NUARLは日本企業であるMTIのオリジナルブランドで、オーディオ好きからも評価が高い高音質イヤホンを数多くリリースしています。
そんなNUARLですが、女性ユーザーをターゲットにした「mini」というシリーズを展開。
miniシリーズは小型軽量かつデザイン性が高いワイヤレスイヤホンで、質感にも満足できる数少ないモデルの1つです。
そんなminiシリーズの最新作、「NUARL mini3」が2023年6月にリリースされました。
一見して前作のN6 mini2 SEからさらにビルドクオリティが上がった印象。
それならば実際に使ってその実力を試さないわけにはいきません。
というわけで、今回はNUARL mini3を実際に使ってみた感じたことをレビューしていきたいと思います。

【良い点】
〇ジュエリーのようなカラーと質感の高さ
〇小型軽量で小さなバックでも邪魔にならない
〇弱ドンシャリの迫力あるサウンド
〇高音質・低遅延のaptX™ Adaptiveに対応
〇マルチポイントに対応
【イマイチな点】
✖ノイキャン強度のマニュアル変更機能なし
✖外音取り込み音量調整機能無し
✖イコライザー非搭載
✖タッチコントロールのカスタマイズができない
Contents
NUARL mini3のデザインと装着感
NUARL mini3のデザインと装着感についてチェックしていきましょう。
アクセサリーのようなデザイン
NUARLmini3のデザインは、N6 mini2SEの後継
まず充電ケースですが、

手にすると質感の高さが感じられ、

イヤホン本体も非常に小さく、

小型軽量で女性にも装着しやすい
出典:NUARL製品ホームページよりNUARL mini3はイヤホン本体が非常に小さく、耳の小さな女性でも無理なく装着できるイヤホンです。
本体の嵩もそれほど高くないので、装着したときに耳から飛び出たように見えることがないのも大きなメリットですね。
また2種類のイヤーピースが同梱されているのも、ユーザーへの気配りが感じられて好印象です。

Block Ear+6は傘の高さが一般的な6mm、外形が1mm刻みでS/MS/M/Lの4サイズ。
Block Ear +4は耳穴の浅い方やイヤーピースに苦手意識のある方向けに傘の高さを4mmにしたタイプで、S/M/Lの3サイズとなっています。
いずれも材料に抗菌剤を配合したバイオロジカル・シリコンが使われていて、抗菌力が低下しないのもうれしいところですね。
なお、このイヤーピースは市販もされていて同サイズ3個入りを購入することができるようになっています。
NUARL mini3の音質と通話品質
NUARL mini3の音質と通話品質をチェックしていきましょう。
通話品質についてはマイクテストを行っていますので、どのくらいの性能かを確認して頂ければと思います。
弱ドンシャリの迫力のある音質
NUARL mini3の音質は一言で表現するなら弱ドンシャリで、小型イヤホンながら迫力のあるサウンドが楽しめるという印象です。。

もちろん従来モデル同様に中高音の解像度は高く、
ただ、
せっかく新しい取り組みをしたのに、フラッグシップモデルだけに搭載というのでは個人的にもったいないと思うんですが…。
音楽用イコライザーはファームウェアのアップデートで是非とも搭
通話時の周辺ノイズ抑制はイマイチ
NUARL mini3の製品ホームページでは通話性能について特に記載はなく、マイクとして使えるということだけ記されています。
通話性能に触れられていないということは、それほど期待できないかなと思いつつマイクテストを実施してみました。
【NUARL mini3 マイクテスト】
マイクテストの結果から、NUARL mini3のマイク性能自体は悪くないものの、周辺ノイズの抑制が今一つといった印象を受けました。
マイクテスト音声を確認すると、こもったような感じはあるものの自分の声は比較的はっきりと聞こえます。
また、ワイヤレスイヤホン特有のエコーがかったようなところもそれほど感じられません。
いっぽうで、周囲の人の話し声やBGMはそれなりに入り込んでしまうということがお分かり頂けるかと思います。

