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AK UW100レビュー|外部DAC搭載の高音質TWS

AK UW100は、韓国の高級オーディオメーカーであるAstell&Kern初の完全ワイヤレスイヤホンです。

Astell&Kernといえば高価格帯のDAPが有名ですが、そこで培われた技術を投入して「原音に忠実」という同社の基本理念を形にしたTWSがAK UW100です。

バランスド・アーマチュア一基のドライバー、通常Bluetoothチップに統合されているDACを外部搭載するなど、音質へのこだわりの強さが仕様に表れています。

また、BluetoothチップはQCC5141を搭載し、Alango社のVCP(Voice Communication Package)を組み込みんで高い通話品質も実現。

そのほか、高音質のaptX™ Adaptiveや2台のデバイスを同時接続可能なマルチペアリングに対応するなど、今完全ワイヤレスイヤホンに求められる機能もカバーしています。

AK UW100が音質・通話品質ともに高いレベルにあるということであれば、このブログでレビューしないわけにはいきません。

ということで、今回はAK UW100について実際使ってみた感想を余すところなくお伝えしていきます。

Astell&Kern UW100 スペック
 

 

AK UW100の通話品質と音質

AK UW100の通話品質と音質をまずはチェックしていきましょう。

AK UW100のマイク性能

UW100は通話用デュアルマイクを搭載し、さらにAlango社のVCP(Voice Communication Package)が組み込まれています。

Alango社は2002年設立の音声処理技術におけるリーディングカンパニーで、同社のVCPは様々な環境下で効果的にノイズを低減させ、安定した通話を可能にさせるとのこと。

そもそもUW100に搭載されているBluetoothチップセットは、高い通話品質だと評価したALLY PLUS2と同じQCC5141なので、その点からも期待が持てます。

マイクテストはUW100を視聴した店舗で実施しており、店内はそこそこ混んでいて店員さんとお客さんが会話する声が聞こえたりBGMも流れている状況でした。

マイクテストの結果からは、自分の音声はかなりはっきり捉えていますし、周辺ノイズも混みあった店内の状況を考えると相当抑えられていると感じます

BGMを拾ってしまってはいるものの、この通話品質なら在宅時はもちろん、オフィスからリモートミーティングに参加しても問題ないレベルではないかと思います。

Astell&Kern UW100 通話品質グラフ

通話品質の評価は上のグラフの通りで、やはりQCC5141を搭載した製品の通話性能は期待できるという考え方は間違いではないようです。

AK UW100の音質

UW100の大きな特徴として、ドライバーがバランスド・アーマチュア(BA)1基であることと、外部DACを搭載していることがあげられます。

Astell&Kern UW100 構造

たとえばAnker Soundcore Liberty 3 Proのようにダイナミック+BAドライバーというような構成の製品はありますが、中高音が得意なBA1発というのは非常に珍しい仕様です。

また、完全ワイヤレスイヤホンはスペースと消費電力の関係からBluetoothチップセットにDACが内蔵されている製品がほとんど。

UW100は音質向上のために旭化成の32bit Hi-Fi DAC「AK4332ECB」を外部搭載したという、Astell&Kernらしいこだわりっぷりですから音質には期待が持てます。

実際に聴いてみると低音は沈みこんでから持ち上がってくるような深みも感じられ、あらかじめ仕様を確認していなければとてもBAドライバー1基とは思えません

もちろん、中~高音は解像度・分離感ともに高く繊細でタイトな音質で、ボーカルはもちろんギターやピアノ、ハイハットなどの音は非常に近く、生々しく響くイメージですね。

また、中~高音域は凛とした少しクールなイメージなのに対して低音域はどこか温かみのある音色に聴こえ、それが全体として絶妙なバランスに調整されていると感じます。

AStell&Kern UW100 音質

UW100は低音の量感が足りないわけではないのですが、やはり中~高音の良さが光る製品なので女性ボーカルやギター・ピアノなどを主にした楽曲のほうが相性が良いと思います。

かなり高価なTWSではありますが、音質に関しては価格以上の満足感を得られることは間違いないので、高音質の完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方にはおススメの1台です。

