audio-technicaのSOLID BASSといえば、キレのある重低音と超解像度が持ち味のオーテクの人気シリーズ。
そのSOLID BASSから、手に取りやすい価格で完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデルが登場しました。
個人的にこれまでのSOLID BASSは男っぽい無骨なイメージで、ユーザー層をメーカー自らが限定してしまっていた気がしていました。
しかし、今回リリースされたATH-CKS30TWは、無骨さを感じさせないくすみのあるグレイッシュトーンのカラー展開。
非常にコンパクトで軽量なモデルなので、女性にも手に取りやすいデザインになっています。
これで音質や機能面が満足できる仕上がりなら、SOLID BASSのユーザー層も広がるのでは?と思わずにはいられません。
そんなわけで今回は、audio-technica ATH-CKS30TWを実際に使ってみて感じたことをレビューしていきたいと思います。

【良い点】
〇SOLID BASSらしいキレの良い重低音
〇ビジネスにも使える標準的な通話品質
〇マルチポイントに対応
〇軽量コンパクトなイヤホン本体と充電ケース
〇充実したアプリメニュー
〇IP55の防塵・防水性能
【イマイチな点】
✖ハイレゾコーデック非対応
✖ノイズキャンセリング非搭載
✖ワイヤレス充電非対応
Contents
audio-technica ATH-CKS30TWのデザインと装着感
audio-technica ATH-CKS30TWのイヤホン本体や充電ケースなどの外観と装着感を確認していきましょう。
シンプルで気軽に使えるデザイン
ATH-CKS30TWは、従来のSOLID BASSらしからぬカラフルでライトなデザインになっていると感じます。
SOLID BASSの無骨なイメージから方針転換かな?という感じですが、個人的には良い傾向だと思いますね。
まず充電ケースですが、30g未満という軽さと小ささから、ポケットに入れてどこにでも持っていけるという気軽さがありますね。

3万円程度の高級イヤホンだと、どうしても高級感を出す必要があるので充電ケースも大きく重くなりがち。
その点、ATH-CKS30TWの充電ケースは「持ち運びやすさ」を最優先したんだろうと感じます。
イヤホン本体もフェイスプレートにaudio-technicaのロゴがプリントされているくらいで、いたってシンプルなデザイン。

本体裏面には平面部分があるタイプで、個人的にはカナル型で最も耳との密着度と遮音性が高いデザインだと思います。
カラーバリエーションは全部で4色。

いずれも肌になじみやすく、ファッションコーディネイトがしやすい「くすみ」のあるグレイッシュトーンになっています。
密着度の高さは重低音の証
ATH-CKS30TWは小型軽量ボディゆえの着け心地の軽さと、密着度の高さを兼ね備えたイヤホンです。
画像出典:audio-technica製品ホームページより新規採用されたトラガスホールドデザインによって、耳穴の前にある耳珠を避けてイヤホンが自然に装着できます。
くわえて片側4.5gという軽さと小さなボディが、長時間装着時のでも痛みや疲れを感じさせません。
また、装着時の安定感と密着度が非常に高く、それゆえイヤホンを着けただけで遮音性もかなり高いことがわかります。
イヤホン本体の遮音性の高さは重低音を逃がさないための大切な要素なので、さすがはSOLID BASSブランド。
イヤーピースのサイズさえしっかりと選択できれば、豊かな重低音を余すところなく感じられるでしょう。
なお、イヤーピースはXSまで付属していますので、耳の小さな女性でも問題なくフィットすると思いますよ。
audio-technica ATH-CKS30TWの音質と通話品質
audio-technica ATH-CKS30TWの音質と通話品質を確認していきましょう。
重低音だけじゃない幅広の音質
audio-technicaのSOLID BASSといえば、10年以上もの長きにわたって「キレのある重低音」を追求しているシリーズ。
ATH-CKS30TWもSOLID BASSらしい重低音サウンドが魅力なのは間違いありません。
ただし、良質な重低音にくわえて、中高域の表現力も向上しているのがこのモデルの最大の特長。
まず重低音ですが、深く沈みこみつつも立ち上がりが早いキレの良さで、思わず身体でリズムを取ってしまうような没入感があります。
この音づくりは、SOLID BASS専用Φ9mm SOLID BASS HD TWSドライバーと、ドライバー背面のアコースティックダクトのおかげなのでしょう。
いっぽう中高音はというと、重低音に埋もれることのないクリアな音質で、幅広いジャンルを楽しめるポテンシャルが感じられますね。

