Jabra Elite 7 Activeは、屋外での使用やスポーツなど汗をかく環境下での使用を前提に開発された完全ワイヤレスイヤホンです。

強風時に骨伝導センサーによる音声検出を可能とする「マルチセンサーボイス™」は未搭載ながら、基本スペックは1ヶ月前に発売されたElite 7 Proとほぼ同じ。
そして、特殊なリキッドシリコンラバーでイヤホン本体がコーティングされたシェークグリップ™ テクノロジーによりフィット感がより高くなるよう設計されています。
スポーツシーンで抜群のフィット感を発揮しながら、Jabraならではの高い通話品質でビジネスシーンにも十分使える完全ワイヤレスイヤホン。
ファームウェアのアップデートでマルチポイントにも対応済。
かなり使い勝手の良いモデルとなっています。

Contents
Jabra Elite 7 Activeの通話品質と音質
Jabra Elite 7 Activeの通話品質と音質をチェックしていきましょう。
Jabra Elite 7 Activeのマイク性能
Jabra Elite 7 Activeは2×2の4つのMEMSマイクを搭載しています。
カタログではマイク数は6となっていますが、2つはANCのフィードバック用マイクで、通話用マイクは4つという構成なのでしょう。
Jabra Elite 7 Activeはワークアウトで使用するシーンも多いと考え、マイクテストは夕方のショッピングモールの中で実施してみましました。
平日だったので人出はそう多くありませんでしたが、BGMが流れていてそれなりにざわついている環境下でのマイクテストとなっています。
【Jabra Elite 7 Active マイクテスト】
通話品質は非常に高いと評価できるものの、Elite 7 Proと同様に少しノイズが気になる結果となりました。
自分の声はマイクに向かって話しているかのように近くに聞こえますので、音声フォーカス技術はさすがJabraといったところだと感じます。
Jabra Elite 75tに比べると明らかに自然に近い声質になっており、この点でも通話品質の改善がなされたということが非常に良くわかります。
また、人も声はどのイヤホンでもカットすることは難しいのでBGMが聴こえるのは仕方ないんですが、当日のBGMのボリュームを考えるとかなり抑制されていると評価できます。
いっぽうで若干ハウリングのようなノイズ音が気になるんですが、いかがでしょうか?
Jabraということで評価が辛めになってしまっているのかもしれませんが、このハウリングのようなノイズが無ければパーフェクトだと思うので、ファームウェアのアップデートで対応して欲しいところです。
なお、ショッピングモールでさえこれだけの通話品質が確保されていますので、自宅でのテレワーク時はもちろん、オフィスなどからのWEBミーティング参加も問題ないでしょう。
Jabra Elite 7 Activeの音質
Jabra Elite 7 Activeは最上位モデルのElite 7 Proと似た音質ながら、あえていうなら低音の情報量が少し多いかなぁといった印象です。
Elite 7 Proは低音~高音まで満遍なく厚みがあり、一言で表現するなら「元気な音質」ですが、Elite 7 Activeは少し低音が厚めで中~高音がおとなしい気がします。
ただ、低音~高音まで音の粒立ちがはっきりしているところやボーカルとの距離感などはElite 7 Proと同じテイストで、クリアでクセのない音質だと思います。
また、音の広がりは感じるものの水平方向の広がりで、もう少し立体的な表現が欲しいなというところもElite 7 Proと似ています。
そんなわけで、個人的にはElite 7 ActiveとProの2機種の音質に明らかな違いを感じることはできないというのが本音です。
この2機種は価格もそう違わないことから、サウンドチューニングは同じで、Activeはシェークグリップ™により音質に微妙な変化が表れているだけではないかとも思います。
Jabra Elite 7 Activeのイコライザー
Jabra Elite 7 Activeには専用アプリ「Jabra Sound+」にイコライザーが用意されています。

低音ブーストなどいくつかのプリセットが用意されていて、自分好みに完全カスタマイズしたチューニングを保存することも可能です。
Jabra Elite 7 ActiveのANCと外音取込み性能
Jabra Elite 7 Activeのアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み性能をみていきましょう。
Jabra Elite 7 Activeノイズキャンセリング性能
Jabra Elite 7 Activeのノイズキャンセリングは人の話し声までカットするような強力なものではありませんが、低域のノイズはしっかり消してくれる性能だと感じます。
ANCの強度は5段階で調整できますが、圧迫感やホワイトノイズは感じないので個人的には最強固定で良いと思います。

なお、Elite 7 Activeには「ANCのパーソナライズ」というメニューが専用アプリ「Jabra Sound+」に用意されていて、ノイズキャンセリングの最適化が可能です。