AK UW100のデザインと装着感

AK UW100のイヤホン本体や充電ケースのデザイン、実際の装着感などについてチェックしていきましょう。

AK UW100の本体と充電ケース

UW100の充電ケースはかなり大きめで、手の平から少しはみ出してしまうほどです。

Astell&Kern UW100 充電ケース

横幅はありますが高さはそれほどではないのでシャツの胸ポケットには入りますが、パンツのポケットに入れて持ち運ぶにはちょっと厳しいでしょう。

充電ケースの天板デザインはイヤホン本体のフェイスプレートと同じようになっていて、統一感があってカッコいいですね。

AK UW100 イヤホン本体

イヤホン本体はペンタゴンのような五角形の個性的な形状で、フェイスプレートには幾何学的な模様があしらわれており、落ち着いた大人のイヤホンといったデザインです。

マットなカラーリングになっており、派手さは無いものの刻印されたブランドロゴの「A」が高音質の雰囲気を感じさせてくれます。

カラーはブラック/シルバーの1色ですが、それがかえって実力派のイヤホンらしさを物語っているようで個人的には「これで良いんじゃないかな」と思います。

 

 

AK UW100の装着感

AK UW100は、見た目に反して装着感の非常に良い完全ワイヤレスイヤホンです。

Astell&Kern UW100 装着感

装着安定度が非常に高く、遮音性にも優れているので着けた瞬間に周りのノイズがかなりカットされます。

AK UW100には音質の低下を避ける目的でANCは搭載されていませんが、部屋の中ならエアコンなどの生活環境音はほぼ感じなくなるくらいの遮音性の高さです。

耳に差し込んで軽くひねるとしっかりとした装着感が得られますが、ベストポジションはフェイスプレートに刻印された「A」のロゴマークが正しい向きで見えるように工夫が施されています。

Astell&Kern UW100 装着方法

イヤーピースはXS/S/M/L/XLの5種類が同梱されているので、自分に合ったサイズを選べば落下の心配やノイズが気になるといった不満を感じることはないでしょう。

Astell&Kern UW100の操作性

AK UW100の専用アプリなど操作性についてみていきましょう。

AK UW100アプリホーム画面とメニュー

AK UW100には専用アプリ「AK TWS」が用意されています。

AK TWS

AK TWS

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アプリトップ画面は以下の通りで、黒を基調としたデザインで高級感がありますね。

Astell&Kern UW100 アプリトップ画面

アプリメニューは「アンビエントモード切替とレベルコントロール」、「イコライザー」と「タッチコントロールカスタマイズ」の大きく3つで多機能とはいえません。

イコライザー」と「タッチコントロールカスタマイズ」は、画面を下にスクロールするか画面下のメニューから機能選択するかのどちらかになります。

AK UW100のイコライザー

AK UW100のイコライザーには、デフォルト以外に音楽用として「低音強調モード」「高音強調モード」「ボーカル強調モード」の3種類、低遅延の「ゲームモード」が用意されています。

AK UW100 イコライザー

各モードをひととおり試してみましたが、特定の音域が強調されすぎる感じで、結局デフォルトが一番いいなと思いました

というより、デフォルトのチューニングがAK UW100の良さを十二分に引き出しているので、イコライザーのモード変換は個人的には使わないといった感じですね。

ただし、音質の良い完全ワイヤレスイヤホンなだけに、5バンド程度の完全カスタマイズ可能なイコライザーは実装して欲しかったなと少し残念です。

AK UW100のタッチコントロール

AK UW100はフェイスプレートの中心をタップすることで、イヤホンの操作を行うことができます。

最初見たときは「物理ボタンかな?」と思ったんですが、タッチセンサー方式でした。

Astell&Kern UW100 タッチコントロール

タッチセンサーの反応は良すぎず悪すぎず、ストレスなく使えるちょうど良い反応だと感じました。

デフォルトの操作は上の図の通りですが、専用アプリからタッチコントロールのカスタマイズが出来るようになっています。

たとえば下の左画像のように左イヤホンのトリプルタップにはデフォルトで音声認識が割り当てられていますが、「v」をタップすると右の画像のように「前のトラック」が選択肢として表示されます。