ATH-CKS30TWのデフォルトの音質は、やはり重低音モデルということになります。
ただし、幅広いジャンルを楽しめるポテンシャルをイコライザーで引き出すことができるのが大きな魅力。
専用アプリには5種類のプリセットイコライザーが用意されていて、たとえばClearを選ぶと高域が美しい音質にガラッと顔色が変わります。
| イコライザー | 音質 |
|---|---|
| Bass Boost-Deep | 思わず体が動き出すアッパーな重低音。重圧感を高めた超低域寄りのサウンドで、低音の余韻まで楽しめる。 |
| Bass Boost Beat | 締りのあるタイトな重低音。スピード感のある低域とバランスの良い中高域で、迫力と臨場感を余すことなく味わえる。 |
| Dynamic | 低域と高域を強調したメリハリの効いたサウンド。躍動感のある音質で、ゲームに没入したい時にもおすすめ。 |
| Vocal | 低・高域との自然なつながりを重視したサウンド。ボーカル中心の中音域を強調するので、動画などでの声やセリフも聴きやすい。 |
| Clear | 高域の煌びやかさを強調したサウンド。すっきりとした美しい高音域の伸びや、繊細な余韻の響きまで体感できる。 |
それぞれのチューニングが絶妙なので、ジャンルやアーティストにあわせてイコライザーを変更すると楽しさが増すこと間違いなしです。
標準的なマイク性能
ATH-CKS30TWはハンズフリー通話が可能なモデルです。
とはいえ、高価格帯イヤホンのようなAIノイズリダクションやビームフォーミング機能は非搭載。
1万円程度のモデルとしては平均的な通話品質だろうと予想されるんですが、とにかく試してみないことにはわかりません。
というわけで、さっそく夕方のカフェでマイクテストを実施してみました。
着席率は6割程度で、BGMも流れている状況でのマイクテストです。
【ATH-CKS30TW マイクテスト】
マイクテストの結果、やはりこの価格帯としては標準レベルの通話品質だと感じますね。
全体的に少しこもったような音質で、周辺ノイズもそれなりに拾っていることがおわかりになると思います。
若干周辺ノイズの混入度合いが大きいように思うので、カフェなどでリモートミーティングに参加するには注意が必要でしょう。
ただし、自宅やオフィスの会議室など、周辺ノイズの少ない環境下ならビジネスでも十分利用可能な通話品質です。
なお、ATH-CKS30TWにはサイドトーン機能が搭載されています。
これは、通話時に自分の発した声をマイクを通して聴くことができる機能で、イヤホンを着けていない時と同じ感覚で通話ができるというメリットがあります。
遮音性が高いイヤホンは自分の発声が聴こえにくいため、自分では気づかずに必要以上に大きな声で通話をしてしまいまいがち。
このサイドトーン機能を利用すると、声が大きすぎて周囲から白い目で見られるなんてリスクを回避できるので安心です。
audio-technica ATH-CKS30TWの専用アプリ
audio-technica ATH-CKS30TWは専用アプリに対応しています。
アプリメニューはかなりの充実ぶり
ATH-CKS30TWはaudio-technicaの専用アプリ「Connect」に対応しています。
アプリメニューはかなりの充実ぶりで、このクラスとしては欲しい機能は全て揃っているといってもいいでしょう。
- 5種類×3パターンのイコライザー
- 3パターンのボリュームステップ
- 左右のバランス調整
- トークスルー時の取込音量調整
- 通話時のサイドトーン
- 低遅延モード ON/OFF
- タッチコントロールカスタマイズ
アプリメニューの中から、使い勝手が向上するものを選んで少し詳しく説明していきましょう。
15種類のプリセットイコライザー
ATH-CKS30TWのイコライザーには、5種類×3パターン、合計15種類が用意されています。

