3基のドライバーを搭載した注目機種
AVIOT TE-BD21jは、3基のドライバーを搭載したハイブリッドドライバーが採用され、全ての音域で歪みの少ない聴き心地の良いサウンドの完全ワイヤレスイヤホンです。
マイク性能は標準並みですが、web会議にも十分使用できる通話品質は備わっています。
ANC非搭載ですが、本体がPNC性能が高い形状なので、しっかりフィットするイヤーピース選びができればある程度のノイズ低減も可能でしょう。
充電ケースやパーツにジュラルミンを使うなど、スタイリッシュなデザインも魅力的な1台です。

Contents
AVIOT TE-BD21jの通話品質と音質をチェック
まずはAVIOT TE-BD21jの通話品質と音質についてみていきます。
AVIOT TE-BD21jのマイク性能
AVIOT TE-BD21jの通話品質は、可もなく不可もなく、標準的な性能だと感じました。
以下は、夕方のカフェでマイクテストを行ったものです。
自分の声はかなりクリアに聞こえるのですが、周辺の音声などもしっかり拾ってしまっているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。
当日、店内はそれほど混んではいなかったものの、かなり騒がしい印象を受けます。
AVIOT TE-BD21jは片側1つの単一マイクで、このマイクにはQualcomm®cVc8.0 ノイズキャンセリングが搭載されています。
しかし、cVc(クリア・ボイス・キャプチャー)のみだと周辺ノイズ除去には限界があり、片側2マイクを搭載した機種にくらべると通話品質はやや落ちてしまいます。
ただ、「サー」というホワイトノイズのような音は聞こえないので、比較的静かなオフィスや会議室、テレワークで自室にいる時などはweb会議にも十分使えるレベルではあります。
もし、同じAVIOTでより通話品質の高い機種を探すのであれば、片側2マイクを搭載したTE-D01mがおすすめです。
AVIOT TE-BD21jの音質とノイズキャンセリング性能
続いてAVIOT TE-BD21jの音質とノイズキャンセリング性能についてです。
この機種はアクティブ・ノイズキャンセリング(=ANC)機能は搭載していないので、ノイキャン性能についてはパッシブ・ノイズキャンセリング(=PNC)について記載します。
AVIOT TE-BD21jの音質
AVIOT TE-BD21jの音質は、低音~高音までの音域をバランス良くしっかりと鳴らしてくれつつ、丸みを帯びたマイルドなサウンドに仕上がっている印象を受けました。
3基のドライバーを搭載したハイブリッド・トリプルドライバーの効果なのか、厚みのある低音とパワフルながら圧迫感の無い中音~高音がバランス良くチューニングされています。

ただ、重低音はそれほど勢いのある味付けではなく、高音の突き抜け感もそれほど感じられない、なんというか音の1つ1つが丸みを帯びたマイルドなサウンドという感じがします。
したがって、長時間聴いていても聴き疲れするような音質ではなく、J-POPやアニソンなどを聴くのに適したイヤホンではないかと思います。
音場は左右の広がりはそこそこあるものの、上下の広さは若干物足りなさを感じますね。
まぁ、それでもこの価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの中では、音質・音場とも十分満足のいくレベルには到達している製品であることに間違いはありません。
AVIOT TE-BD21jのノイズキャンセリング
AVIOT TE-BD21jはアクティブ・ノイズキャンセリング機能(=ANC)は非搭載です。
ただし、本体がストレートな形状をしているためPNC効果が高く、イヤーピースがしっかりフィットすればノイズ低減効果はそれなりに期待できる製品です。
付属のイヤーピースは比較的傘の高さが低いタイプで、フィット感もそれほど悪くはありませんが、色々試してみたいとい方はAZLA SendaEarfit Light Short、Spinfit CP360、Spiral Dot EP-FX9あたりを試してみると良いのではないかと思います。
AVIOT TE-BD21jの外観と装着感
つぎにAVIOT TE-BD21jの外観と装着感をチェックしていきましょう。
AVIOT TE-BD21jの本体と充電ケース
AVIOT TE-BD21jの充電ケースは、航空機グレードの高品位ジュラルミン素材を使用しているだけあって、かなりクォリティの高い雰囲気です。

ただし、ジュラルミン製ということで充電ケースの重さは70g程ありますので、完全ワイヤレスイヤホンではかなり重たい部類に入ります。
上着のポケットに入れて持ち運びのできる大きさではありますが、スーツなどではちょっと重さが気になってしまいます。
また、上質な塗装が施されているだけにキズが気になりますので、きれいに使いたいならポーチなどに入れて持ち運んだほうが無難でしょう。
フタは珍しいスライド式で、最初「あれ?開かない…」と思ってしまいました。
本体はストレートな耳栓型の形状で、ハイブリッド・トリプルドライバーを搭載しているためかドライバー収納部に厚みがあります。