高価格帯のワイヤレスイヤホンでも自分が話している時には周辺ノイズが多少混入しますが、声を出さない間は静かになります。
NUARL mini3でもあえて声を出さないよう間を開けてみたんですが、黙っている時にも周辺ノイズが乗ってしまいますね。
したがってカフェやオフィスの自席からリモートミーティングに参加するには、マイクのオンオフ操作をしっかり行いましょう。
また、あまりにも騒々しい場所でのビジネス通話は避けたほうが賢明だと感じました。
もちろん、在宅時や会議室など周囲が静かなら全く問題ありませんので、ビジネス通話にも積極的に使っていきましょう。
NUARL mini3のANCと外音取り込み性能
NUARL mini3のアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み性能をチェックしていきましょう。
実用性のあるANC性能ではあるが…
NUARLmini3のノイズキャンセリングは、
低域~
価格的には十分なANC性能だと思いますが、3万円前後の強力なノイキャン機にはやはり及ばない性能だと感じました。

若干気になったのは、ノイズキャンセリングに関する機能面。
イヤホン本体を操作してからノイキャンが効きはじめるまで、
たった2秒と思われるかもしれませんが、
せめてフェイスプレートをタッチしたら1秒以内には切り替わって
また、
NUARL mini3は周囲の環境によってノイキャンの強さを自動で調整し
それゆえノイキャン強度がマニュアルで調整できると便利なんですが、その機能が搭載されていないんですよね。
したがって、周辺ノイズの大きさによってノイキャン強度を調整したいという方は、別モデルを選ぶことをおすすめします。
個人的にはノイキャン強度は最強固定なので全く不便に感じませんが、このあたりは人によるといったところでしょう。
外音取り込み性能はいまひとつ
NUARL mini3の外音取り込みはマイクで集音した感があり、
また外音取り込みモードに関しても、
したがって、常時アンビエント(
もちろんコンビニのレジなどで使う程度であれば全く問題のない性能なので、自分がどういった時に外音取り込みモードを使うのか次第だと思います。
ただ個人的に、外音取り込み音量だけは調整機能があったほうが便利だと考えます。
その理由は、外音取り込みは「聴く」機能だから。
聴こえすぎたり聴こえにくかったりするとそれだけでストレスに感じるので、自分が不快に感じない音量に調整できたほうが良いと思うんですよね。
3段階程度でも構わないので、外音取り込み音量調節機能はファームウェアアップデートで実装して欲しいところです。
NUARL mini3の機能
NUARL mini3のアプリやハードウエア的な機能面についてチェックしていきましょう。
アプリはあるが使わない?
NUARL mini3は専用アプリNUARL Connectに対応しています。
ただ、イヤホン本体で操作ができるような機能しか搭載されていないので、アプリを使うことはないように感じました。
他メーカーならアプリ上でノイズキャンセリングや外音取り込みの強度調整ができるんですが、このアプリにそういった機能は非搭載です。
また、イコライザーやタッチコントロールのカスタマイズも非登載と、価格の割にはアプリメニューがシンプルすぎると思います。

最上位モデルのNEXT1には、イコライザーやタッチコントロールカスタマイズ機能は搭載されていました。
アプリの機能そのものは用意されているわけですから、なぜファームウェアにその機能を実装しなかったのか?
これが1万円未満のモデルなら仕方ないと思いますが、2万円程のモデルですからね…。
せめてイコライザーやタッチコントロールのカスタマイズだけでも、ファームウェアのアップデートで実装して欲しいと思います。
2台同時接続のマルチポイントに対応
NUARL mini3は2つのデバイスに同時接続することが可能なマルチポイントに対応しています。

