
oppo Enco Free2は最大42dBのアクティブノイズキャンセリング(=ANC)を搭載し、片側3マイクによる通話時のノイキャンも可能な完全ワイヤレスイヤホンです。
デンマークのハイエンドHi-FiスピーカーブランドDYNAUDIO(ディナウディオ)社とコラボしたチューニングにより、フラットでパワフルな音質は一聴の価値があります。
また通話品質も高く、ビジネスシーンでの使用にも十分耐えられるマイク性能を有しています。
専用アプリ「HeyMelody」による音質とANCのパーソナライズも可能で、同価格帯の他機種と比較して機能面が充実していることも大きな特徴です。

Contents
oppo Enco Free2の通話品質と音質
まず最初にoppo Enco Free2の通話品質と音質をチェックしていきましょう。
oppo Enco Free2のマイク性能
oppo Enco Free2は片側3マイク×2の6マイク構成になっています。
メーカーホームページでは「トリプルマイクによる通話時ノイズキャンセリング機能と風切り音を低減させる独自のアルゴリズムを採用することで風の強い日でも明瞭な通話ができる」と記載されています。
はたして実力の程はどうかということで、恒例のマイクテストを実施してみました。
マイクテストはいつものカフェで着席率8割程度でそこそこ混雑しており、店内はかすかにBGMも流れていました。
【oppo Enco Free2 マイクテスト】
マイクテストの結果、oppo Enco Free2はかなり優秀な通話品質だと感じました。
声が若干こもり気味なのとかすかなハウリング音が気にはなりますが、自分の発声にフォーカスしてしっかり音を拾ってくれています。
また、通話時ノイズキャンセリングが効いていて、周りの人の話し声も含めて周辺ノイズはかなり低減してくれており、これならビジネスシーンでも使えるレベルにあると思います。
自室でのテレワーク時なら全く問題なくリモートミーティングに参加できますし、オフィスでの使用も十分可能でしょう。
もちろんオンライン授業などにも使えますので、価格面を考えると学生さんにも是非おススメしたい完全ワイヤレスイヤホンですね。
oppo Enco Free2の音質
oppo Enco Free2はデンマークのハイエンドHi-FiスピーカーブランドDYNAUDIO(ディナウディオ)社とコラボしており、同社がチューニングに関わっているようです。
DYNAUDIOのスピーカーはフラットで解像度の高い浸透力のある音質という評価らしいのですが、Enco Free2にその片鱗がみられるか楽しみなところです。
聴いてみてまず最初に感じたことは「これ、かなりいいな」です。
DYNAUDIOチューニングの特徴がしっかり出ているというか、フラットでクリアながら全音域に厚みが感じられる音質で、パワフルさと繊細さが良いバランスで同居しています。
低音は土台の役割をしっかり果たしていてアタック感もあり、それでいて中音~高音を邪魔するようなボヤつきは全く感じられません。
中~高音にかけてもクリアで透明感のある音質で、音の輪郭がはっきりと、しかし丸みを帯びた感覚があるため聴いていて心地の良い音になっています。
音場も狭さは感じられず高音の抜けも頭の上のほうまで伸びやかですし、ロック・ポップス・ジャズ・ヒップホップなど幅広いジャンルの音楽を楽しむことができると思います。
なお、oppo Enco Free2は、専用アプリ「HeyMelody」に音質をパーソナライズできる機能が備えられています。
これは低音~高音まで何パターンかの音の聞こえ具合をテストし、その結果を反映して音質を最適化するという優れものです。
そのうえで以下の画像の通り、4つのプリセットイコライザーが用意されています。

