Technics EAH-AZ70Wを購入して2ヵ月が経ちました。
この2ヶ月間、通勤時やテレワークでのwebミーティングなどにメイン機として使ってきて、感じたことを書いてみたいと思います。
Contents
Technics EAH-AZ70Wの音質について
まずはTechnics EAH-AZ70Wの音質について感じたことをお伝えします。
エージングによる音質の変化はあるか?
Technics EAH-AZ70Wは発売当初こそ解像度の高さが評価されていたものの、「低音が出ない」「硬質な音」などといったレビューも多く、ランキングを落としています。
2ヵ月使ってきての個人の感想ですが、低音も十分に出るようになったし、高音の硬さも全く感じなくなりました。
そもそも解像度が高く透明感のある音質に感動して使い続けていたんですが、全体的に音の硬さが取れて、低音もここまで出れば十分というレベルになったのでもう手放せません。
たしかに購入した直後は、通勤時や休日に音楽を聴いていると「もうちょっと低音でないかなぁ…」とか、「高音がたまに頭に突き刺さる感じがあるなぁ…」と感じていました。
ただ1ヵ月が過ぎたころから少しずつ、ほんとに少しずつですが「低音の厚みが増した?」と感じる日があったり、「高音が少し丸みを帯びてきたかな?」なんて思うようになってきたんです。
1ヵ月半たったところでエージングしてみようかなと思い、1時間でエージングが完了するというChord&Majorを使ってみたんですよね。
まぁ、おそらく100時間くらいは使ってきたんで、そんなに気合を入れてエージングする必要もないだろうから、ちょっとやってみようかなくらいの軽い感じです。
これが思ったより効果があったんじゃないかと考えているんですが、エージング後に明らかに音全体が丸みを帯びて、低音に厚みばかりか深みも増したように思います。
EAH-AZ70Wの解像度の高さは変わらないのですが、それゆえにたまに感じていた音の粒が際立ちすぎて全体の調和が崩れてしまうような違和感がなくなったんです。
それと、最初の1ヵ月では感じることのできなかった低音が沈み込んでから跳ね上がるような感覚も出てきました。
正直、この2ヵ月での変化がエージングと呼べるのか慣れなのかはよく分かりません。
しかし、EAH-AZ70Wを購入したばかりの頃に比べて「変わった」ことだけは確かです。
イヤーピースによる音質の変化
EAH-AZ70W付属のイヤーピースはかなり良く出来ていると思います。
ただ、やはり低音が薄く感じるということもあり、この2ヵ月で以下の表の通り色々なイヤーピースを試してみました。
| メーカー | 商品名 | 音質の変化 |
|---|---|---|
| Spinfit | CP100 | AZLAやfinalより傘部のシリコンが薄く、最も柔らかい。耳道の奥まで入るためANC効果が最も高く感じられたイヤーピース。ただし、高音域の刺激が純正イヤーピースに比べてより感じるような印象だった。 |
| CP360 | 傘部の厚みと硬さはCP100と同じ。シリコン製イヤーピースで最も低音が増した製品。また、高音域が突き刺さるような感覚はない。 | |
| AZLA | SendaEarfit Short | 試した中では最も傘部が厚く安定性は高い。Spinfit CP100ほどではないが、高音域の刺激がそれなりに高い印象。 |
| SendaEarfitLight Short | Shortよりは柔らかいが、Spinfitやfainalより傘部が厚いため硬め。高音域が若干マイルドになるように感じる。 | |
| final | Yype-E | AZLAとSpinfitの中間くらいの柔らかさ。Spinfit、AZLAと比べると高音域の解像度がやや損なわれるような感覚はあるものの、音の刺激は和らぐ。低音はSpinfit360に次いで厚みが増す印象。 |
| Comply | Ts400 | 装着は面倒だが、一度着けてしまえば安定感は高い。高音域の解像度は損なわずに丸みを帯びた音質になり、それでいて低音域の厚みと深みが増す印象。 |
結局のところ落ち着いたのはComplyTs400とSpinfit CP360。
家の中で聴くときはComplyTs400一択で、通勤の電車内ではSpinfit CP360を使っています。
Technics EAH-AZ70WはANCをONにすると低音が増幅されて聞こえる反面、解像度が若干落ちるという特性があります。
ただ、そもそも解像度が恐ろしく高いイヤホンなのでそれが若干落ちても気にならず、購入して1ヵ月は低音に物足りなさを感じて、自宅にいる時もANCをONにして聞いていましたからね。
しかしComply Ts400はANCを使わなくても、シリコン製のイヤーピースでANCをONにした時と同等、むしろそれ以上に低音に厚みと深みが出ます。
もちろん中音~高音域の解像度は変わりませんので、単純に音域が広がったような感覚。
いっぽうで遮音性はSpinfit CP360のほうが高いので、通勤時はANCを効かせるためにそれを使っています。
EAH-AZ70Wの音質は結局どうなの?