イコライザーをONにすると、5種類の中から好みの基本チューニングを選択することができます。
各チューニングごとに強・弱・標準と3段階のセッティングが用意されているので、より音質にこだわった選択が可能になっています。

音質でも触れていますが、VocalやClearを選択すると中高域寄りのすっきりとした音質に変化します。
SOLID BASSだから重低音だけかと思いきや、中高音もしっかり楽しめるのがこのモデルの最大のメリットだと感じますね。
ボリュームステップとバランス調整
ATH-CKS30TWは、ボリュームステップとバランス調整に対応しており、それぞれアプリのオーディオメニューから選択することができます。

ボリュームステップは、ボリューム調整を16,32,64ステップのいずれかに設定ができる機能。
ほとんどのユーザーはイヤホンをスマホに接続して音楽を聴くと思いますが、スマホのボリューム調整って大雑把なんですよね。
音量調整時に「もう少し大きく」や「もう少し小さく」と思うことが結構あって、ストレスに感じることも多々あります。
ATH-CKS30TWでは最大64ステップまでボリューム調整を細分化できるので、これは大きなメリットでしょう。
また、左右のバランスを調整することも可能。
この価格帯で左右バランス調整があるモデルは少ないので、この機能は貴重だと思います。
多彩なトークスルー機能
ATH-CKS30TWにはアンビエンスコントロールと、トークスルーという機能が搭載されています。
アンビエンスコントロールでは、周囲の音を取り込む量を調整することが可能。
トークスルーでは、人の声だけにフォーカスするかそれ以外のノイズも全て取り込むかの選択が可能となっています。

また、外音取り込み時に再生中のコンテンツの音量を消音、中、小の中から選択もできます。
ATH-CKS30Wは防塵防水性能が高いイヤホンなので、ワークアウトでも積極的に使いたいモデル。
アンビエンスコントロールとトークスルーは、とっさに周囲の音を確認したい時ばかりでなく、ワークアウト時の使い勝手も向上させてくれる機能です。
audio-technica ATH-CKS30TWの機能
audio-technica ATH-CKS30Wに搭載されている便利機能を確認していきましょう。
イヤホン本体の操作性
ATH-CKS30Wは、イヤホン本体で様々な操作をすることが可能です。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回押し | 音量UP | 音楽再生/停止 |
| 2回押し | 音量DOWN | 次の曲にスキップ | |
| 3回押し | - | 前の曲に戻る | |
| 長押し | イコライザー機能ON/OFF | トークスルー機能ON/OFF | |
| 通話 | 1回押し | 電話を受ける/音量UP | 電話を受ける |
| 2回押し | 音量DOWN | マイクミュート | |
| 長押し | 着信拒否/通話終了/発信中止 | ||
タッチコントロールの完全カスタマイズはできませんが、デフォルトの他に「左右入れ替え」「音楽操作のみ」にパターン変更が可能。
くわえて、左右のイヤホンの長押しに8つのコマンドのいずれかを割り当てることもできるようになっています。
連続音量アップ、連蔵音量ダウン、イコライザー、ヒアスルー、トークスルー、音声アシスタント起動、低遅延モード切替、電池残量確認
また、タッチセンサーの感度を変更することもできます。
タッチセンサーの感度は、ユーザーの手の乾燥状態などに影響を受けます。
タッチセンサーの感度が良すぎたり鈍かったりするとストレスになりますので、この機能は使い勝手を大きく改善するものだと感じますね。
2台同時接続のマルチポイントに対応
ATH-CKS30Wは、2台のデバイスに同時接続することができるマルチポイントに対応しています。