ただ、8mmダイナミックドライバー搭載機としては径が小さく、本体そのものは非常にコンパクトです。
本体にも無垢のジュラルミンから削り出されたパーツが使用され、こちらも高級感が感じられるデザインに仕上がっていると思います。
なお、カラーバリエーションはメタリックレッド、ブラック、シルバーの3色展開。

シンプルではあるもののいずれも上品な色合いとなっており、年齢層を選ばないデザインだといえるでしょう。
AVIOT TE-BD21jの装着感
AVIOT TE-BD21jは、スッと耳に差し込んで少しひねれば安定します。

装着感という意味ではかなり良く、落としてしまうような不安感はほとんど感じません。
ただ、ドライバー部に厚みがありますので、耳から飛び出ているような印象を受けます。
AVIOT製品でもう少しすっきりした機種が良いという方は、TE-Dシリーズを検討してみましょう。
AVIOT TE-BD21jの機能と操作性をチェック
最後にAVIOT TE-BD21jの機能と操作性について解説します。
AVIOT TE-BD21jの操作性
AVIOT TE-BD21jは、本体上部のタッチセンサーに振れることで、イヤホンを装着したまま様々な操作をすることができます。
デフォルトで設定されている操作は以下の表の通りですが、タッチセンサーはアプリ経由でカスタマイズができるようになっています。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回タップ | 再生/停止 | |
| → Swipe forwards | 次の曲に進む | 音量UP | |
| ← Swipe backwards | 前の曲に戻る | 音量DOWN | |
| 2回タップ | ANC on ⇒ ANC off ⇒ アンビエント | ||
| 通話 | 1回タップ | 受話 | |
| 1.5秒長押し | 通話終了 | ||
| → Swipe forwards | 音量UP | ||
| ← Swipe backwards | 音量DOWN | ||
| アンビエント ON/OFF+再生停止 | 長押し | - | |
| 通常 | 2秒長押し | 音声アシスタント起動 | - |
AVIOT TE-BD21jの専用アプリ
AVIOT TE-BD21jは専用アプリ「AVIOT SOUND XXX」に対応しています。
アプリでは、10バンドイコライザーやタッチセンサーのコントロール設定、イヤホン紛失時の接続解除履歴確認、アンビエントモードの音楽音量レベル設定などが可能です。
AVIOT TE-BD21jのおすすめ機能
AVIOT TE-BD21jは、Qualcomm社の最新SoC(System on Chip)を搭載しています。
このSoCには、ロールスワッピング機能とTrue Wireless Stereo Plus機能があり、駆動時間と接続安定性が大きく向上しています。
従来の完全ワイヤレスイヤホンは、ほとんどの製品が左右のどちらかが親機、子機となっており、親機側の負担が大きいため先にバッテリー切れを起こすという問題を抱えていました。
ロールスワッピング機能は、左右両方のイヤホンが親機にも子機にもなり、なおかつ起動時のバッテリー残量に応じて親機を指定することで駆動時間を最適化する機能です。
また、True Wireless Stereo Plusは、左右のイヤホンへそれぞれデータを伝送する方式で、接続安定性と低レイテンシを実現する次世代の技術です。
このようにAVIOT TE-BD21jは、目に見える新機能を搭載しているわけではありませんが、使い勝手が従来製品より大幅に向上している機種となっています。
AVIOT TE-BD21j レビューまとめ
AVIOT TE-BD21jは、2019年7月に発売され高評価を得たTE-BD21fの後継機として、2020年12月に発売されました。
前作同様、ハイブリッド・トリプルドライバーを採用しつつ、メーカーいわく内部設計の見直しにより更なる小型化と高音質化を実現した機種に仕上がっているとのことです。
低音~高音まで全域で厚みのある良質なサウンドで、音にとげとげしい感じがなく、丸みを帯びたやさしい音質になっています。
いっぽうで、重低音のアタック感や高音の伸びや抜けもおとなしくチューニングされた印象で、ポップスやアニソンなどボーカルメインの曲を聴くのに適したイヤホンだと思います。
通話品質は悪くはないものの、片側1マイクのため周辺ノイズも自分の声と同じように拾ってしまうので、電話応対が多いオフィスでは他人の声が通話に入り込んでしまいます。
ただし、ホワイトノイズはかなりきれいにカットされていますから、会議室や自室など騒音レベルの低いところからならweb会議などにも十分利用できる通話品質ではありますね。
また、アクティブ・ノイズキャンセリング非搭載ながら、TE-BD21jはパッシブ・ノイズキャンセリング効果の高い形状なので、イヤーピースがフィットすればカフェで音楽や動画を楽しもことは可能でしょう。
色々と書きましたが、このイヤホンには大きな欠点がなく、オーディオマニアを自負しているような方でなければ、対価に見合うだけの満足は得られる製品だと思います。

