oppo Enco Free2のANC性能
oppo Enco Free2のアクティブノイズキャンセリング(=ANC)性能は、中の強といったレベルだと感じました。
メーカーホームページでは周辺ノイズを最大42dBカットすると表記されていますが、この通りの性能だと思います。
たとえばエアコンのモーター音やカフェなどでのザワつきは、oppo Enco Free2のANCをONにした瞬間にスッと消え去ります。
電車内での使用では低域の走行音はかなりカットされますが、鉄橋を渡る際のガタンといった高音や対抗列車のすれ違い音、車内アナウンスなどは聞こえますね。
ちなみにアクティブノイズキャンセリングは、下地となるイヤーピースのフィッテイングとイヤホン本体の形状によってその効果に差がでるものです。
個人的には、この形状の完全ワイヤレスイヤホンはどうしてもパッシブノイズキャンセリング(=PNC、いわゆる耳栓効果)が弱いと感じています。
したがって、oppo Enco Free2のANC性能を最大限引き出すためには、イヤーピースのフィッティングが重要な要素となるのです。
oppo Enco Free2は、専用アプリ「HeyMelody」でイヤーピースのフィッティングテストができますので、自分に合ったサイズのイヤーピースを選択するようにしてください。
oppo Enco Free2の外観と装着感
oppo Enco Free2の外観と装着感を見ていきましょう。
oppo Enco Free2の本体と充電ケース
oppo Enco Free2の充電ケースは丸くてコロンとした形をしていて、重量38.8gと40gを切っていますのでかなり軽い部類に入るかと思います。
某A社の製品を意識しているのか、でなんの装飾も施されていないプラスチック筐体となっていますね。

これはこれで良いとは思うんですが、たとえばAnker Soundcore Liberty Air 2 Proのようにもう少しオリジナリティが感じられるパッケージにしてほしかった…。
イヤホン本体も4.4gと機能満載の割には非常に軽く出来ていますが、これも某社のに似ているんですよね…。

まぁ、デザインのことまで私のような者がとやかく言うのはおこがましいのでやめますが、音質が非常に気に入っているだけにオリジナリティを感じられるデザインが良かったなと。
カラーはホワイトとブラックの2色展開で、もう2色くらい用意して欲しかったなぁ。

パステル調のピンクだったりラベンダーだったり、そういったカラーバリエーションを用意しても売れないんですかね…。
oppo Enco Free2の装着感
oppo Enco Free2はイヤホン本体が軽いので、着け心地も軽い感じです。

ANC性能の項でも記載しましたが、この形状の完全ワイヤレスイヤホンは特にイヤーピースのサイズがフィット感や安定感を左右します。
イヤーピースが小さすぎると落下の可能性が高まりますし、耳道とのすきまが空いてANC性能も低下してしまいますし、大きすぎると耳が痛くなるという可能性も。
もし、同梱のイヤーピースが合わなければ市販のチップを試してみることも視野に入れておくべきでしょう。
oppo Enco Free2の機能と操作性
さいごにoppo Enco Free2の機能や操作性をチェックしていきましょう。
oppo Enco Free2の専用アプリ
oppo Enco Free2には専用アプリ「HeyMelody」が用意されています。
アプリ画面は以下の通りで、イヤホン本体や充電器のバッテリー状態やノイズコントロールモードの選択などが可能になっています。

【HeyMelodyで出来ること】
・イヤホン本体、充電器のバッテリー状態確認
・イヤホン本体の操作カスタマイズ
・ゲームモードへの切り替え
・ANC ON/OFF
・トランスペアレントモード(外音取り込み) ON/OFF
・イヤホンのフィットテスト
・音質のパーソナライズ
・イコライザー(4つのプリセットから選択)
oppo Enco Free2の操作性
oppo Enco Free2は、イヤホン本体のタッチもしくはスライドで操作をすることが可能です。
デフォルトの操作設定は以下の通りで、誤作動防止の観点からタッチ1回は操作が割り当てられていません。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回タップ | 未設定 | |
| 2回タップ | 曲送り | ||
| 3回タップ | 音声アシスタント起動 | ||
| 長押し | ノイズキャンセリング ⇒ トランスペアレントモード ⇒ OFF | ||
| スライドコントロール | 音量調整 | ||
なお、タップ回数によって割り当てることができる動作に制限はありますが、専用アプリ「HeyMelody」からイヤホン本体の操作カスタマイズができるようになっています。

