
AVIOT初のハイブリッドANC搭載機!
AVIOT TE-D01tは、AVIOT初のハイブリッドアクティブノイズキャンセリング搭載モデルです。
AVIOTとしては初のハイブリッドANC搭載機なので、それだけでも話題性は高いのですが、連続再生時間18時間という常識破りのロングバッテリーを搭載しているのも大きなポイント。
そのはか外音取込モード、低遅延のゲーミングモードなども登載し、もちろんフラットでクリアなAVIOTサウンドは健在。
そして最も驚くべきは、その価格が1万円ちょっとということで、この価格帯のANC搭載機としてはかなり強力な製品だといえるでしょう。

Contents
AVIOT TE-D01tの通話品質と音質
AVIOT TE-D01tの通話品質と音質についてみていきましょう。
AVIOT TE-D01tのマイク性能
まずは恒例のマイクテストから。
AVIOT TE-D01tは、ノイズキャンセリング用のマイクとあわせて片側3個、計6個のMEMSマイクを搭載しています。
6マイクは高級ワイヤレスイヤホンで採用されていますが、この価格帯では珍しいスペックなので、そのポテンシャルに期待が高まります。
マイクテストは夕方のショッピングモールで実施してみました。
【AVIOT TE-D01t マイクテスト】
正直なところ「あれ?」という感想ですね…。
たしかに周辺ノイズはそこそこ高い状況にはありましたが、しかしそこは6マイク。
あえて若干不利な環境でテストしてみたのですが、これではTE-D01tの通話品質は厳しい評価とせざるを得ません。
自室でのテレワーク中ならwebミーティングにも使えますが、オフィスでの使用は避けたほうが賢明でしょう。
これなら旧型のTE-D01mや、若干価格は上がりますがTE-BD21jのほうが通話品質は断然上です。
【TE-D01m、TE-BD21jのマイクテストは以下で確認できます】
おそらく、AVIOTとしては通話用にはじめてMEMSマイクを搭載したので、しっかりチューニングできていないのではないかと思います。
ソフトウェアのアップデートによる改善は期待できますが、製品リリースの段階でもう少し詰めて欲しかったですね。
AVIOTは価格に比べて音質は非常に高いレベルのイヤホンをリリースしていますが、どうも音質以外のソフト開発に弱点があるように見受けられます。
いち個人の勝手な意見ではありますが、この点を克服できるかがAVIOTの今後を左右するのではないかと感じます。
AVIOT TE-D01tの音質
AVIOT TE-D01tはフラットで素直な音質で、音の解像度もそこそこ高く、まさにAVIOTの提唱するJapanTunedどまんなかが表現されていると感じました。
中音に厚みを感じるかまぼこ型で、それゆえ女性ボーカルはしっかり前に出てくる音像が頭の中でイメージされます。
高音は空の彼方まで突き抜けていくほどの伸びやかさはありませんが、それでも頭の中で止まってしまうような詰まった感じはなく、価格を考えると十分すぎる表現力でしょう。
また、高音が脳に突き刺さるような感覚もないので、聴き疲れもしないと思います。
低音も高音同様に少しおとなしいチューニングで、ドンっという蹴り上げられるようなようなアタック感には欠ける印象ですが、変にブーストされた低音でないぶん個人的には好感が持てます。
解像度は透き通るとまでの表現は出来ないけれど、AVIOTらしいクリアな音色なので音の粒ははっきり捉えることができます。
音場は左右に広がりは感じるものの、奥行きなども含めて広いと表現できるだけのスペックではありません。
読み返してみると厳しめの評価になっていますが、1万円という価格を考えると音質・解像度・音場の全てにおいて、驚くほどの品質のイヤホンであることは間違いありません。
クラブミュージックのような重低音に厚みがある曲をよく聴く方には物足りない音質ですが、J-POPやアニソンなどボーカル重視ということなら満足感を得られるでしょう。
このクラスのANC搭載機だと、同じ10mmのドライバーを搭載するJVC HA-A50Tがライバルではないかと思います。
AVIOT TE-D01tのノイズキャンセリング性能
AVIOT TE-D01tは、ハイブリッドアクティブノイズキャンセリング(=ハイブリッドANC)機能を搭載しています。
ハイブリッドANCは、フィードフォワード方式とフィードバック方式という2種類のANCを搭載しているという意味で、高価格帯のイヤホンに採用されることが多い機能です。
【フィードフォワード方式とは】
ヘッドホンの外側にマイクを配置して外部からのノイズを集音し、そのノイズと逆位相の音波を電気的につくりだして同時に流す技術
【フィードバック方式とは】
ヘッドホンの内側にマイクを配置して本来の再生音と外部からのノイズ両方を集音し、その逆位相をぶつけていったんすべての音を消し去る技術
https://monolowl.com/headset-noise-canceling-2021-03-27
正直なところ、TE-D01tがリリースされるニュースを見たとき、ハイブリッドANCが搭載されたイヤホンが1万円という価格で発売されることに衝撃を受けました。
これでAirPods ProやTechnics EAH-AZ70Wクラスのノイキャン性能ならバカ売れ間違いなしと思って試してみましたが、残念ながらそこまで強力なANCではありません。
電車の走行音や窓のがたつきはある程度抑えてくれますが、ANCをONにしただけで周囲の騒音がスッと消えるほどではないですね。
もちろん、音楽を再生すれば周辺ノイズが気にならないレベルの性能は出ているので、ハイブリッドANCをうたうだけはあると思いますが、ANC自体は弱めという印象です。
AVIOT TE-D01tは専用アプリでノイズキャンセリングの強さを調整できますが、強度を最大にしてもやはりマイルドなANC性能でした。

