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EarFun Air S|1万円以下でマルチポイント搭載だと?

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EarFun Air Sは、EarFunとしては初となるマルチポイント搭載機です。

マルチポイントとは2台のデバイス(2台のスマホやスマホとタブレットなど)に、イヤホンを同時にBluetooth接続しておく機能のこと。

たとえばタブレットで動画を観ている時にスマホに着信があれば、イヤホンをスマホに再ペアリングすることなくそのまま着信に応答できるという超便利な機能なんです。

ただし、マルチポイントを搭載したワイヤレスイヤホンって1万円ちょっとは出さないと手に入らないイメージなので、購入に二の足を踏んでしまっている方も多かったのではないかと思います。

そんなところに現れたEarFun Air Sは、コスパ高メーカーのEarFunならではの1万円を切る価格設定。

もちろんアクティブノイズキャンセリングや外音取り込みモード、専用アプリなど欲しい機能は全て揃っているとなれば、これは試してみるしかないですよね。

そんなわけで今回はEarFun Air Sをレビューしていきます。

実際使ってみて感じた良いところや、イマイチだと感じたところも余すところなくお伝えしていきますので、是非最後までお付き合いください。

EarFun Air S スペック
EarFun Air S 良い点とイマイチな点

【良い点】
低音~中音にかけての音質バランスが良い
テレワークにも積極的に使える高い通話品質
低価格ながらANC、外音取り込みモード搭載
専用アプリ「EarFun Audio」に対応
マルチポイントに対応
ワイヤレス充電に対応

【イマイチな点】
クラッシュシンバルなどの高音がうるさく感じる曲もある
イコライザー調整での音質変化がそれほど大きくない
急速充電非対応

 

 

EarFun Air Sのデザインと装着感

EarFun Air Sのイヤホン本体や充電ケースなどのデザインと装着感をみていきましょう。

EarFun Air Sの本体と充電ケース

EarFun Air Sの充電ケースは、スティック型の完全ワイヤレスイヤホンとしては標準的なサイズだと思います。

EarFun Air S 充電ケース

スティック型の完全ワイヤレスイヤホンの場合、スティックの長さによって充電ケースの大きさもある程度決まってしまいます。

EarFun Air Sのスティックは標準的な長さなので、横に並列に並べるデザインになっていることからある程度充電ケースの面積が必要なんでしょう。

いっぽうで、バッテリーの体積をそれなりに確保できるというメリットはあるので、充電ケース併用で稼働時間30時間というバッテリーライフを確保することができています。

充電ケースは高級感があるとは言い難いものの、材質に厚みがあるのと指紋の付きにくいマット加工が施されていることから、チープさはあまり感じられません。

EarFun Air Sのコスパの高さを感じさせるのはイヤホン本体のビルドクオリティで、売り出し価格7千円とは到底思えないほどのデザインと質感です。

EarFun Air S イヤホン本体

イヤホン本体はマットブラックですが、スティックの外側にブルー調のメタリック塗装が施されており、これが高級感を演出するアクセントになっています。

なお、EarFunの製品は単色展開が基本で、EarFun Air Sもブラック1色。

価格を下げるための割り切った戦略なんだと思いますが、これだけの製品ならAnkerのように女性向けのカラーリングを検討してほしいなと期待してしまいます。

EarFun Air Sの装着感

EarFun Air Sは比較的浅めの装着感で、スティック型ならではの着けやすさと装着安定性が感じられます。

EarFun Air S 装着感

カナル型イヤホンだと装着してからグリグリと耳の中で回転させる必要がありますが、スティック型はスティックの方向で装着位置がピタッと決まります。

しかも耳孔の奥までイヤーピースを挿入せず、耳に引っ掛けるような感覚で装着しますので、カナル型イヤホンは苦手というユーザーにも向いているでしょう。

ただし、浅めの装着感だけにイヤーピースのサイズ選びが重要で、小さすぎるとノイキャンの効きや低音の音質の低下を、大きすぎるとせっかくの装着感が犠牲になってしまいます。