タブレットとスマホ、パソコンとスマホなど、Bluetoothで接続できるデバイスなら同時接続する2台の組み合わせは自由。
マルチポイントが素晴らしいのは、同時に接続している2台のうちアプリを利用しているデバイスとの接続を自動的に優先してくれること。
たとえばタブレットで動画を観ている時はタブレットとの接続が優先されますが、同時接続しているスマホに着信があったとします。
この場合イヤホンに着信音が鳴り、イヤホン本体を操作すると自動的にスマホとの接続を優先して電話に出ることが出来ます。
この時、タブレットで視聴していた動画は自動で停止、通話が終わると再びタブレットとの接続に切り替わり動画が再生されるんです。
便利だと思いませんか?
イヤホンを複数のデバイスに接続する可能性のある方にとって、マルチポイントは神機能だと思います。
個人的には通勤電車の中で、仕事用のスマホを気にせず音楽や動画を楽しめるようになったことに大きなメリットを感じています。
仕事用のスマホをカバンに入れて網棚に乗せておいても、着信があればイヤホンに着信音が流れるので必ず気が付きます。
また、いちいちカバンから仕事用のスマホを取り出さなくても、イヤホンを操作するだけで通話ができるというのも非常に便利です。
とくにスマホへの着信に気を配る必要のある方には、このマルチポイントはストレスを大きく軽減するだけのポテンシャルを備えていると思います。
IPX4の防水性能
NUARL mini3はIPX4の防水性能となっています。
どのくらいの防水性能かというと、濡れた手で触ったり、少しくらいの水しぶきや雨がかかってもへっちゃらです。
もし濡らしてしまったら、水気をしっかり拭きとって乾かしてから充電ケースにしまえば大丈夫。
イヤホン本体はIPX4ですが、充電ケースは防水ではないので濡らさないようにしましょう。また、イヤホン本体が濡れたまま充電器に戻すと故障の原因になります。イヤホンが濡れたらしっかり乾かしてから充電ケースに戻しましょう。
NUARL mini3なら雨天の外出時にも使うことができるのは、ユーザーにとっては大きなメリットの1つでしょう。
ちなみにIPX5だと弱い水流での水洗いはOK、IPX6なら強めの水流での水洗いもOK、IPX7だと水没してもすぐに拾えばOK。
雨の中でのランニングなど、もっとハードな使い方をするという場合はIPX5以上のイヤホンを選ぶことをおススメします。
NUARL mini3のレビューまとめ
それでは最後にNUARL mini3の総合評価と今回のレビューを通して感じたことをまとめていきましょう。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | 周辺ノイズの抑制はイマイチ | 4.2 |
| 低音 | ブーム―で量感がある | 4.6 |
| 中音 | ボーカルが近くクリア | 4.6 |
| 高音 | 曲によっては金物がシャリつく | 4.4 |
| ANC性能 | 実用的ではあるが中レベルの強さ | 4.3 |
| 外音取込み | 機械的な取込音、音量調整ができない | 4.0 |
| アプリ機能 | 各種カスタマイズ機能が一切入っていない | 3.5 |
| 機能加点 | aptX™ Adaptiveに対応 | 5.0 |
| 機能加点 | マルチポイントに対応 | 5.0 |
| 総合評価 | 4.4 | |
NUARL mini3を実際に使ってみて感じたことは、デザイン性が高くシンプルなワイヤレスイヤホンだということ。
充電ケース・イヤホン本体ともに非常に小さく、小柄な女性でも違和感のないサイズ感です。
カラーリングもジュエリーのような高級感があって、男性よりも女性に人気が出そうなデザインだと感じました。
肝心の音質は、クリアで解像度が高い中高音とアタック感のある低音が溶け合ったノリの良い弱ドンシャリ。
ノイキャン性能は強力とはいえないものの、カフェや電車の中でもそれほどストレスを感じずにコンテンツを楽しむことができるでしょう。
イコライザーやタッチコントロールなど、カスタマイズ機能がほぼ搭載されていないのが個人的には残念ポイント。
年間数十機種に触れる自分としては、つい「あれもできない、これもできない」と感じてしまいました。
しかし、イコライザーなんてよく分からないという人が大多数だと考えると、ゴテゴテした機能は邪魔でしかないという考え方もありでしょう。
そういった意味では、デフォルトの音質が良くデザイン性の高いNUARL mini3は、シンプルさを求めるユーザーにはベストマッチかもしれません。
















