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JVC HA-XC72T レビュー|コンパクトなのに迫力の重低音

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JVC HA-XC72Tは、XXシリーズの重低音とタフさというコンセプトをコンパクトボディで実現し、ANCと外音取り込み機能まで搭載したコスパ高いモデルです。

JVCのXXというと硬派で無骨なイメージで、これまでカッコいいけど大きいんだよなぁなんて思って、正直なところ少しばかり遠くから眺めているだけでした。

しかし、HA-XC72Tは大幅な小型化と軽量化がはかられ、XXテイストのデザインはそのままに本体はもとより充電ケースも非常にコンパクトになりました。

価格も1万円台中盤と比較的手に取りやすいことから「これは試してみるしかない!」ということで今回レビューすることにした次第です。

結論から先に申し上げると、このくらいの価格帯で重低音寄りの完全ワイヤレスイヤホンが欲しいと考えているユーザーにはおススメできる1台です。

音質だけでなく遮音性や通話品質、機能面なども含めて使ってみると良い買い物をしたなと思えるイヤホンだと思います。

そう感じた理由をレビューを通じてお伝えしてゆきますので、時間があればご一読願います。

JVC HA-XC72T スペック
MOMENTUM True Wireless 3 良い点とイマイチな点

【良い点】
さすがXXシリーズと思わせる迫力と分離感のある重低音
充電ケース、イヤホン本体ともに女性でも大きさを感じないコンパクトさ
テレワークにも積極的に使える高い通話品質
外音取り込みモードの音質の自然さ
アウトドアでも積極的に使えるIP55相当の防塵防水性能
映像と音声のずれを抑える低遅延モードを搭載

【イマイチな点】
マルチポイント非対応
専用アプリ無し

 

 

JVC HA-XC72Tのデザインと装着感

JVC HA-XC72Tのイヤホン本体や充電ケースのデザインと装着感についてみていきましょう。

HA-XC72Tのイヤホン本体と充電ケース

HA-XC72TはANCを搭載したにもかかわらず、2021年に発売されたXXシリーズ「HA-XC51T」に比べ大幅な小型化・軽量化を実現。

サイズは充電ケースで-36%、イヤホン本体で-23%の小型化、重量は同じく充電ケースで-32%、イヤホン本体で-17%ほど軽量化されています。

また、XXシリーズらしいタフさを感じさせるブラックを基調とした硬派なデザインも健在です。

JVC HA-XC72T 充電ケース

レビュー画像の本体カラーはレッドですが、上蓋のXX(XTREME XPLOSIVE)のロゴはイヤホン本体のカラーにかかわらず共通デザインが採用されています。

充電ケースは残念ながらワイヤレス充電には対応していないので、背面のポートからUSB-Cケーブルで充電することになります。

JVC HA-XC72T 充電ケース 表裏

イヤホン本体は手にすると本当に小さいなと感じるコンパクトさですが、フェイスプレートが凝ったデザインになっているので重厚な質感が感じられます。

また、XXシリーズということでタフに日常使いができるよう、フェイスプレートは衝撃からイヤホンを守るラバープロテクターで保護されています。

JVC HA-XC72T イヤホン本体

カラーバリエーションはブラックとレッドの2色で、本体フェイスプレートにレッドのワンポイントが入ってるかどうかの違いのみで充電ケースは全く同じデザイン。

個人的にはホワイトがあったらカッコいいんじゃないかと思っていて、ゲレンデバージョンなんて限定品が出ないかなとひそかに期待しています(勝手な妄想です)。

JVC HA-XC72T カラーバリエーション
 

 

HA-XC72Tの装着感

JVC HA-XC72T 装着感画像出典:https://www.jvc.com/jp/headphone/lineup/ha-xc72t/ より

HA-XC72Tは軽く小さなイヤホンなので装着時の圧迫感はありませんが、イヤーピースをしっかり耳に差し込んで固定する必要があります

イヤホン本体の形状が比較的ストレートなので、実際装着してみるとロゴが水平になる角度がベストポジションというわけではなく、個人差がありそうな感じです。

新開発された遮音性に優れたイヤーピースが3種類(S/M/L)付属しているので、しっかり耳に合うサイズを選んで装着するようにしましょう。

自分に合うイヤーピースを選択できれば、HA-XC72Tの重低音や遮音性といったポテンシャルを最大限に引き出すことができるはずです。

もし、装着安定性が悪かったり重低音がそれほど感じられないと思ったら、それは明らかにイヤーピースのサイズが合っていないということ

もし付属のイヤーピースのサイズに違和感を感じるなら、JVCのSpiral DotもしくはSpiral Dot++を試してみることをおススメします。

これらイヤーピースは、MLやMSといった中間サイズがあるのと、低音を損なうことなくクリアなサウンドを実現してくれるはずです。

 