EAH-AZ70Wの音質については、2ヵ月使ってみた感想としては最高としか言いようがありません。
このイヤホンに慣れてしまうと、ほかのTWSを使うと音に霞がかかったように聴こえるんですよ。
EAH-AZ70Wは、ほんとうに音の粒1つ1つがクリアに聴こえますし、変に低音にブーストがかかっていないので、上質というか上品というか、清涼感のある音質なんです。
購入したばかりの頃はそれが硬さや冷たさに感じることもあったんですが、2ヵ月使って音に丸みや暖かさが出てきたのでみずみずしさが加わったように感じます。
たしかに低音のアタック感が足りないのは否定しませんが、それゆえになんというか下品さがないので音楽に浸れるんですよね。
それと、脳内定位(頭内定位が正しいのかな?)が他の完全ワイヤレスイヤホンとちょっと違うと感じています。
他の完全ワイヤレスイヤホンは音質が良いとされる高額商品でも、そのほとんどは頭の中で音が鳴っているイメージなんですが、EAH-AZ70Wはそれより位置が低く感じます。
ちょうど目と鼻の高さの中間くらいの位置、つまり顔のど真ん中で身体と同化して鳴っているように感じるので、ボーカルが近いんです。
これで他のイヤホンと何が違って感じられるかというと、ブレスがよりリアルに感じられるのと、特に女性ボーカルの高音の抜けが気持ちいいんです。
曲の出だしのブレスなんかは何を聴いても毎回鳥肌もので、たとえばONE OK ROCKのThe BeginingやLISA &Uruの再会などは何度聴いても「うゎ」ってなりますよ。
また、顔の中心から頭の先に高音が気持ちよく伸びて抜けていく感覚があって、どういうわけか歌いだしたくなる、なんか口が勝手に動いてしまうんです。
たとえばMay Jのレット・イット・ゴー(エンドソング)なんかだと、最後のとこなんか本当に口が勝手に開きますから。
ということで、いまのところEAH-AZ70Wは手放せない存在だということは確かですね。
Technics EAH-AZ70Wの使い勝手について
つぎにTechnics EAH-AZ70Wの使い勝手についてぶっちゃけます。
アクティブ・ノイズキャンセリングの性能
EAH-AZ70Wのアクティブ・ノイズキャンセリング(=ANC)の性能は非常に高いと思います。
色々なレビューでもANCは強力というコメントが多いですが実際そのとおりで、ノイキャンが弱いとコメントしている方はイヤーピースが合っていなかったんでしょう。
僕は通勤でJR東海道線を利用しているんですが、窓を開けて走っている状態でもANCを使うと電車の走行音はほぼしなくなります。
鉄橋を走行している時の高音域ノイズや車内アナウンスは、音楽を聴いている時にもわずかに聴こえますが、それ以外は静寂そのものです。
駅のホームに立っている時などは、目の前を電車が通過した風圧でようやく気が付くほどで、危険なので電車に乗るまではANCをOFFにしています。
EAH-AZ70Wを初めて通勤時に使った日、電車を降りてイヤホンを外した瞬間にノイズが耳に流れ込んできて「普段こんなノイズがある中で生活してたんだ」って思いましたから。
ノイキャンが強力なぶん、ANCをONにすると音質が変化します。
どう変わるかというと、全体的に低音寄りになって中音~高音域の解像度や透明感が若干落ちる感じ。
ただし、誤解のないように申し上げると、ANCをONにしてもEAH-AZ70Wの解像度は他のイヤホンより高いと思います。
ANCをOFFにしている時の中音~高音域の透明感と解像度があまりにも高いレベルにあるので、ANCをONにするとその良さが若干失われるという程度の話です。
また、エージングとイヤーピースの変更で、現在では自宅で音楽を聴くときはANCをOFFにしても低音不足を感じることは無くなりました。
アンビエントモードはイマイチ?