ANCのパーソナライズを選択し、周辺ノイズのある状態で「準備ができました」をタップすると調整画面に遷移します。

ANCは上下のスライドバーで調整しますが、上にスライドすると高域、下にスライドすると低域のノイズを抑制する効果が得られるようになっています。
ただし、上にスライドしても高域のノイズはそれほど大きくカットされない印象で、逆に低域のノイズが気になる結果となりました。
Elite 7 Activeはノイズアイソレーションが高いイヤホンなので、個人的には低域ノイズをカットするように調整したほうが快適に感じますね。
また、左右のオーディオバランスも調整可能ですので、音像が左右どちらかに寄っていると感じる方はここで調整をしましょう。
Jabra Elite 7 Activeのヒアスルー性能
Jabra Elite 7 Activeの外音取り込み機能はヒアスルーと呼ばれ、自然の音に近いかなり優秀な性能だと思います。
ヒアスルーも5段階に調整可能ですが、こちらは3くらいのレベルが一番自然に聞こえるような印象で、それ以上にレベルを上げると耳が良くなったような聞こえ方をします。

Jabra Elite 7 Activeの外観と装着感
Jabra Elite 7 Activeの外観と装着感をチェックしていきましょう。
Jabra Elite 7 Activeの本体と充電ケース
Jabra Elite 7 Activeの充電ケースのサイズはW69.6mm×H25.3mm×D40.3mmと、Elite 7 Proと全く同じサイズになっています。

Elite Active 75tは充電ケースのサイズがW62.4mm×H27.0mm×D36.6mmでしたので、少しサイズアップしたように感じますね。
また、Elite Active 75t重量が35gだったのに対し、Elite 7 Activeは44gとこちらも若干の重量アップとなっています。
いっぽう、イヤホン本体はElite Active 75tより16%小型化されただけあって、かなりコンパクトなサイズです。

Elite 7 Activeはシェークグリップ™ テクノロジーと呼ばれるリキッドシリコンラバーで覆われており、モノコック調のボディでスポーティなデザインですね。
最初見た時にタッチセンサーかな?と思ったんですが、elite 7 Proをシリコンラバーで覆ったようなつくりなので、Jabraのロゴ部分が物理ボタンになっています。
カラーバリエーションは、ブラック・ネイビー・ミントの3色展開で、ミントは女性に人気が出そうな予感がしますね。

なお、ネイビーのみ2021年12月9日発売予定と少し遅れてリリースされることになっています。
Jabra Elite 7 Activeの装着感
Jabra Elite 7 Activeは非常に装着感の良い完全ワイヤレスイヤホンです。

Elite 3やElite 7 Proと同じく小型でパッシブノイズアイソレーションの良い筐体なので、耳に吸い付くような装着感で落下するような感覚は全くありません。
なかでもElite 7 Activeは、シェークグリップ™ テクノロジーにより他の機種よりさらにホールド感が高くなっているとされています。
たしかに表面を覆っているシリコンラバーは滑りにくい素材で出来ているので、汗をかいたりしてもずれにくいように感じます。
自分に合ったサイズのイヤージェルを使用すれば、かなり安定した装着感となることは間違いないでしょう。
Jabra Elite 7 Activeの機能と操作性
Jabra Elite 7 Activeの機能や操作性についてチェックしていきましょう。
Jabra Elite 7 Activeの専用アプリ
Jabra Elite 7 Activeには専用アプリ「Jabra Sound+」が用意されています。
アプリのメイン画面は以下の通りで、イヤホン本体と充電ケースのバッテリー残量表示のほか、サウンドモードと音楽用イコライザーの操作ができるようになっています。

またヘッドセット設定画面では、サウンドモードやスリープモードに移行する時間の設定などができるようになっています。

専用アプリのJabra Sound+で出来ることを以下にまとめてみました。
【Jabra Sound+で出来ること】
・イヤホン本体、充電ケースのバッテリ―残量確認
・イヤホンのフィット感の確認
・ANCの強度と音域の調整
・外音取り込み強度の調整
・イコライザー(6つのプリセット+完全カスタマイズ)
・スリープモードON/OFFとOFFになるまでの時間設定
・イヤホンの装着検出(インイヤー検出)
・イヤホン本体操作のカスタマイズ
・個人の聴力に合わせたオーディオ最適化
Jabra Elite 7 Activeの操作性
Jabra Elite 7 Activeはイヤホン本体の物理ボタンで様々な操作を行うことができます。
デフォルトの操作は以下の通り設定されていますが、Jabra Sound+で操作ボタンをカスタマイズすることも出来るようになっているので、非常に使い勝手の良いイヤホンだと思います。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回押し | ヒアスルー ⇒ ANC ⇒ OFF切替 | 音楽再生/停止 |
| 2回押し | 選択したアプリもしくは音声アシスタントへのクイックアクセス | 次の曲にスキップ | |
| 3回押し | - | 前の曲に戻る | |
| 長押し | 音量DOWN | 音量UP | |
| 通話 | 1回押し | 受話/マイクミュートOFF | 受話/マイクミュートON |
| 2回押し | 着信拒否/通話終了 | 着信拒否/通話終了 | |
| 長押し | 音量DOWN | 音量UP | |
操作ボタンはメディア再生時や着信通話中など利用シーンに応じて細かく設定することができますので、自分の使いやすいようにカスタマイズしちゃいましょう。

