JBL Live Free 2は、Club Pro+とLive Free NC+が生産終了となることに伴い、エントリーノイキャンモデルとして2022年4月1日にリリースされるTWSです。
JBLの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルはTour Pro+で、Live Free 2はその下位モデルにあたるということですね。
しかし、今回のJBLはその下位モデルへの気合の入れようがハンパなくて、Live Free 2は2022年の1万円台の完全ワイヤレスイヤホンのベストバイになるのではなかろうかという完成度なんです。
JBLらしい躍動感にあふれる音質と高い通話品質、そしてアクティブノイズキャンセリング性能も高く、2種類のアンビエントモードを搭載するなど基本性能がとても高い。
加えてLive Free 2はマルチポイントやワイヤレス充電にも対応しているので、1万円中盤の完全ワイヤレスイヤホンとしては死角がない製品に仕上がっています。
デザインはオーバルシェイプの採用、カラーリングはトーンオントーンとこれまでどこか無骨だったJBLのイヤホンが新しいブランドになったかのように大きく変化しています。
発売は2020年4月1日ですが一世を風靡したClub Pro+同様に、リリース即売切れとなりそうな予感がします。

Contents
JBL Live Free 2の通話品質と音質
JBL Live Free 2の通話品質と音質をまずはチェックしていきましょう。
JBL Live Free 2の通話品質
JBL Live Free 2は、片側3つ×2の合計6つのビームフォーミングマイクが搭載されています。
6つのマイクが全て声を拾うのではなく、1つは周辺ノイズのカット、もう1つは風切り音をカットする役割で、音声用マイクは1つとなっているようですね。
JBLの完全ワイヤレスイヤホンのマイク性能は比較的高く、とくにフラッグシップモデルのTour Pro+は2021年に発表された製品のなかでも個人的には上位だと評価しています。
Live Free 2の実力の程はどの程度かな?とワクワクしながら今回のマイクテストを実施してみました。
マイクテストは家電量販店の試聴機を使って行っており、店舗内ということで別の製品PRのプロモーションビデオが流れていたり、そこそこざわついた環境でした。
【JBL Live Free 2 通話品質】
マイクテストを行っていた時は、プロモーションビデオの音楽が大きく入りすぎてブログにアップできないかと思っていたんですが、歌声以外のメロディは相当カットされています。
周囲で会話をしている人の声も多少混入していますがこれも気になるほどではなく、なによりザワザワといった周辺ノイズはほとんど気になりません。

自宅はもちろん、オフィスにいる時もリモートミーティングに使うことができるレベルでしょう。
いっぽうで周辺ノイズが大きいほど全体的にエコーがかったような聴こえ方をするので、混雑しているカフェなどでのビジネス通話は控えたほうが良さそうです。
驚くべきは、これだけ高い通話品質の完全ワイヤレスイヤホンなのに1万円台中盤で手に入れられるということ。
この価格なら、これからビジネス通話が必要になる就職活動中の学生さんや新入社員でも少し無理をすれば購入できるのではないでしょうか。
Live Free 2くらいの通話品質なら、学生さんや新入社員でも胸を張ってビジネスシーンに参加できること間違いなしです。
JBL Live Free 2は「新生活に向けて通話品質の高い完全ワイヤレスイヤホンを用意したい」と考えている方には非常におススメだと思います。
JBL Live Free 2の音質
JBL Live Free 2は「Live」の名が冠されているだけあって、ジャンルを問わずに音楽を楽しく聴くことができる明るく元気なライブサウンドを表現していると感じました。
一聴すると「低音重視かな?」と思えるのですが、よく聴くと躍動感のある低音とクリアで分離感の高いボーカルが融合して活き活きとした存在感があるフラットな音質であることに気付かされます。
高音の繊細さを楽しむという音質ではなく、明るく元気なJBLサウンドという印象で、Club Pro+に近いノリの良さを感じます。

そういった意味では、より繊細に音楽を楽しみたいというユーザーは、フラッグシップモデルのTour Pro+を選択すると良いでしょう。
さて、ここまではLive Free 2をデフォルトで聴いた印象をお伝えしましたが、Live Free 2はイコライザーのカスタマイズ性が高いのも大きなメリットとなっています。
Live Free 2のイコライザーは、専用アプリ「JBL Headphones」に用意されています。
イコライザーには、5種類のプリセットとマイEQと呼ばれる完全カスタマイズも用意されていて。マイEQはかなり細かく調整することができるようになっています。
5種類のプリセットは以下の画像の通り「JAZZ」「VOCAL」「BASS」「CLUB」「STUDIO」で、それぞれかなりサウンドの雰囲気が変わるので楽しいですね。