 

 

 

JVC HA-XC72Tの通話品質と音質

JVC HA-XC72Tの音質と通話品質をチェックしていきましょう。

HA-XC72Tの音質

HA-XC72Tを実際に聴いてみると、XXシリーズらしいタイトで躍動感のある重点音につられて自分からリズムを取ってしまうような楽しさがあります。

また、音場が広めなことから重低音に包み込まれているような感覚があり、没入感が高いのも大きな特徴でしょう。

迫力のある重低音なんですが、攻撃的すぎないというか上品というか、中~高域を邪魔することのない上質な低音という感じなんですよね。

そういった意味では、HA-XC72Tを長時間使っても重低音にやられて聴き疲れするなんてことはないと思います。

ボーカルが近くに感じられるのもHA-XC72Tの特長で、目の裏くらいの位置で歌われているような感覚とでもいいましょうか、前にグッと出てきますね。

ギターなどの中域のメロディーも尖りすぎないクリアな音質で、EDMやクラブミュージック、HipHopをはじめ、ポップスやアニソンも楽しく聴くことが出来そうです。

高音は出しゃばり過ぎないおとなしめの印象ですが音が出ていないというわけではなく、主役は低域~中域でそれに花を添えるという鳴りかた。

HA-XC72Tの音質を図に表すと以下の通りで、重低音がどっしりとした土台になっていて、その上に中高音がピラミッド型に載っているといった印象です。

JVC HA-XC72T 音質

なお、HA-XC72Tは左側イヤホン本体のタッチセンサーを1秒間長押しするとバスブーストのON/OFFを切り替えることができます

バスブーストOFFでも気持ち重低音~低音が強めではあるんですが、このイヤホンの真骨頂はやはりバスブースト ONでの低域の豊かさだと思います。

聴く曲にもよりますが、気分を上げたいときなどはバスブースト ONがおススメですよ。

HA-XC72Tのマイク性能

HA-XC72Tにはハンズフリー通話機能が搭載されているので、イヤホンを通話用マイクとして使うことができます。

重低音とタフさが前面に出ているモデルなので、通話品質は標準的かなぁと思いながら通話テストを実施しましたが、予想に反してかなりレベルが高い結果となりました。

通話テストは夕方のカフェ、着席率7割程度でBGMも流れている厳しい環境下で実施しています。

通話テストを聴いていただくと、まず自分の声がはっきりと、しかも柔らかく聴こえるということがお分かりいただけると思います。

少し前にレビューをしたビクター HA A30Tの音質に似ていおり、JVCケンウッド製のイヤホンのマイク音質は「はっきりしていて柔らかい」傾向なのかもしれません。

ビクター HA-A30Tレビュー|迫力ある低音とクリアボーカルが魅力Victor HA-A30Tは1万円を切る価格ながら、ノイキャンや外音取込み、低遅延モードなどを搭載し、迫力のある低音と美しいボーカルが楽しめる製品です。エントリーモデルながら、Victorブランドを冠するだけの音質・機能を備え、ワンランク上のクラスとも互角に戦えるモデルとなっています。...

周辺ノイズもBGMを含めて混入してはいるものの、自分の声へのフォーカス度合いが高いためそれほど不快な感じはありません

この通話品質なら自宅でのテレワークはもちろん、オフィスの自席からリモートミーティングに参加しても問題ないでしょう。

JVC HA-XC72T 通話品質

なお、HA-XC72Tは通話中に左イヤホンのタッチセンサーを1回タップするとマイクミュートになり、もう1回タップすると通話可能状態に戻すことができます

また、どちらか片方のみ使って通話することも可能で、その場合は使用しているイヤホンのタッチセンサーを1回タップすればマイクミュートになるように制御されています。

両方のイヤホンを使うと声が大きくなりがちですし、通話はバッテリーを消費するのでリモートミーティングが続くときなどはやはり片側だけで使えたほうが圧倒的に便利。

HA-XC72Tはタフなデザインでありながら、ビジネスでも十分に活躍してくれるポテンシャルを持ったイヤホンです。

JVC HA-XC72のTANCと外音取り込み性能

JVC HA-XC72Tのアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み性能をチェックしていきましょう。