たとえば、プライベートスマホとビジネス用のスマホに同時接続していたと仮定します。
通勤電車の中でプライベートスマホで動画を観ていて、バッグの中のビジネス用スマホに着信があったとします。
ATH-CKS30Wなら、イヤホンに着信音が鳴り、イヤホン本体を操作するだけでビジネス用スマホの着信に応答することができます。
もちろん、着信応答中はプライベートスマホの動画は一旦停止され、通話が終了したら自動的に再生が再開されるという便利さ。TW
マルチポイントは本当に便利な機能で、複数台のデバイスへの接続が想定されるユーザーには必須機能といっても過言ではないでしょう。
IP55相当の防塵・防水性能
ATH-CKS30Wは、IP55相当の防塵・防水性能を備えています。
IPは国際的な防塵防水等級で、IP5Xが防塵等級5、IPX5が防水等級5ということを表しています。
防塵等級5は、イヤホンの動作を阻害する粉塵の侵入に対して保護されているレベルで、砂埃などの環境下でも使用可能。
防水等級5は、いかなる方向からの水の軽い直接噴流によっても有害な影響を受けないレベルで、軽く水洗いする程度には耐えられます。
イヤホン本体はIP55ですが、充電ケースは防塵・防水仕様ではありません。とくに濡れたまま充電ケースに戻すのは故障の原因になりますので気を付けましょう。
完全ワイヤレスイヤホンの防塵・防水性能はIPX4(防塵処理なし、水の飛沫からは保護されている防水仕様)が一般的。
ATH-CKS30Wなら、タフな使い方でも大丈夫な安心感がありますね。
audio-technica ATH-CKS30TWのレビューまとめ
それでは最後にaudio-technica ATH-CKS30Wの総合評価とレビューを通して感じたことを整理してみましょう。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | 静かな場所での通話は問題無し | 4.0 |
| 低音 | 豊かでキレのある重低音が魅力 | 4.8 |
| 中音 | ボーカルの距離感が良く解像感も高い | 4.5 |
| 高音 | 繊細さや煌めきも感じられる | 4.3 |
| 外音取込み | 標準的で実用性は十分なレベル | 4.2 |
| アプリ機能 | 価格帯としてはかなりの充実ぶり | 4.9 |
| 機能加点 | マルチポイントに対応 | 5.0 |
| 総合評価 | 4.5 | |
【良い点】
〇SOLID BASSらしいキレの良い重低音
〇ビジネスにも使える標準的な通話品質
〇マルチポイントに対応
〇軽量コンパクトなイヤホン本体と充電ケース
〇充実したアプリメニュー
〇IP55の防塵・防水性能
【イマイチな点】
✖ハイレゾコーデック非対応
✖ノイズキャンセリング非搭載
✖ワイヤレス充電非対応
audio-technica ATH-CKS30TWは、SOLID BASSシリーズのエントリーモデル。
SOLID BASSらしい豊かでキレのある重低音はさすがのひと言ですが、中高音の解像度や表現力も高いのがこのモデルの魅力でしょう。
全15種類のプリセットイコライザーのチューニングが秀逸で、ジャンルに合わせて音質を変更する楽しさを感じることが可能です。
コンパクトで軽い充電ケースは、ジーンズのポケットに入れても邪魔になりません。
イヤホン本体も軽く圧迫感の無い装着感ながら、重低音を逃がさない遮音性に優れたデザインとなっています。
また、専用アプリのメニューの豊富さやマルチポイント対応、IP55の防塵・防水性能など使い勝手もかなり良いと感じます。
ノイズキャンセリング非搭載ですが、ノイキャンは必要ないというユーザーにはおすすめできる1台だと思います。
