これらプリセットを参考にしてマイEQで完全カスタマイズをすると、自分好みの音質を創り出すことができると思います。
ちなみにマイEQですが、ほんとうに細かい調整が可能で、下の画像より調整ポイントを増やしたりポイントを上下だけでなく横に動かしたりすることもできるようになっています。

実際にいじってみた感想としては、かなり激しい調整でも音崩れすることはなさそうですので、あれこれ試してみる楽しさがありますね。
なお、音場はそれほど広くは感じられないものの、同価格帯のなかでは十分なレベルだと思います。
通話品質でも触れましたが、1万円中盤という価格でデフォルトの音質・イコライザー性能など「聴く」という面でも満足のいくクオリティだと思います。
JBL Live Free 2のANCと外音取り込み性能
JBL Live Free 2のアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み性能を確認していきましょう。
JBL Live Free 2のANC性能
JBL Live Free 2はハイブリッドアクティブノイズキャンセリング技術を搭載した製品です。
ハイブリッドアクティブノイズキャンセリングは、フィードフォワード方式とフィードバック方式の両方のANCを組み合わせたもので、高いノイキャン性能が実現可能な技術のこと。
【フィードフォワード方式】
ヘッドホン外側のマイクでノイズを集音し、それと逆位相の音波をぶつけてノイズを消す技術
【フィードバック方式】
イヤホン内側にマイクを配置して本来の再生音と外部からのノイズ両方を集音し、その逆位相の音波をぶつけていったん全ての音を消してから再生音だけを流す技術
実際にANC ONにするとかなり強力なノイキャン性能で、低域ノイズにはしっかり効いてくれます。
AirPods ProやWF-1000XM4ともそれほど差が無いように感じますので、通勤通学で電車やバスの中で使っても不満を感じることはないでしょう。
なお、Live Free 2にはノイキャン強度を周辺ノイズに合わせてリアルタイム補正してくれる、アダプティブノイズキャンセリーと呼ばれる機能が搭載されています。

設定方法は専用アプリ「JBL Headphones」のホーム画面の「ノイズキャンセリングをカスタマイズする」をタップし、アダプティブノイズキャンセリーをONにするだけ。
ちなみに、このアダプティブノイズキャンセリーをOFFにすると、自らノイキャンレベルを7段階で調整することもできます。
個人的には手動でノイキャンレベルを調整することはあまりないので、アダプティブノイズキャンセリー任せでレベル調整してもらう使い方がベストだなと思います。
なお、JBL Live Free 2も含めて、ノイズキャンセリング機能が優秀なイヤホンのランキング記事もありますので、よろしければご覧下さい。
JBL Live Free 2の外音取り込み性能
JBL Live Free 2には「アンビエントアウェア」と「トークスルー」という2つの外音取り込みモードが搭載されています。
アンビエントアウェアは、再生しているコンテンツの音量はそのままにして周囲の音を取り込む「ながら聴き」の機能で、周囲の音をどの程度取り込むかをアプリで調整することができます。
いっぽうトークスルーは、再生しているコンテンツの音量を20%まで下げて周囲の音を取り込む「会話重視」の機能で、こちらのモードは外音取り込み量の調整はできません。

実際に使ってみると、アンビエントアウェアは外音取り込みレベルを上げるとかなり機械的な音に聴こえるので、まさに取り込みレベルを下げてながら聴きで使う感じですね。
いっぽうのトークスルーは、再生コンテンツのボリュームが下がっているからなのか、外音がより自然な音に聴こえるので、コミュニケーションが必要なシーンではこちらを選択すべきでしょう。
利用シーンに応じてアンビエントアウェアとトークスルーの2種類の外音取り込みモードを選択できるというのは、Live Free 2の大きなメリットだと感じます。
JBL Live Free 2の外観と装着感
JBL Live Free 2の充電ケースやイヤホン本体の外観、装着感などについてみていきましょう。
JBL Live Free 2の本体と充電ケース
JBL Live Free 2は、その形状やカラーリングなどに新しい試みが取り入れられています。
まず充電ケースですが、これまでのJBLのどこか無骨なイメージとはうってかわって、コンパクトで女性にも好まれそうなデザインになっています。
下の画像は数量限定色のローズですが、メタリック調のベースにトーンオントーンのカラーリングからは高級感が感じられます。

ケース裏蓋には持ち運び時にも本体が浮いてこないようようシリコンシタビライザーを搭載するなど、機能面もよく考えられたつくりになっているのもうれしいところ。
イヤホン本体は、JBLが開発した「デュアル・オーバルシェイプデザイン」と呼ばれる内耳の内側にフィットしやすい形状が採用されています。
タッチセンサー部はNCVM(非伝導性真空蒸着)という技術により、ガラスのような透明感のあるデザインとなっており、これまでのJBLとは大きな変化が感じられます。

