Jabra Elite 75tは2019年11月に発売された完全ワイヤレスイヤホンで、後継機Elite 85tが発売された為、1万5千円以下で購入可能です。
発売当初はANC(=アクティブ・ノイズキャンセリング)非搭載でしたが、ファームウェアのアップデートでANCが後付けされ、これが予想以上に効果が感じられる出来栄えです。
また、Jabraの強みである低音寄りの音質や内臓マイクによる通話の品質は最新機種のElite 85tと比較しても遜色ないレベル。
1万円台前半のワイヤレスイヤホンをお探しの方には、是非興味を持っていただきたい製品です。

Contents
Jabra Elite 75tの通話品質と音質
まずは最も気になる通話品質と音質、をチェックしていきましょう。
Jabra Elite 75tのマイク性能
Jabra Elite 75tの技術仕様書には、製品紹介の一番最初に「クリアな通話品質」というフレーズが記載されていますので、通話にフォーカスしていることがうかがえます。
実際にかなりざわついている商業店舗でマイクテストをしてみましたが、Elite 75tの通話品質は「さすがJabra!」と思えるような自然でクリアなものでした。
【Jabra Elite 75t マイクテスト】
音声が自然に聞こえるという点においては、個人的にはElite 85tを上回るのではないかと思います。
完全ワイヤレスイヤホンにありがちな「マイクから離れたところで話しているような聞こえ方」や「自分の声より周囲のノイズのほうが強調されてしまう」といったデメリットがほとんど感じられません。
むしろ「口元のマイクに向かって話している」ような聞こえ方としては、完全ワイヤレスイヤホンの中では間違いなくトップクラスです。
デュアルマイクを搭載したほとんどの製品は、その主要な役割をフィードフォワード方式のANCのためとしていて、通話品質向上のためとしているものはそう多くありません。
いっぽうで、Elite 75tはデュアルマイクを搭載していながら、発売当初はANC(=アクティブ・ノイズキャンセリング)機能が非搭載でした。
つまり、シングルマイクだったElite 65tからデュアルマイクのElite 75tへの進化は、純粋に通話品質の向上のためだったということ。
そう考えると、通話品質がこれだけ高いレベルに仕上がっているのも納得です。
また、Jabra Elite 75tは下の図のように専用アプリを使って、通話時のマイクミュート機能をイヤホン本体のボタン操作に割り当てることが可能です。

ちなみに以下の記事でJabra Elite 85tのマイクテストも行っていますので、こちらも参考にしてみてください。
Jabra Elite 75tの音質
Elite 75tの音質は、全体的には低音域が強化された引き締まったサウンドで、中音~高音域の滑らかな伸びあがりや透明感も感じられる仕上がりとなっています。
特にベースなど弦楽器の低音が際立って良い印象を受けたのですが、6mmという決して大口径とはいえないドライバーでありながらこの音質は上出来だと思います。
いわゆる「ドンシャリ系」ではあるものの、低音域と高音域がヒステリックにアタックしてくる感じはなく、厚みと透明感のある丁寧なサウンドだという印象です。
いっぽうで音源のコントラストがある程度際立って感じられるぶん、デジタルチックな印象を受ける方もいるかもしれません。
低音域は下方向、中音~高音域にかけては奥行きもそれなりに感じられることから、十分とはいえないものの音場もまずまずの広さです。
なお、下の図のように専用アプリのイコライザーで自分好みの音質にカスタマイズすることも可能です。

Jabra Elite 75tのANCと外音取り込み性能
つぎにJabra Elite 75tのアクティブノイズキャンセリングと外音取り込み性能についてチェックしていきましょう。
Jabra Elite 75tのANC性能
Elite 75tのANC(=アクティブノイズキャンセリング)は、2020年10月に実施されたファームウェア・アップデートで後付けされた機能です。
後付けのANCというのは珍しく、おそらく他に例を見ない取り組みではないかと思います。
ANCはフィードフォワード方式で、デュアルマイクを搭載していたからこそ可能だったといえるでしょう。
【フィードフォワード方式とは】
ヘッドホンの外側にマイクを配置して外部からのノイズを集音し、そのノイズと逆位相の音波を電気的につくりだして同時に流す技術
https://monolowl.com/headset-noise-canceling-2021-03-27
ANCは下の図のように専用アプリを使って、実際のノイズが発生する環境下でANCの効き具合を確認しながら3ステップで設定します。