HA-XC72TのANC性能

HA-XC72TのANCは中程度の効きで、低域ノイズにはしっかりと効果を感じるものの、中~高域ノイズまで強力に抑制できるほどの強さではありません

そのぶん、ノイキャンを使っている時に感じる鼓膜が押されるような独特のツンとした違和感はなく、ANC ONでの音質変化も無いので、強すぎるノイキャンは苦手というユーザーにはおススメですね。

装着感のところでも触れていますが、HA-XC72Tはイヤホンの形状がストレートなことからイヤーピースをしっかり耳に入れて固定する必要があります。

そのためHA-XC72Tは装着するだけで遮音性がかなり高く、個人的には街中やカフェくらいならANCは使わなくても良いんじゃないかと思っています。

とにかく強力なノイキャンと重低音が欲しいというならBOSE QuietComfortEarbudsが第一候補になりますが、なにせ価格が3万円前後と高額です。

HA-XC72Tはそもそも遮音性が高いことと、電車の走行音など低域ノイズには効果がありますから、少し頑張れば手が届く重低音イヤホンとしてはおススメできる1台だと思います。

HA-XC72Tの外音取り込み性能

HA-XC72Tの外音取り込み機能は「タッチ&トーク機能」という名称で、右イヤホンのタッチセンサーを1回タップしてON/OFFの切り替えを行います。

周囲の音はかなり自然に聞こえ、なんだかイヤホンに孔でもあいたような聞き取りやすさで、かなり優秀な外音取り込み性能です。

ANCをONにしている状態でもタッチ&トーク機能に切り替えることが可能で、この場合、機能をOFFにするとアクティブノイズキャンセリングモードに戻ります。

その時のモード状態とタッチ&トーク機能を行き来できる仕様になっているのは、ユーザビリティが十分考えられている証拠だと思いますね。

なお、タッチ&トーク機能をONにすると再生しているコンテンツの音量が自動的に下がる仕様になっていて、全く無音になるわけではありません。

専用アプリが用意されていないため、コンテンツを止めるには自分で再生停止の操作をしなければならないのは少し残念。

ただし、コンテンツを止めるのは左側イヤホンを1回タッチするだけなので、個人的にはそれほど不便には感じません。

JVC HA-XC72Tの機能

JVC HA-XC72Tの普段の使い勝手を良くする機能について確認していきましょう。

HA-XC72Tの操作性

HA-XC72Tはイヤホン本体のタッチセンサーでコンテンツの再生や通話などの操作ができるようになっています。

操作のしかたは以下の表の通りで、比較的左側のイヤホンに寄った設定になっています。

動作
音楽1回押し再生/停止タッチ&トーク機能 ON/OFF
2回押しボリュームダウン次の曲にスキップ
3回押しボリュームアップ前の曲に戻る
5回押し低遅延モード ON/OFF
長押しサウンドモード切替ANC ON/OFF
通話1回押し(着信時)通話の応答、(通話時)マイクミュート ON/OFF
長押し(通話時)通話終了/(着信時)着信拒否
5回押しイヤホンとスマホ単体での通話の切替え
その他4回押し音声アシスタント起動

HA-XC72Tには専用アプリが無いのでタッチ操作のカスタマイズができないため、慣れるまでは「あれ?どうするんだっけ」ということもあると思います。

また、比較的タッチセンサーの感度が良いので、タッチ1回に割り当てられている再生/停止やタッチ&トーク機能が起動してしまうことが最初のうちは起きやすいでしょう。

この辺りは慣れで解消してくるものですが、イヤホンの位置を直すときなどは本体のサイド部をつまむようにすれば誤動作の回数がぐんと減るはずです。

HA-XC72Tは低遅延モードを搭載

HA-XC72Tには、映像と音声のずれを抑える低遅延モードを搭載しています。

低遅延モードは左側のイヤホン本体タッチセンサーを5回タップすると切り替えることができ、ONでは「ローレイテンシー」、OFFでは「ノーマルレイテンシー」とアナウンスされます。

