさは素晴らしいものの、少しばかり低音のタイトさに欠けるかなといった印象です。
高音に関しては、解像度は高いながらも鳴らしすぎて聴き疲れするような感じはなく、SONYらしいサラッとしたクセの無い音質ですね。

ただし、これはあくまでデフォルトの音質という話で、LinkBuds Sは他のSONY製イヤホン同様に専用アプリのイコライザーで音質を自分好みにチューニングすることが可能です。
専用アプリ「Headphones Connect」では5バンド±10dBのカスタムイコライザーと、低音の量感をコントロールするCLEAR BASSも用意されています。

自分の場合は400Hzを-調整すると低音のボアつきが気にならなくなりましたね。
また、豊富なプリセットイコライザーも用意されているので「音質チューニングってどうやるの?」というユーザーにも安心。

アーティストごとに自分の好みに近いプリセットイコライザーを見つけたら、アプリ画面に表示されている歯車マークをタップしてみましょう。
そうするとチューニングはそのままにカスタムイコライザーと同じ画面に遷移しますので、各バンドやCLEAR BASSを自分にピッタリ合う音質に微調整することができます。
このようにLinkBuds Sはハードウェアとしての完成度が高く、アプリで変更されたチューニングにしっかり応えてくれるポテンシャルを持ったイヤホンだと思います。
Link Buds Sのマイク性能
LinkBuds Sは、AI技術を採用した高精度ボイスピックアップテクノロジーを搭載し、これまでの同社製品と比べても飛躍的に通話性能が向上しています。
5億サンプルを超えるAIの機械学習で構成された装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離するアルゴリズムで、よりクリアな通話が実現されているんです。
ではどのくらい通話品質が良いのか、カフェでマイクテストを実施してみました。
【SONY LinkBuds S マイクテスト】
テスト結果を確認して、周辺ノイズがかなりカットされていることが実感できました。
自分が発声している時は若干BGMなどのノイズが混入していますが、発声していない時はマイクミュートしているのか?と思えるほどノイズが入りません。

マイクテストはあえて厳しい環境で実施していますが、BGMや周囲のノイズをここまで抑え込めるイヤホンはそう多くありません。
これなら在宅ワークの時でも生活環境音はかなりカットしてくれますし、カフェでのビジネス通話でも相手が聞き取りにくいということはないでしょう。
SONY LinkBuds SのANCと外音取り込み性能
SONY LinkBuds Sのアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み性能をチェックしていきましょう。
Link Buds SのANC性能
LinkBuds Sのアクティブノイズキャンセリング性能は、WF-1000XM4とそれほど差はないように感じました。
LinkBuds SのANCは「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と「統合プロセッサーV1」の2つの技術により成り立っていますが、これはいずれもWF-1000XM4と同じ技術。
出典:SONY製品ホームページよりフラッグシップモデルのWF-1000XM4は、さらに専用設計の6mmドライバーユニットで低域のノイズキャンセル信号をより高精度で生成できるようになっていて、LinkBuds Sとの違いはここだけ。
特に統合プロセッサーV1が搭載されている効果が大きいと思うんですが、中~高域ノイズもかなりカットしてくれている印象を受けました。
そんなわけで、LinkBuds Sのノイキャン性能は2022年7月現在に販売されている現行機種の中ではトップクラスだといって差支えないでしょう。
アクティブノイズキャンセリングへの切り替えは、イヤホン本体での操作もしくは専用アプリのサウンドメニューから行います。

なお、アクティブノイズキャンセリングの性能を最大限引き出すには、イヤーピースのサイズが自分にしっかり合ったものを選ぶことが重要です。
LinkBuds Sは専用アプリHeadphones Connectで、イヤホンの装着状態テストを行うことができますので、ノイキャンがイマイチだなと感じたらこれを試してみましょう。
なお、SONY Link Buds Sも含めて、ノイズキャンセリング機能が優秀なイヤホンのランキング記事もありますので、よろしければご覧下さい。
Link Buds Sの外音取り込み性能
LinkBuds Sの外音取り込みモードはかなり優秀で、イヤホンを着けていないというところまではいきませんが、それにかなり近いものがあります。
そもそもこの製品になぜLinkBudsブランドを冠したのか使う程によくわからなくなる感じがするんですが、外音取り込み性能の高さをコンセプトにしているからなんでしょうね。