そもそも製品ホームページにはパッシブ・ノイズアイソレーション×アクティブノイズキャンセリングで騒音低減レベル-50dBと表現されています。
つまり、パッシブノイズキャンセリングもあわせて-50dBなので、イヤーピースが合うかどうかもノイキャンの強さに大きく影響することになります。
したがって、純正イヤーピースでは遮音性がイマイチだと感じた場合は、市販のイヤーピースに交換してみると良いでしょう。
ただし、AVIOT TE-D01tは充電ケースのハウジングが浅いので、あまり傘高があるイヤーピースではフタが閉まらなくなってしまいます。
検討するなら、以下のように傘高の低いものがおすすめですね。
AVIOT TE-D01tの外観と装着感
AVIOT TE-D01tの外観と装着感についてみていきましょう。
AVIOT TE-D01tの本体と充電ケース
AVIOT TE-D01tの充電ケースはW670mm×H430mm×D300mmとかなりコンパクトで、下の写真の通り手の中にすっぽりとおさまるサイズとなっています。

ジーンズのポケットに入れるのはちょっと厳しいとは思いますが、上着のポケットになら余裕ですし、充電ケース自体は50gと軽い点も高評価です。
なによりAVIOT TE-D01tは、フル充電時の連続再生時間が18時間(ANC/ONだと15時間)なので、充電ケースを持ち歩く必要がないイヤホンと考えることもできます。
イヤホン本体だけを無造作にポケットに突っ込んで持ち運ぶと、何かの拍子に落としてしまう心配はありますが、プライベートでバッグを持たないような方にはうってつけではないでしょうか。

イヤホン本体はTE-D01mに近い形状ですが、ドライバーが10mmになったぶん少し大きくなっていますね。
タッチセンサー部はAVIOTのロゴが印刷されているだけのシンプルなデザインで、従来のAVIOTイヤホンに比べて少し大人っぽい雰囲気になったように感じます。

カラーバリエーションは、ブラック・レッド・ホワイト・ネイビーの4色展開で、AVIOTらしいラインナップになっていますね。
AVIOT TE-D01tの装着感
AVIOT TE-D01tは耳に差し込んで少しひねるだけで位置が決まる形状になっていて、装着感にすぐれたイヤホンです。
耳道をぴったり覆うような感覚がありますので耳栓効果が高く、イヤーピースがしっかりフィットすればかなりの遮音性となります。
また、頭を左右に振っても外れてしまうようなことはなく、そのような感覚すらなかったので普段使いで落下の心配をする必要はないでしょう。

なお、10mmドライバーが採用されたことで従来のAVIOT製品より若干大き目になったとはいえ、小柄な女性が装着しても違和感を感じるようなことはない大きさだと思います。
AVIOT TE-D01tの機能と操作性
AVIOT TE-D01tの機能や操作性についてチェックしていきましょう。
AVIOT TE-D01t専用アプリについて
AVIOT TE-D01tには、新しく開発された専用アプリ「AVIOT SOUND ME」が用意されています。
アプリで出来ることは以下の通りで、機能としては十分ですね。
【AVIOT SOUND MEの主な機能】
- イヤホンバッテリー残量表示
- ノイズキャンセリング設定
- 外音取り込みモード設定
- ゲーミングモード(低遅延)モード ON/OFF
- 風雑音抑制モード ON/OFF
- 10バンド グラフィックイコライザー
- タッチセンサーボタン割当て設定
- イヤホン探知機能
10バンド グラフィックイコライザーは6つのプリセットが用意されており、デフォルトのBypassだとフラットすぎるので、個人的にはBass Boostが好印象でした。