そのため、自分がANCを使いたい電車の中やオフィスなど、実際にその場所でANCの設定を行わないと十分な効果がないと感じてしまう可能性があるので注意が必要です。
ネット上にはElite 75tのANCは全く機能しないとのカキコミも見られますが、これは設定場所が適切でなかったためではないかと推測されます。
AirPods ProのANCを10点満点として比較してみると、僕としては6.5点程度のノイキャン効果は認められると感じました。
Elite 75tはもともとPNC(=パッシブノイズキャンセリング)が優秀な製品ですので、イヤーピースが耳にフィットさえすれば、十分に高価を感じられるノイキャン性能だと思います。
Jabra Elite 75tの外音取り込み性能
Jabra Elite 75tには、HearThrough(ヒアスルー)と呼ばれる外音取り込み機能が搭載されています。
実際に使用した感想としてはマイクで集音した音という印象で、自然な音というにはちょっと無理があるかなと思います。
まぁ、個人的にはHearThroughを使うのはコンビニでの買い物の時くらいなので、しっかり聴こえるという意味では実用的には全く問題の無いレベルですね。
HearThroughモードでは下の画像の通り強度を調整できますので、MAXだと音を拾いすぎて耳障りに聴こえる場合は少しレベルを落とすと良いでしょう。

また、Jabra Elite 75tはHearThroughモードに切り替えた時に、音楽を流し続けるかミュートにするかを選択できるようになっています。

外音取り込みモードにした時に音楽を一時停止したい場合は「音声をミュート」を選択するようにしましょう。
Jabra Elite 75tの外観と装着感
次にJabra Elite 75tの外観と装着感をチェックしていきましょう。
Jabra Elite 75tの本体と充電ケース

Jabra Elite 75tの充電ケースは幅6.3cm×高さ3.8cm×奥行き2.7cmなので、ポケットに入れても全く邪魔にならないレベルの大きさです。
充電ケースが小さいので、トータルの使用時間がANCオンだと24時間と少々短めですが、携帯性を考えれば十分許せる範囲でしょう。

カラーバリエーションは3色で、ゴールドベージュは女性でも扱いやすい柔らかい色なので個人的にはおススメですね。
Jabra Elite 75tの装着感
Jabraは独自の先進アルゴリズムシミュレーターを使用して、Elite 75t本体の理想のサイズと形状を設計したとしています。
イヤホン本体はマイク側が少し薄い形状になっていますので、横から見ても耳の外側にボテッと出ているような野暮ったい感じがせず、女性が装着してもすっきりと見える印象です。

また、Jabra Elite 75tは装着安定性も非常に良く、頭を振っても落下するような感覚は全くありません。
なお、最新のElite 85tではイヤーピースの形状が楕円形に進化していますが、Elite 75tでは円形の形状が取られています。
同梱のイヤーピースがフィットしなければ市販品を試すことも可能で、以下のイヤーピースならどちらも充電ケースにしっかり収まりますのでおススメですよ。
Jabra Elite 75tの機能と操作性
最後はJabra Elite 75tの機能や操作性についてみていきましょう。
Jabra Elite 75tの操作性
Elite 75tは物理ボタンを採用していて、左右本体のボタンを押し込んで操作します。
出典:Jabra Elite 75t データシート上の図は初期状態の各ボタンに割り当てられている操作方法で、ボタンを押す回数や長さによって色々なことができますので、慣れてくると直感的な操作が可能です。
また、下の図のように専用アプリで音楽性政治のボタンの操作方法をカスタマイズすることも出来るようになっています。

左右イヤホン本体のボタンを押す回数ごとに操作設定が可能なので、かなり使い勝手が良いですよ。
Jabra 専用アプリについて
Jabra Elite 75tに対応するアプリとして、Jabra Sound+がリリースされています。
このアプリはJabra Elite 75tだけではなくほかのJabra製品全般に対応したもので、イヤホン本体の基本設定に始まり、イコライザーやボタン操作のカスタマイズ、本体紛失時の位置確認などもできるようになっています。
下の画面が専用アプリのメインメニューですが、右上の歯車のマークをタップすると各種設定画面が開くようになっています。