EarFun Air Sの付属イヤーピースはS/M/Lの3種類ですが、微妙に合わないと感じる場合は市販のイヤーピースを試してみましょう。

EarFun Air Sの音質と通話品質

EarFun Air Sの音質と通話品質をチェックしていきましょう。

EarFun Air Sの音質

EarFun Air Sは若干低音強めながら、その低音も締まりのないボアついた感じはありませんし、ボーカルやギターを喰ってしまうような音質ではないですね。

グルーブ感があってノリの良い低音を土台に、ピッと背筋の伸びたキレの良いボーカルが楽しめるようなサウンドだと思います。。

いっぽうでピアノやクラッシュシンバルなど高い音になるほど、音の輪郭がぼやける感覚があり、音が鳴った瞬間にその楽器が1歩前に出てきてしまうように感じます。

基本的に高音域は一歩後ろに下がった控えめな音質なんですが、高音域の楽器がアクセントを加えるようなシーンで必要以上に音が強調されるとでもいいましょうか。

低音~中音にかけては楽器とボーカルがお互いを引き立てあっているような調和の良いサウンドなんですが、個人的には高音域だけがたまに分離したように聴こえるんですよね。

EarFun Air Sの音質をグラフで表すと以下の通りですが、曲の所々で高音が前に出てくるところが耳に残って高音域が強いと感じるユーザーもいるかもしれません。

EarFun Air S 音質

また、EarFun Air Sは高音の伸びが良いイヤホンではなく、そのせいか音場もそれほど広くはありません。

したがって、女性ボーカルやバラード、クラシックなどより、男性ボーカル、音楽ジャンルはDMやヒップホップ、クラブミュージックなどと相性の良いイヤホンだと思います。

 

 

EarFun Air Sのマイク性能

EarFun Air Sの製品ホームページを確認しても、通話に関して特別な技術が盛り込まれているよな記載は見あたりません。

Qualcomm®cVc™という記載がありますが、これはBluetooth通信にクアルコムのSoCを使っている製品には全て搭載されている技術。

こうなると通話品質にはあまり期待できないかな…などと思いながらマイクテストを実施してみましたが、いい意味で裏切られた結果となりました。

マイクテストは着席率6割程度の夕方のカフェ、BGMも流れている状況で実施しました。

マイクテストの結果、自分の声がまるでマイクの近くで話しているようにハッキリと聴こえることがおわかりになるかと思います。

周辺ノイズもBGM以外はあまり気にならないくらいに抑制されていて、Qualcomm®cVc™のみでここまで通話品質が優秀なイヤホンは初めてのように思います。

EarFun Air S 通話レベル

これなら自宅でのテレワーク時に使っても何ら問題ありませんし、オフィスの自席でリモートミーティングに参加しても自分の声が相手に聞こえにくいということもないでしょう。

なお、より通話性能の高いイヤホンが欲しいという場合は、以下の記事で通話品質の高い製品をご紹介していますので参考にして頂ければと思います。

ワイヤレスイヤホン通話品質ランキング16選|2022年上半期2022年上半期、通話品質で選ぶ完全ワイヤレスイヤホンのランキングをご紹介します。通話品質を優先してランキングしていますが、音質や機能面も解説し、総合的に満足度の高い製品だけをピックアップしています。...

EarFun Air SのANCと外音取り込み性能

EarFun Air Sのアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み性能をチェックしていきましょう。

EarFun Air SのANC性能

EarFun Air SのANCは低域ノイズにはしっかり効く印象で、電車内の走行音や室内の空調などモーター音はそれなりにカットしてくれます。

製品ホームページには最大30dBのノイズキャンセリングと表記されていますので、やはり中の上くらいのノイキャン性能だといえるでしょう。

人の話し声などの高域ノイズにもある程度の効果は認められますが、少し聞こえにくいかな?という程度で、電車内のアナウンスなどは何を言っているかわかるレベルですね。

ANCへはイヤホン本体の操作かアプリ画面から切り替えることができますが、残念ながらノイキャン強度を調整する機能は備わっていません。

EarFun Air S ノイズキャンセリング

EarFunは低価格ながらノイキャン性能が高い機種もあることから、EarFun Air SもANC強めかなと思っていたんですが、それほどではなかったなという印象です。