ちなみに、タップ回数ごとに割り当てることができる動作は以下の通りです。
【oppo Enco Free2操作カスタマイズでの制限】
・1回タップ:設定なし or 再生/停止
・2回タップ:設定なし or 再生/停止 or 曲送り・曲戻し
・3回タップ:設定なし or 音声アシスタント起動 or ゲームモードON/OFF
・長押し:ANC ON or ANC OFF or トランスペアレントモード
※上記の中から1~3つ選択可能
・スライド:設定なし or 音量調整 or 曲の切り替え
oppo Enco Free2のおすすめ機能
oppo Enco Free2のおすすめ機能をご紹介します。
着脱検知機能
oppo Enco Free2には着脱検知機能が搭載されています。
着脱検知機能とは、イヤホンを外すと再生中のコンテンツは自動停止し、イヤホンを装着すれば再び自動再生されるというもの。
トランスペアレントモードがあるとはいえ、相手の声が聴こえにくかったり急に話しかけられたりしたときにはついイヤホンを外すという行動を取りがちです。
そんなときに再生中のコンテンツが一時的に停止するというのは結構便利で、個人的にはかなりメリットを感じますね。
IP54の防塵・防水性能
oppo Enco Free2はIP54の防塵・防水性能となっています。
IPは防塵・防水等級の国際規格で、前の数字が防塵性能、後ろの数字が防水性能を表していて、防塵等級は0~6の7等級、防水は0~8の9等級があります。

防塵等級5は「機器の正常な動作に支障をきたしたり、安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない」レベルであり、家電品としては最高レベルの等級です。
また、防水等級4は「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」レベルで、急な夕立などでイヤホンが濡れても問題ありません。
ゲームモード
oppo Enco Free2にはゲームモードが搭載されています。
システムレベルで遅延を徹底的に抑えているとのことで、iPhoneで動画を視聴した限りでは音声の遅延は感じられませんでした。
ただし、コーデックがSBCとAACのみなので、Android端末では遅れにシビアなゲームをプレイする際は若干厳しいのではないかと思います。
oppoの最新スマホはaptXなどにも対応しているようなので、Enco Free2もaptXに対応してほしかったですね。
まとめ
それでは最後にoppo Enco Free2の良い点、改善してほしい点を整理してみましょう。
✓ビジネスシーンでも使用可能な通話品質
✓フラットで全域にわたって厚みと透明感のある音質
✓アプリ経由で音質のパーソナライズが可能
✓強すぎず弱すぎずのバランスの良いANC性能
✓イヤホンの着脱検知機能を搭載
✓IP54の防塵・防水性能
✓ゲームモードを搭載
✓コーデックがaptXに非対応
✓デザインが某A社の製品に似すぎている
✓ワイヤレス充電に非対応
✓連続再生時間が短め
oppo Enco Free2は通話品質・音質ともに非常に完成度の高い製品だと思います。
とくに音質はDUNAUDIO社とのコラボチューニングがしっかりと表現されており、パワフルでクリアなサウンドを楽しむことができます。
デザインが某A社の製品に似ていると書きましたが、これだけのイヤホンを世に出せるのであれば、もう少しオリジナリティに溢れたデザインにすればさらに売れるのではないかとの期待感からです。
唯一残念なのはコーデックがaptXに対応していないこと。
oppo製スマホのOSはAndroidをベースにしたColorOSで、コーデックはaptXをはじめaptX HDなどにも対応しているようなので、なぜこれに合わせないのか謎ですね。
Enco Free2はiPhoneユーザーであれば音質や遅延を気にせず使えるという対応コーデックに、なにかちぐはぐさを感じてしまった私です。

