もちろん自由にカスタマイズもできるので、プリセットを参考にして自分好みの音を色々と試してみると良いでしょう。
AVIOT TE-D01tの操作性
AVIOT TE-D01tは本体のタッチセンサーで再生/停止、ボリューム調整など必要な操作ができるようになっています。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回タップ | 再生/停止 | |
| 2回タップ | 音量DOWN | 次の曲に進む | |
| 3回タップ | 音量UP | 前の曲に戻る | |
| 通話 | 1回タップ | 受話/通話終了 | |
| 通常時 | 1.5秒長押し | アンビエント ⇒ オフ | ノイズキャンセリング ⇒ オフ |
| 3秒長押し | ボイスアシスタント起動 | - | |
デフォルトの設定は、ほかのAVIOTワイヤレスイヤホンと同じ操作になっていますが、専用アプリ「AVIOT SOUND ME」でカスタマイズすることもできます。

左右のイヤホンのタッチセンサータップ回数ごとに操作を割り当てることができるので、自分が操作しやすいようにカスタマイズして使いましょう。
AVIOT TE-D01tのおすすめ機能
最後にAVIOT TE-D01tの機能面についてみていきましょう。
イヤホン単体最大18時間再生
AVIOT TE-D01tの最大の特徴は、最大18時間にもなる再生時間です。
ANC ONだと2~3割再生時間は短くなりますが、3割減だとしても約13時間ですから驚異的というほかありません。
これだけの再生時間なら充電ケースを持ち歩かなくても大丈夫ということになりますから、これまで完全ワイヤレスイヤホンで感じていた「ケースがかさばる」というわずらわしさから解放されます。
しかも、このイヤホンは本体での電源ON/OFFができますので、バッテリーを無駄に消費しなくても済むのも大きなメリットです。
また、充電ケースとあわせると最大60時間の再生が可能ですし、イヤホン本体は15分の充電で約3時間の再生が可能になるなど、とにかくバッテリー性能は一級品だといえるでしょう。
ゲーミング(低遅延)モード
AVIOT TE-D01tは、専用アプリ「AVIOT SOUND ME」でゲーミングモードに切り替えることができます。

対応コーデックはAACとSBCなので、あくまでアプリ側でのチューニングだと思うのですが、ゲーミングモードで動画を見た結果、遅延は全く感じませんでした。
僕はゲームをしないのでなんとも言えませんが、遅延にシビアな音ゲーなどでなければストレスは感じないのではないかと思います。
外音取り込みモード
AVIOT TE-D01tの外音取り込みモードは、ちょっと機械的な音のような気もしますが使用については全く問題ないレベルでした。
個人的に外音取り込みの音質はそれほど気にしておらず、聞こえればOKなので薄い評価コメントで申し訳ありません。
ただ、外音取り込みモードにすると再生しているコンテンツの音量が最小まで自動的に調整されるような制御になっています。
これをメリットと感じるかデメリットと感じるかは人それぞれだと思いますが、音量の制御をするかしないか任意で選択できるようにファームウェアのアップデートで改善をしてほしいと思います。
まとめ
AVIOT TE-D01tは、AVIOTとしては初となるハイブリッドアクティブノイズキャンセリング(=ハイブリッドANC)機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンです。
本機には10mmの大径ドライバーが採用され、フラットで透明感のあるAVIOTサウンドはそのままに、既存の6mmドライバーのイヤホンより確実に音質が向上しています。
また、完全ワイヤレスイヤホンとしては驚くべきロングバッテリーを搭載しており、イヤホン本体で18時間、充電ケースと併せて60時間という長時間再生が可能となっています(※ANC ONで2~3割減)。
ノイキャン性能が強力との評価が高いAirPods ProやEAH-AZ70Wなどには及びませんが、電車の走行音や生活家電のモーター音はコンテンツ再生中なら気にならないレベルの性能は出ています。
ハイブリッドANCだけにもう少し強いノイキャンを期待する方もいらっしゃるかもしれませんが、1万円という価格帯のANCとしてはこれでも十分すぎるレベルではないでしょうか?
いっぽう、少々残念なのが通話品質です。
AVIOT初の6マイク搭載機ということでかなり期待していたのですが、マイクテストの結果ではオフィスやカフェで使うのは厳しいかと思います。
おそらくファームウェアのアップデートで対策は行われると思いますが、音質とバッテリー性能は値段以上のクォリティなだけに、もうすこし通話品質を詰めてから発売しても良かったのでは?と疑問が残ります。
現状では、webミーティングでの使用をメインに購入を検討している方にはおススメできませんが、コンテンツの再生メインならコスパの高いイヤホンであるといえるでしょう。
まだ粗削りな面はありますが、低~中価格帯のイヤホンに関しては、今後もAVIOTの動向に目が離せないのは確かですね。
