Jabra Sound+でどんなことができるのかと、ポイントを簡単に一覧にまとめてみましたので参考にしてください。
- イヤホン本体と充電ケースのバッテリー残量表示
- イヤホンを耳から外した時の音楽一時停止機能ON/OFF
- イヤホン本体ボタンのカスタマイズ
- 5種類のプリセットとカスタマイズイコライザー搭載
- 外音取り込みの強度変更
- イヤホン紛失時の探索(Find My Jabra)
Jabra Elite 75tのおすすめ機能
Jabra Elite 75tに搭載されているおススメ機能を紹介しましょう。
Jabra Elite 75tのマルチポイント機能
Jabra Elite 75tはマルチポイントに対応していて、事前にペアリングをしておけばiPhoneとAndroid、つまりOSが違う端末にも同時に接続しておくことができるのです。
会社ではiPhoneを支給されているけど、自分のスマホはAndroidなんていう方もいらっしゃると思うのですが、そんな方には本当に便利な機能です。

たとえば、AndroidでBGMを流しながら仕事をしていて、iPhoneに電話が入ったらBGMを停止して電話に出れば自動的に端末を切り替えてくれるんです。
通常はBluetooth接続しているデバイスとのペアリングを切断して、別のデバイスとのペアリングをしなければなりませんが、Elite 75tは同時に2台接続しておけるんですね。
通話体験はJabraならではの機能
Jabra Elite 75tには、自分の声の大きさを確かめたり、通話相手の音質までを変更する機能が搭載されています。
Jabra Sound+の画面右上歯車 ⇒ ヘッドセット設定 ⇒ 通話体験と進むと「側音」というメニューがあります。

この機能をONにすると、自分の声がどのくらいの大きさで通話相手に聞こえているのかを自分自身で確認することができます。
また、「通話品質」というメニューでは、通話相手の声の音質までも変更することができます。

相手の音声を高音・低音寄りに変更することが可能で、web会議や通話を頻繁に行う方にはおもしろい機能ではないかと思います。
Jabra Elite 75t レビューまとめ
それでは最後にJabra Elite 75tの総合評価と良い点・改善してほしい点を整理してみましょう。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | ビジネスにも積極的に使えるレベル | 4.7 |
| 低音 | アタック感・迫力のある低音 | 4.6 |
| 中音 | 控えめだが滑らかでクリア | 4.5 |
| 高音 | 解像度は高く伸びやか | 4.6 |
| ANC | 後付けのため弱め | 4.0 |
| 外音取込み | 自然な音ではないが実用性は問題無し | 4.2 |
| アプリ機能 | カスタマイズメニューが豊富 | 4.8 |
| 機能加点 | マルチポイント対応 | 5.0 |
| 総合評価 | 4.6 | |
✓完成度の高い通話品質
✓通話時のマイクミュート機能が備わっている
✓低音にボリュームのあるクリアなサウンド
✓充電ケース・本体共に非常にコンパクト
✓マルチポイントに対応
✓埃と水に対する2年間の保証あり
✓誤動作の少ない物理ボタン
✓多機能な専用アプリ
✓リレー式なので片側使用は右のイヤホンのみ可能
Jabra Elite 75tは、1万円台前半で購入できる完全ワイヤレスイヤホンとしては、非常にユーザー満足度の高い製品となっています。
もともと2万円オーバーの製品ですが、発売当初はアクティブ・ノイズキャンセリング機能が搭載されておらず、日本ではあまりなじみのないメーカーでもあることから、知る人ぞ知るといった製品でした。
しかし、アプリ経由でアクティブ・ノイズキャンセリングが機能追加され、後継機のElite 85tがリリースされて1万円近く価格が下がってきたこともあり、一気に注目度が上がっています。
ヘッドセットメーカーであるJabraの完全ワイヤレスイヤホンは、通話品質が高いことが最大の特徴ですが、新製品をリリースするたびに音質も向上しています。
Elite 75tも、厚みのある低音と伸びやかで透明感がある中高音がマイルドにとけあった、聴き疲れすることのない落ち着いた音質に仕上がっていて、個人的には完成度はかなり高いと評価しています。
web会議など仕事にもしっかり使えて、自分の時間には音楽や動画をもっと良い音質で楽しみたいと考えている方にとっては、おすすめしたくなる製品です。
ちなみにElite 75tの防水性能を高めたElite Active 75tとの比較記事もアップしましたので、そちらもご参考まで。
https://monolowl.com/jabra-elite-active75t-vs-elite75t-2021-05-01

