ただし、驚くべきはこの価格でこれほどのノイキャン性能を搭載することができるコストパフォーマンスの高さで、同価格帯製品の中では間違いなくトップクラスのANC性能です。

なお、EarFunには最大40dBまでノイズを低減してくれる「EarFun Free Pro 2」と「EarFun Air Pro SV」という機種があります。

多少価格は上がりますが、より強いノイキャン性能のイヤホンが欲しいという方には、これらの機種をおススメします。

EarFun Free Pro 2 レビュー|低価格ノイキャン機ならこれ!EarFun Free Pro 2は1万円を切る低価格ながらハイブリッドノイズキャンセリングを搭載し、-40dBという強力なANCを実現しています。また、ビジネスでも利用可能な通話品質と中音域に厚みのある音質を備えており、かなりコスパの高い完全ワイヤレスイヤホンです。...
EarFun Air Pro SV|1万円以下最強のイヤホンでは?EarFun Air Pro SVは1万円を切る価格ながら、最大-40dBまでノイズを抑制するハイブリッドANCを搭載しています。6マイク搭載により通話品質のレベルも高く、動画を観たり通話メインのユーザーにはおススメしたい製品です。...

EarFun Air Sの外音取り込み性能

EarFun Air Sの外音取り込みはかなり自然に近い音質で、中高音域だけが不自然に増幅されたように聴こえる感じはほとんどありません。

イヤホンを着けていることを忘れるというほどの解放感は無いものの、EarFun Air Sの価格を考慮すれば十分すぎる性能だと思います。

外音取り込みモードへはイヤホン本体の操作かアプリ画面から切り替えることができますが、こちらもノイキャン同様、残念ながら強度調整機能は備わっていません。

EarFun Air S 外音取り込み

EarFun Air Sの専用アプリ

EarFun Air Sは専用アプリに対応していて、イヤホンのカスタマイズやモード変更ができるようになっています。

EarFun Air Sアプリホーム画面とメニュー

EarFun Air Sは専用アプリ「EarFun Audio」に対応していて、多機能とはいえないものの必要最低限のメニューはそろっているという印象です。

EarFun Audio

EarFun Audio

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アプリトップ画面は以下の通りで、画面下に表示されているメニューアイコン、もしくは画面右上の歯車でメニューを開いて操作していくようなデザインです。

EarFun Air S アプリトップ画面

使い勝手が良いなと思った点は、モード変更が全てアプリホーム画面でワンタップで行えるところですね。

ノイキャンON/OFF、外音取り込みモード、遅延を最小0.1秒まで抑えるゲームモードへの切り替えが全てワンタップで行えます。

ロウル
ロウル
ゲームモードが搭載されていますが、AAC接続で動画を観くらべてみたものの個人的にはあまり差が感じられませんでした。そもそもEarFun Air Sは通常モードでもそれほど遅延を感じないので、動画を観る程度なら遅延についてはあまり気にしなくても大丈夫でしょう。

EarFun Air Sのイコライザー

EarFun Air Sの専用アプリEarFun Audioには、3バンドイコライザーが用意されています。

イコライザーは完全カスタムと4種類のプリセットイコライザーとなっていて、カスタムイコライザーは±10段階での調整が可能です。

EarFun Air S カスタムイコライザー

4種類のプリセットは低音・高音強調とその逆のチューニングしか用意されていないので、ボーカルだけ強調したいユーザーはMidを+方向にスライドさせるかBassとTrebleを-調整しましょう。

EarFun Air S プリセットイコライザー

イコライザーを色々といじってみて感じたのは、音質の変化があまり大きくないということで、体感的に±5dBくらいかなという印象です。

そのため各音域の調整幅を±10段階と表記させて頂きました。

EarFun Air Sの操作カスタマイズ

EarFun Air Sは、イヤホン本体のスティック部分をタッチすることにより操作することができるようになっています。

デフォルトの操作は以下の表の通り割り当てられていますが、専用アプリからカスタマイズすることも可能です。

動作
音楽1回押し音量を下げる音量を上げる
2回押し再生/停止
3回押しゲームモード ON/OFF次の曲にスキップ
長押し(2秒)ノイズキャンセリング ⇒ 外音取り込み ⇒ ノーマル音声アシスタント起動
通話2回押し電話を受ける/切る
長押し(2秒)電話を受けるまたは2つの通話を切り替える
3回押し両方のBluetooth機器間通話を切り替える