EAH-AZ70Wのアンビエントモードはイマイチだというレニューを多く見かけますが、そこまで悪くないというのが正直な感想です。
EAH-AZ70Wは発売以来5回のファームウェアアップデートが実施されています。
2020年8月の3回目アップデートでアンビエントの音質向上が実施されており、僕はアップデート後のアンビエントしか使っていないから特に不満が無いのかも。
たしかにイヤホンを付けていないかのような自然な音かというと、そこまでの性能ではありません。
でも、アンビエントを使うのって、コンビニのレジや電車内のアナウンスなどちょっとした時に使うくらいなので、僕はちゃんと聴こえれば十分だと思っています。
そういった意味ではEAH-AZ70Wのアンビエントは、店員さんの声や車内アナウンスもちゃんと聞こえますし、何か不快な感じがするかといえばそんなことは全くありません。
EAH-AZ70Wはアンビエントの音量をアプリで調整できますが、あまり大きなボリュームだと周辺ノイズも増幅されてしまいますので「人工的」という感想になるのかも。
僕の設定は左の画像くらいですが、この程度で店員さんの声などは十分聞こえますし、ノイズも全く気にならず比較的自然な音に近いので、十分合格点だと思っています。
通話品質は問題なし
EAH-AZ70Wの通話品質は、webミーティングなどでも全く問題なく使えるレベルです。
在宅でのテレワーク時はもちろんのこと、オフィスからのwebミーティングなどでも使用していますが、「聞こえずらい」とか「ノイズが気になる」と言われたことはありません。
このイヤホンには、送話の音声とそれ以外の音を区別しノイズを低減する「ビームフォーミング技術」が搭載され、加えて2つの通話用マイクを使用しているので送話の音声がクリアに聞こえるのでしょう。

EAH-AZ70Wのバッテリー性能について
EAH-AZ70Wの充電ケースは自然放電がひどいというレビューを多く見かけます。
満充電から数日間放置したことが無いので何とも言えませんが、これはきっと事実なんだと思います。
僕はほぼ毎日使っているので充電について困るようなことは無いのですが、月に数回しか使わないといったような方は気を付けたほうが良いかもしれません。
僕が休日使っている範囲では、満充電のイヤホンならANC/OFFで音楽を90分程度聴ては1時間くらい休んでを繰り返して、9時~17時ころまでは充電無しで使える感じです。
本体バッテリーが10%程度になったところで充電すると、充電ケースが満充電なら3回ほど充電できるので、ほぼメーカー仕様の通りだと思います。
まとめ
EAH-AZ70Wを約2ヶ月使って思うことは、「このイヤホンを購入して本当に良かった」です。
まず、音楽や動画を楽しむ時間が増えました。
ANCが強力なので、電車の中で音量を気にせず動画を楽しむことができます。
コロナ感染予防で電車の窓が開いていることが多いのですが、これまではかなりのボリュームで視聴していましたし、別の電車とすれ違う時はセリフが聞こえなかったりしていました。
EAH-AZ70WのANCをONにしていれば、窓が開いていようが逆方向の電車とすれ違おうが、セリフが聞こえなかったといったことは一切なくなりましたね。
また、帰宅してから寝るまでの間に、自分の好きな音楽をじっくり楽しむ時間を取るようになったことも大きな変化です。
静かなところで目を閉じて音楽を流すと、解像度が高いゆえに曲に浸れるというかなんというか…。
ぜいたくを言わせてもらううならば、マルチポイントに対応していればいうことなしなんですが、これはTechnicsに次回作に期待したいと思います。
いまのところ次回作まではEAH-AZ70Wをメイン機で使い続けるつもりです。