外音取り込みレベルは専用アプリで20段階に調整可能で、個人的には15~20くらいの調整が一番自然に聴こえる感じがします。
なお、外音取り込みモードには周囲のノイズを低減して人の声を聴きやすくする「ボイスフォーカス」という機能あり、チェックボックスでON/OFFの切り替えが可能です。
実際に試してみたんですが、人の声が変に増幅して聴こえるような印象で、個人的には機能はOFFでもいいかなと感じました。
SONY LinkBuds Sの専用アプリ
SONY LinkBuds SはSONY製品共通アプリ「Headphones Connect」に対応しています。
SONYの高価格帯のイヤホンは、このHeadphones Connectのメニューが非常に充実しており、それが大きなメリットではないでしょうか。
ここでは、これまでご紹介したアクティブノイズキャンセリング、外音取り込みやイコライザー機能以外に、使い勝手を向上させるアプリメニューをご紹介します。
アダプティブサウンドコントロール
LinkBuds Sは「自分の行動」や「今いる場所」に連動して、事前に登録したサウンドモードやイコライザー設定に自動で切り替わるアダプティブサウンドコントロールを使うことができます。
出典:SONY製品ホームページ自分の行動は「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物に乗っている」という4パターンで、イヤホンを接続しているスマホの加速度センサーで状態が検出されます。
検出された状態はアプリ画面に常に表示されていて、行動に合わせて表示が変化するのでスマホのGPS機能ってすごいなぁと感心してしまいます。

というわけで、乗り物に乗ったらANC ON、走っている時は外音取り込みなどという事前設定をしておけば、その行動パターンが検出されると設定が自動的に切り替わるように出来るんですね。
GPSと連動してサウンドモードを変更するというアプリ機能はゼンハイザーなども取り入れていますが、スマホの加速度センサーとの連携はいまのところSONYだけでしょう。
スピーク・トゥ・チャット
LinkBuds Sには、自分が話したいときに声を発生するだけで音楽再生を一時停止し、外音取り込みモードに自動で切り替えるスピーク・トゥ・チャットという機能が搭載されています。
この機能はWF-1000XM4にも搭載されていますが、LinkBuds Sはより自分の声が確認しやすいように発声を多く取り込んで会話がしやすいようになりました。

LinkBuds Sでスピーク・トゥ・チャットを使う時は、上の画像のアプリ画面赤枠で囲んだ箇所から機能をONにします。
また、スピーク・トゥ・チャットメニューの歯車のマークをタップすると、自分の声の検出感度やモードが終了するまでの時間を設定することもできますよ。
自分が一定時間発声しないと、止まっていた音楽が再び流れ出す仕様になっているので、その時間(再生しないという選択も可)を設定できるようになっているんですね。
スピーク・トゥ・チャットはコンビニなどのレジで「お願いしま~す」と言うだけで外音取り込みモードに切り替わるので、通勤や通学など基本的に黙って行動するときには結構便利に使えます。
ただ、ブツブツ話すだけでも反応して音楽が止まってしまうので、一人でいる時でもひとりごとが多いユーザーはかえってうっとうしく感じるかもしれません。
タッチコントロールのカスタマイズ
LinkBuds Sはイヤホン本体のタッチセンサーで操作することができるようになっています。
デフォルトの操作は以下の表の通りですが、専用アプリ「Headphone Connect」でカスタマイズすることも可能です。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回タップ | ノイズキャンセリング⇔外音取り込みモード | コンテンツ 再生/停止 |
| 2回押し | - | 次の曲にスキップ | |
| 3回押し | - | 前の曲に戻る | |
| 長押し | クイックアテンションモード起動 | 音声アシスタント起動 | |
| 通話 | 2回押し | 受話/終話 | |
| 長押し | - | 通信機器切替(イヤホン⇔スマホ など) | |
タッチセンサーカスタマイズは、下の画像の通り「機能」のドロップダウンリストにあらかじめ用意されている4つの動作のいずれかを選択する形式です。