タッチコントロールのカスタマイズは、アプリトップ画面右上の歯車をタップして、メニューの中から「Customize Controls」を選択します。

EarFun Air S カスタマイズメニュー

タッチコントロールは完全カスタマイズができるわけではなく、イヤホン左右それぞれの3回タップと長押しをドロップダウンリストの操作に変更できるというものです。

EarFun Air S コントロールカスタマイズ

通話操作の変更ができないという残念な点もありますが、価格面を考えるとこれでも十分満足できる仕上がりではないかと思います。

EarFun Air Sの機能

EarFun Air Sの便利な機能についてチェックしていきましょう。

EarFun Air Sはマルチポイント対応

EarFun Air Sは2台のデバイスに同時接続ができるマルチポイントに対応しています。

EarFun Air S マルチポイント

このマルチポイントは、仕事とプライベートのスマホ2台持ち、イヤホンをスマホだけではなくパソコンやタブレットにも接続して使いたいと考えているユーザーには、とても便利な機能なんです。

たとえばプライベートのスマホで音楽を聴いている時に、仕事で使っているスマホに着信があったとします。

マルチポイント非対応のイヤホンだと、いったんプライベートスマホとの接続を切断してから仕事用のスマホにペアリングしなおさないと着信に応答することはできません。

しかし、EarFun Air Sのようなマルチポイント対応イヤホンは2台同時にペアリングされている状態なので、切断→再ペアリングすることなく着信応答することができるんです。

マルチポイントは一度体験してしまうと絶対外せないと感じるほど便利な機能なので、イヤホンを複数デバイスに接続して使いたいというユーザーにはおススメですよ。

EarFun Air Sはワイヤレス充電に対応

EarFun Air SはQi規格のワイヤレス充電に対応しています。

EarFun Air S ワイヤレス充電

EarFun Air SはMagSafe充電器には対応していません。

ワイヤレスの場合、充電時間が3.5時間とUSB Type-Cでの充電の1.5倍の時間がかかりますが、充電器の上に置くだけでチャージできるので時間の長さはあまり気になりませんね。

マルチポイントと同じく、ワイヤレス充電も一度使うと後戻りできない便利さがあります。

7千円という売出価格でマルチポイントとワイヤレス充電に対応しているというのは、EarFun Air Sの大きなメリットだと思います。

 

 

EarFun Air Sのレビューまとめ

それでは最後にEarFun Air Sの総合評価を表にまとめてみましょう。

評価項目ImpressionScore
通話品質オフィスなどでビジネスにも使用可能4.6
低音ほどよい量感で曲全体と調和した音質4.7
中音ボーカルをメインにグッと前に出てくる印象4.6
高音クラッシュシンバルなどが前に出すぎる感あり4.0
ANC性能低域ノイズは抑制されるが高域への効果は薄い4.3
外音取込み実用性十分の自然な音質4.7
アプリ機能必要最低限だがシンプルで使いやすい4.5
機能加点マルチポイントに対応5.0
総 合 評 価4.6

EarFun Air Sは、売出価格7千円とは思えないほどコスパの高いイヤホンです。

まずなんといってもマルチポイントが搭載されていることが大きなメリットで、この価格帯としては貴重な存在でしょう。

また、ANCや外音取り込み、専用アプリなど、マルチポイント以外にもユーザーが欲しいと感じる機能はほぼ搭載されています。

また、高音のチューニングは若干気になるものの価格を考えると十分に満足できる音質、テレワークにも使うことができる通話品質も備えています。

製品自体もビルドクオリティの高さを感じさせてくれる仕上がりですし、2022年度のコスパ高イヤホンランキングでは確実に上位に入ってくる実力を備えた製品だと感じました。

マルチポイント搭載ということと通話品質の高さを考えると、ビジネス用に低価格で使い勝手の良いイヤホンを探しているユーザーにおススメしたいイヤホンですね。