HA-XC72Tは重低音モデルですし、映画などでの臨場感をよりリアルに体感するには低遅延モードの搭載は大きなメリット。

実際に動画を観てみましたが、低遅延モードでは映像と音のズレは体感上感じられませんでした。

HA-XC72TはIP55相当の防塵防水性能

HA-XC72TはIP55相当の防塵・防水性能となっています。

IP(=International Protection)は防塵・防水の国際規格で、前の数字が防塵等級、後ろの数字が防水等級を表しています。

IP規格の説明

防塵・防水共に等級がXとなっている場合、特別対策を施していないことを意味しているんですが、完全ワイヤレスイヤホンではIPX4というものが圧倒的に多いですね。

HA-XC72Tは防塵・防水等級ともに5ですから、一般的なイヤホンに比べるとしっかりした対策が施されているといえます。

防塵等級5は「機器の正常な動作に支障をきたしたり、安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない」というレベルですので、砂埃があるような場所でも使うことができます

また、防水等級5は「いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない」レベルなので、雨に濡れたり水道で軽く水洗いする程度なら大丈夫

JVC HA-XC72T 防水性能画像:https://www.jvc.com/jp/headphone/lineup/ha-xc72t/ より

とはいえ「3mの距離から全方向に12.5ℓ/分、30Kpaの噴流水を3分間」程度の直接噴流なら対策されているレベルなので、どんなに濡らしても大丈夫というわけではありません。

また、充電ケースは防水ではないので濡れたままケースにしまわず、水気をタオルなどで良く拭きとってからケースに格納するようにしましょう。

 

 

JVC HA-XC72Tのレビューまとめ

それでは最後にJVC HA-XC72Tについて総合評価方式で整理してみましょう。

評価項目ImpressionScore
通話品質オフィスなどでビジネスにも使用可能4.4
低音XXの名に恥じない迫力とキレのある重低音4.8
中音ボーカルが非常に近く音の表現も細やか4.6
高音一歩下がったおとなしい音質4.3
ANC性能中程度の強度で低域ノイズはしっかり除去4.2
外音取込みイヤホンに孔が開いたような自然な音質4.8
機能加点低遅延モードを搭載5.0
機能加点IP55相当の防塵・防水性能5.0
機能減点専用アプリ無し▲5.0
総合評価4.6

JVC HA-XC72Tは、XXシリーズらしい迫力の重低音と使う場所を選ばないタフなボディはそのままに、携帯性が向上したコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンです。

重低音モデルというと大径ドライバーを搭載したものが多いので、イヤホン本体はもちろん充電ケースも大き目のサイズになりがちです。

しかし、HA-XC72Tは前作のHA-XC51Tより大幅な小型化・軽量化を実現しながら、さらにアクティブノイズキャンセリングや外音取り込み機能を搭載。

6mmドライバーながらタイトで躍動感のある良質な重低音はXXブランドを冠するにふさわしく、分離感の高さもあるので歌モノも十分に楽しむことができる音質になっています。

音質の良さは通話も同様で、自分の声がはっきり柔らかく聴こえるためビジネスシーンでも十分使えるだけの通話品質に仕上がっています。

アクティブノイズキャンセリングはそれほど強力ではないものの、そもそもの遮音性が高いので、イヤーピースのサイズさえしっかり選択できればノイズに不満に感じることも少ないはずです。

IP55相当の防塵防水性能は使う場所を選ばないタフさの証明で、アウトドアで積極的に使えるかと思えば、低遅延モードも搭載しているのでインドアで動画を楽しむときもストレスを感じないでしょう。

HA-XC72Tは、重低音とタフさが前面に出たイヤホンですが、ビジネスからレジャーまで、インドアでもアウトドアでもしっかりした音を届けてくれるイヤホンだと思います。

なお、使うのはもっぱら街中という方や、ロックやポップス、アニソンなどをよく聴くという方にはVictor HA-A30Tがおススメです。

Victor HA-A30Tは以下で詳しくレビューしていますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

ビクター HA-A30Tレビュー|迫力ある低音とクリアボーカルが魅力Victor HA-A30Tは1万円を切る価格ながら、ノイキャンや外音取込み、低遅延モードなどを搭載し、迫力のある低音と美しいボーカルが楽しめる製品です。エントリーモデルながら、Victorブランドを冠するだけの音質・機能を備え、ワンランク上のクラスとも互角に戦えるモデルとなっています。...