Jabra Elite 7 Activeのおすすめ機能
さいごにJabra Elite 7 Activeに搭載されているおすすめ機能を紹介しましょう。
My Sound
Jabra Elite 7 ActiveにはMy Soundという個人別のオーディオ最適化メニューが実装されています。
これは、Jabra Sound+に搭載されている機能なんですが、聴力テストによってプロファイルを作成し、そのプロファイルに合わせたオーディオの最適化を行うといったもの。
聴力テストは右と左の聞こえ方を低音~高音までかなり詳しく測定してくれますので、Elite 7 Activeを購入したらぜひ試していただきたい機能の1つです。
僕も試してみましたが、プロファイル作成後は音のクリアさが1段上がったように感じるので、なかなか実用的な機能だと感じています。
IP57の防塵・防水性能
Jabra Elite 7 ActiveはIP57の防塵・防水性能を備えています。
IP57は、防塵等級が5、防水等級が7という意味で、防塵等級5は「機器の安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない」レベルですし、防水等級7は「15cm~1mの水面下に30分間水没しても水が浸入しない」水準です。
Elite 7 Activeを選択するユーザーは、スポーツなど屋外での使用を想定している方が多いと思いますので、この防塵防水性能であれば埃や汗・雨などを気にせず使うことができますね。
ワイヤレス充電に対応
Jabra Elite 7 ActiveはQi規格のワイヤレス充電に対応しています。
ワイヤレスイヤホンは持ち運んで使うものなので、充電時にUSBケーブルを毎回つなげるのは結構面倒なんですよね。
Elite 7 Activeはワイヤレス充電に対応しているので、充電器の上にポンと置くだけでOKですし、持ち出すときもUSBケーブルをかたずけるわずらわしさがありません。
ワイヤレスイヤホンを使う頻度の高いユーザーほど、気軽に充電できるワイヤレス充電機能を備えた機種を選ぶことをおススメします。
まとめ
さいごにJabra Elite 7 Activeの良い点、改善して欲しい点をまとめてみました。
✓ビジネスシーンでも積極的に使える高い通話品質
✓フラットでクリアな音質
✓自然な音に非常に近いヒアスルーの音質
✓耳に吸い付くようなフィット感
✓使い勝手が良く機能豊富な専用アプリ
✓IP57の防塵・防水性能
✓マルチポイントに対応
✓Qi規格のワイヤレス充電に対応
✓aptX非対応
✓シンプルすぎるがゆえに高級感のないデザイン
Jabra Elite 7 Activeは、骨伝導センサー(VPUセンサー)が搭載されていないことを除けば、同時期に発売された最上位機種Elite 7 Proと同じ機能を装備した機種です。
そのうえでシェークグリップ™ テクノロジーにより、イヤホン装着時の安定感が増しているので、スポーツシーンでの使用などに適した設計が成されています。
そもそもJabraの完全ワイヤレスイヤホンは防塵・防水性能が高く、ビジネス向けコンセプトのElite 7 ProもIP57とElite 7 Activeと同じ仕様なんですよね。
そう考えると、強風時にもクリアな通話が可能とされるVPUセンサーが必要ないならElite 7 Activeが第一候補になろうかと思います。
さらに、ランニングなど長時間のスポーツシーンでも装着安定性の高いイヤホンで音楽コンテンツを楽しみたいユーザーはElite 7 Activeを選ぶことをおススメします。
逆に外出時の通話機会が多いのであれば、VPUセンサーが搭載されたElite 7 Proがおススメで、ジムでのトレーニング程度なら装着安定性も問題ないですし、IP57ですから多少の汗も問題ないでしょう。
なお、ファームウェアのアップデートでマルチポイントにも対応したことから、さらに使い勝手が向上しています。
ワークアウト向けの完全ワイヤレスイヤホンとしては、おすすめしたいイヤホンのなかの1つです。

