ステムの先端は楕円形になっていることから付属のイヤーピースも楕円形で、イヤホン本体に装着しやすいよう2カ所に切り込みが入っています。
ただ、Bose QuietComfort Earbudsに比べると真円に近い楕円形なので、市販のイヤーピースも装着できそうに思います。
カラーバリエーションはブラック、シルバーブルー、ローズ(台数限定)の4色で、いずれのカラーもトーンオントーンと呼ばれる同色系でまとめられています。

春らしいローズは台数限定なので、春から新社会人になる彼女やお子さんにプレゼントすれば喜んでもらえるかもしれませんね。
JBL Live Free 2の装着感
JBL Live Free 2は、片側5gを切る軽さと小さなボディのおかげで圧迫感の無い軽い装着感になっており、それでいて耳との密着感もかなり高いイヤホンです。

耳との密着感が高い完全ワイヤレスイヤホンとしてはJabra Elite7 Activeなど新しいEliteシリーズがあげられますが、Live Free 2はそこまでの域には達していません。
しかし、密着度と遮音性はかなり高く、耳から浮いてしまうといった感覚はありませんね。
また、軽さとオーバルデザインのおかげで長時間装着しても耳に痛みを感じることもなさそうですので、これもLive Free 2の大きなメリットだと思います。
JBL Live Free 2の操作性と機能について
JBL Live Free 2の操作性や、搭載されている様々な機能についてチェックしていきましょう。
JBL Live Free 2の操作性
JBL Live Free 2は、イヤホン本体のタッチセンサーで操作をすることが可能です。
デフォルトの操作は以下の表の通りですが、専用アプリ「JBL Headphones」でカスタマイズができるようになっています。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 1回タッチ | ANC または アンビエントアウェア有効/無効 | 音楽再生/停止 |
| 2回タッチ | トークスルーの有効/無効 | 次の曲にスキップ | |
| 3回タッチ | - | 曲の先頭に戻る | |
| 長押し | ボイスアシスタント起動 | ||
| 通話 | 2回タッチ | 受話/終話 | |
| 長押し | マイクミュート | ||
| 1回タッチ+長押し | マイクミュート解除 | ||
タッチセンサーのカスタマイズは、タッチ操作メニューから行います。

操作のカスタマイズのvをタップすると「アンビエントサウンドの操作」「音量の操作」「再生&音声アシスタントの操作」「なし」が選択できます。
残念ながらそれぞれの操作はタップ回数ごとに出来ることが決まっていて、タッチセンサーの完全カスタマイズができるわけではありません。
したがって、右と左に4種類のどの操作を割当てるかを選択するという、制限付きのカスタマイズということになります。

自分なら左に「アンビエントサウンドの操作」、右に「」再生&音声アシスタントの操作を割当てて、音量はスマホで操作でしょうかね。
Live Free 2はアンビエントサウンドの種類が多いので仕方ないのかもしれませんが、せっかく多機能を搭載しているのでカスタマイズ性をもう少し高くして欲しかったと感じます。
Live Free 2はマルチポイントに対応
JBL Live Free 2は、同時に2台のデバイスに接続しておくことができるマルチポイントに対応しています。
この機能はほんとうに便利で、スマホ2台、スマホとパソコン、スマホとDAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)など、利用シーンに応じて異なる2台のデバイスを同時に接続することができるんです。