右と左のイヤホンに外音コントロール/Quick Access、再生コントロール、音量コントロールのいずれか2つを割当てるので、どれか1つをあきらめなければなりません。
他メーカーに比べて出来ることがありすぎるくらいあるイヤホンなので、タッチコントロールの完全カスタマイズは是非ともファームウェアアップデートで対応して欲しいと思います。
SONY LinkBuds Sの機能
SONY LinkBuds Sは、他のメーカーにはみられないSONY独自の豊富な機能を搭載しています。
フラッグシップモデルのWF-1000XM4がリリースされてから1年が経ち、LinkBuds Sにしか搭載されていない機能もあるので要注目です。
LinkBuds SはAuto Play機能搭載
LinkBuds Sには装着者の行動の変わり目をセンシングして、SpotifyやEndelのコンテンツを自動再生してくれるAutoPlayという機能が搭載されています。
このAutoPlayはまだベータ版のようですが、装着時・通話終了時・歩き出しなどのタイミングでコンテンツが再生されるように設定することが可能です。
ベータ版ということでSpotifyとEndelにしか対応していないようですが、両サービスを使っているユーザーなら装着しただけでランダムにコンテンツが再生されるのでかなり便利。
今後、連携するアプリが増えるかは何ともいえませんが、なかなか便利な機能なのでユーザビリティ向上という意味では是非連携アプリを増やして欲しいと思います。
LinkBUds SはDSEE Extreame対応
LinkBuds Sは、Bluetooth伝送の圧縮により失われた音源をアップスケーリングしてくれるDSEE ExtremeというSONY独自のAI技術が搭載されています。
出典:SONY製品ホームページより上の画像はアップスケーリングのイメージですが、グラフの縦軸が音の大小の細かさ、横軸がアナログ信号をデジタル信号に変換する時にどのくらいの間隔で原音を抽出するかを示しています。
DSEE Extremeは音の伸びやかさや消え際などの表現や、失われやすい高域の音を補完して高音の豊かさなどを補完してくれる機能なんですね。
ただ、自分としてはこの機能をONにして音質が明らかに変ったか?と言われると、音が少し滑らかになったくらいかなぁといった感じですね。
音質の変化ということなら、AACからLDACに変更したときのほうが音の消え際がより細やかになったり、上方向の空間が広がったような明確な違いが感じられると思います。
LinkBuds SはLDAC対応
LDACはSONYが開発した超音質特化型のBluetoothコーデックで、LinkBuds SはこのLDACに対応しています。
2022年7月現在使われているBluetoothコーデックは以下の表の通りで、LDACはビットレート990kbpsまで伝送可能な超高音質コーデックなんですね。
| コーデック | 音質と特長 | 量子化ビット数/サンプリング周波数 | ビットレート | 遅延 |
|---|---|---|---|---|
| SBC | Bluetoothを搭載した機器は必ず対応している。SBCの音質を★と仮置きして他のコーデックと比較してみます。 | 16bit/48KHz | 64kbps~328kbps | 0.22秒前後 |
| AAC | 音質は★★。iPhoneやiPadのコーデックはAACが優先され、AACが使えない場合はSBCで接続される。 | 16bit/48KHz | 詳細は非公開につき推定値 128kbps 256kbps(可変) 328kbps | 0.12秒前後 |
| aptX™ | 音質は★★。米Qualbommが開発したAndroid端末の標準仕様。AACと体感上の差はない。 | 16bit/48KHz | 352kbps@44.1kHz 384kbps@48kHz | 0.07秒前後 |
| aptX™ LL | 音質は★★。低遅延に特化したaptXのコーデックで、音ゲーやバトルゲームに最適。 | 16bit/48KHz | 352kbps@44.1kHz 384kbps@48kHz | 0.04秒前後 |
| aptX™ HD | 音質は★★★。aptXの高音質版コーデック。ビットレートを高め遅延を犠牲にした音楽用コーデック。 | 24bit/48KHz | 529kbps@44.1kHz 576kbps@48kHz | 0.13秒前後 |
| aptX™ Adaptive | 音質は★★★★。接続環境やアプリに応じてビットレートを自動で変化させるコーデック。今後主流になる可能性大。 | 24bit/96KHz | 276kbps~620kbps | 0.05秒~0.08秒程度 |
| LDAC | 音質は★★★★。SONY独自の超音質特化型コーデック。遅延が大きいためゲームや動画視聴には向かない。 | 24bit/96KHz | 330kbps/660kbps/990kbps | 1秒以上 |
LDACは高音質な反面、接続環境によっては途切れやすかったり、音の遅延が1秒近くで動画視聴には向かないなどデメリットもあるコーデックです。
しかし、こと音楽に限定すると音質はとても良くて、細かい音の消え際だったり、とくに高音が鳴る空間がひとまわり広くなったように感じます。
iPhoneはLDACに対応していませんが、Androidスマホなら対応している機種も結構ありますから、自分のスマホがLDAC対応している方は高音質で音楽を楽しめますよ。
LDACで音楽を楽しむには、イヤホンを接続するスマホなどのデバイスもLDACに対応している必要があります。
次世代BluetoothのLE Audioに対応
LinkBuds Sは次世代BluetoothオーディオのLE Audioに、2022年内のファームウェアアップデートで対応が予定されています。
LE Audioは2020年1月に発表された次世代のBluetooth音声規格で、SONYは開発初期から規格化活動に参画しており、いよいよ製品化される段階に来たという感じですね。
LE AudioはこれまでのBluetooth規格では実現困難だった低遅延化や、他人数に同時伝送が可能なブロードキャスト機能などが実現される見通しだそうです。
また、低データレートでも高いオーディオ音質を実現できるため、そもそもの音質向上や消費電力が抑えられるなど、新サービスや製品の高スペック化への期待が持てる技術なんです。
LinkBuds Sの1週間ほど前に発売されているヘッドホンのフラッグシップモデルWH-1000XM5は、LE Audio対応は発表されていないことから、SONYのイヤホン・ヘッドホンとしてはLinkBuds Sが初搭載モデルになりそう。
まだまだこれからの技術ではありますが、最新技術が搭載されるというのは何とも言えないワクワク感がありますよね。
SONY LinkBuds Sのレビューまとめ
それでは最後にSONY LinkBuds Sのレビューを纏めていきましょう。
項目ごとの感想と総合評価は以下の表の通りで、総合5点中4.8点とトップクラスの評価となりました。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | 2022年上半期時点で最も高い性能 | 4.9 |
| 低音 | 量感はあるがタイトさに欠ける | 4.2 |
| 中音 | キレがよくクリアなサウンド | 4.8 |
| 高音 | スッキリとして聴き疲れしない音 | 4.5 |
| ANC性能 | WF-1000XM4に匹敵する性能 | 4.9 |
| 外音取込み | 自然に近い音で実用的には全く問題なし | 4.8 |
| アプリ機能 | SONYならではの機能が満載 | 4.9 |
| 機能加点 | 次世代LE Audioに対応予定 | 5.0 |
| 機能加点 | LDACに対応 | 5.0 |
| 機能加点 | アダプティブサウンドコントロール搭載+ | 5.0 |
| 総合評価 | 4.8 | |
LinkBuds Sを実際に使ってみて最も驚いたのは、通話品質が異次元の高さだったことと、ANC性能がWF-1000XM4に匹敵するレベルだったことです。
とくに通話品質はこれまでレビューしてきた製品とは一線を画す性能で、これなら出張中の新幹線の中や外出先のカフェなどでもビジネス通話に自信をもって使えるでしょう。
ノイキャン性能も申し分のないレベルで、通勤通学の電車内で使っても不満を感じることはまずないといえるでしょう。
LinkBuds SとフラッグシップモデルのWF-1000XM4と、いったいどちらが良いのか?と悩むユーザーも多いかと思います。
個人的には、通話性能も重視したいというユーザーなら迷わずLinkBuds Sを、音質を第一に考えたいというユーザーにはWF-1000XM4をおススメしますね。
ただし、LinkBuds Sはバッテリーライフが若干短いので、通話時間が長いというユーザーは通話時にはイヤホン片側使用を前提に考えたほうが良さそうです。
いっぽう、女性ユーザーでWF-1000XM4の大きさに不安がある方は、LinkBuds Sを選択したほうが賢明だと思います。
いずれにしても、高価格帯イヤホンでもSONYはあいかわらず手に取りたくなるような製品を投入してくるなと感心したレビューでした。

