たとえばプライベートスマホと仕事用のスマホ2台に同時接続しておけば、プライベートスマホで音楽を聴いている時に会社のスマホに電話がかかってきたら、イヤホンを操作するだけで電話に出ることができます。
電話に出ると音楽が自動で止まり、電話を切ると音楽が自動的に再生されるので、いちいちスマホを操作する必要がないというのもメリットの1つです。
このマルチポイントは一度お世話になると後戻りできないくらい便利な機能で、個人的には忙しいビジネスパーソンには必須の機能だと感じています。
複数のデバイスにイヤホンを接続して使っているユーザーには、Live Free 2はおススメなイヤホンだと思いますよ。
JBL Live Free2はボイスアウェア機能を搭載
JBL Live Free 2は通話をしている時に、自分の声を聞くことができるボイスアウェアという機能を搭載しています。
完全ワイヤレスイヤホンは遮音性が高いので自分の声の大きさがわからず、ついつい大きな声で通話をしてしまいがちになります。
かく言う自分も完全ワイヤレスイヤホンを使い始めた頃は、かなり大きな声で通話をしていたという黒歴史が…。
まぁ悪気があるわけではないので仕方ありませんが、できればこのようなことがないよう自分では気を付けたいものですよね。
そういった意味でこのボイスアウェアは地味にありがたい機能で、知らないうちに恥ずかしい思いをすることを回避してくれるのです。
オートプレイ/オートポーズ機能
JBL Live Free 2は、片方のイヤホンを耳から外すと自動的に再生コンテンツを停止し、外したイヤホンを装着すると止まっていたコンテンツを再生してくれるオートプレイ/オートポーズ機能が搭載されています。
Live Free 2にはトークスルー機能が搭載されているので、オートプレイ/オートポーズは必要ないように思うかもしれませんが、やはりこの機能はあったほうが便利です。
急に話しかけられた時や車内アナウンスが流れた時など、周囲の音をとっさに聞きたいと思った時はイヤホンを耳から外すのが一番手っ取り早いんですよね。
とっさのときはやっぱりイヤホンを耳から外そうとするので、オートプレイ/オートポーズ機能があるイヤホンのほうが使い勝手が良いというのは間違いありません。
Qi規格のワイヤレス充電に対応
Live Free 2はQi規格のワイヤレス充電に対応しています。
ワイヤレス充電の場合、空の状態から満充電まで約4時間とUSB-Cケーブルでの充電の2倍の時間がかかりますが、充電器に置くだけでいいのであまり気にならないでしょう。
充電のたびにケーブルを抜き差しするのって結構面倒なので、ワイヤレス充電も使い勝手の面からは大きなメリットだといえるでしょう。
JBL Live Free 2のレビューまとめ
それでは最後にJBL Live Free 2の総合評価と、良い点・改善してほしい点を整理してみましょう。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | ビジネスにも積極的に使えるレベル | 4.6 |
| 低音 | 躍動感のあるパワフルな低音 | 4.5 |
| 中音 | 存在感がありクリアなボーカル | 4.6 |
| 高音 | 量感は十分だが繊細さに欠ける | 4.3 |
| ANC | かなり強力なANC性能 | 4.7 |
| 外音取込み | 2種類のアンビエントアウェア | 4.6 |
| アプリ機能 | スッキリして使いやすいデザイン | 4.5 |
| 機能加点 | アダプティブノイズキャンセリー | 5.0 |
| 機能加点 | マルチポイントに対応 | 5.0 |
| 機能加点 | ボイスアウェア機能を搭載 | 5.0 |
| 総合評価 | 4.7 | |
✓ビジネスシーンでも使用可能な通話品質
✓自分の通話音声を確認することが可能
✓躍動感あふれる活き活きとした音質
✓イコライザーのカスタマイズ性能の高さ
✓ANC性能は最高レベルに近い出来栄え
✓周辺ノイズに合わせてANC強度を自動調整
✓2種類のアンビエントアウェアを搭載
✓コンパクトでデザイン性の高い外観
✓軽く密着度の高い装着感
✓マルチポイントに対応
✓オートプレイ/オートポーズ機能搭載
✓Qi規格のワイヤレス充電に対応
✓タッチセンサーカスタマイズの自由度が乏しい
JBL Live Free2は、Club Pro+とLive Free NC+を統合したJBLの新たなエントリーノイズキャンセリングモデルとしてリリースされた完全ワイヤレスイヤホンです。
しかし、エントリーノイズキャンセリングモデルとは思えないほどの高いANC性能を備えているばかりでなく、周辺ノイズに合わせて自動でノイキャンレベルを調整してくれるアダプティブノイズキャンセリー機能まで搭載しています。
また、Live Free 2の6マイクによる高い通話品質はビジネスシーンでも積極的に使えるレベルに仕上がっており、マイク性能の高いワイヤレスイヤホンを望むユーザーにもおススメです。
音質に関しても、Club Pro+を踏襲したような躍動感にあふれるライブサウンドが持ち味で、カスタムイコライザーの自由度も高いためどんなジャンルの音楽も楽しめるでしょう。
そのほか、マルチポイントやワイヤレス充電に対応するなど欲しい機能は全て揃っており、正直この製品が1万円台中盤でリリースされることには驚かされました。
Live Free 2はCSE2022でも発表されたJBLの戦略製品であり、相当力を入れている製品であることは間違いありません。
実際に今回Live Free 2の実機を使って感じたことは「これは売れるな…数量限定のローズは発売即完売かも」というもので、2022年の名機として語り継がれる存在になるのではないかとさえ思っています。
1万円台で音質・通話品質・ANC性能に満足できる完全ワイヤレスイヤホンとして、JBL Live Free 2は自信をもっておススメできる製品です。
