Astell&Kern UW100 タッチコントロールカスタマイズ

ここもイヤホン本体の価格を考えると、タッチコントロールの完全カスタマイズができればなお良かったと感じるところですね。

アプリ機能の充実については、今後に期待しましょう。

Astell&Kern UW100の機能

AK UW100の使い勝手に直結する機能面についてみていきましょう。

AK UW100の外音取り込み性能

AK UW100のアンビエントモードは、周辺ノイズを抑制しながら人が話している声を選んで拾ってくれているような感覚があります。

人の話し声だけを強調するとマイクで集音した機械的な音になる傾向がありますが、AK UW100は人の話し声だけが自然に聞こえてくるように感じます。

アンビエントモードのレベルは4段階での調整が可能ですが、人の声にフォーカスしてくれるのでレベル1でも実用的には十分だと思います。

AK UW100はマルチポイントに対応

AK UW100は、同時に2台のデバイスにBluetooth接続しておくことができるマルチポイントに対応しています。

マルチポイントは仕事とプライベートでスマホ2台持ちの方や、WEBミーティングでパソコンとイヤホンを接続する頻度の多い方にとってはほんとうに便利な機能です。

Astell&Kern UW100 マルチポイント

たとえば、通勤電車の中でプライベートスマホで音楽を聴いている時に仕事用のスマホに着信があったとします。

マルチポイント機能が搭載されていないイヤホンだと、仕事用のスマホで電話を受けてからイヤホンを耳から外して応答するか、場合によっては着信に気付かないということもあり得ます。

しかし、AK UW100ならイヤホンを通して仕事用スマホへの着信がわかりますし、イヤホン本体を操作するだけで着信に応答することができ、音楽は自動的に一旦停止します。

電話が終われば自動的にプライベートスマホに接続が切り替わり音楽が再開されますので、スマホ本体の操作だけですべてを完結させることができるわけです。

スマホ、パソコン、タブレットなど複数デバイスを利用しているユーザーにとって、このマルチポイントという機能は今やなくてはならない存在だと思いますね。

AK UW100はaptX™ Adaptiveに対応

AK UW100は、Bluetoothの接続環境やコンテンツによってビットレートを調整するaptX™ Adaptiveに対応しています。

Bluetoothによる音の伝送は、高音質になればなるほど伝送するデータ量が多くなり(高ビットレート)遅延が発生し接続が不安定になります。

くわえて電波干渉の少ない自宅と、駅や電車内などではBluetooth接続の安定性が異なるのですが、aptX™ Adaptiveはこのあたりも考慮して最適なビットレートに調整してくれる優れもの。

動画を視聴する場合は遅延を発生させないため低ビットレートで、音楽を聴く場合には遅延は考慮しなくてよいので音質優先の高ビットレートでといった感じですね。

接続するデバイス側もaptX™ Adaptiveに対応していることが必要ですが、もし対応していればAK UW100のポテンシャルをあますことなく引き出せると思いますよ。

ちなみにご参考までに、Bluetoothのコーデックは以下の表のような種類があります。

コーデック 音質と特長 量子化ビット数/サンプリング周波数 ビットレート 遅延
SBC Bluetoothを搭載した機器は必ず対応している。SBCの音質を★と仮置きして他のコーデックと比較してみます。 16bit/48KHz 64kbps~328kbps 0.22秒前後
AAC 音質は★★。iPhoneやiPadのコーデックはAACが優先され、AACが使えない場合はSBCで接続される。 16bit/48KHz 詳細は非公開につき推定値
128kbps
256kbps(可変)
328kbps
0.12秒前後
aptX™ 音質は★★。米Qualbommが開発したAndroid端末の標準仕様。AACと体感上の差はない。 16bit/48KHz 352kbps@44.1kHz
384kbps@48kHz
0.07秒前後
aptX™ LL 音質は★★。低遅延に特化したaptXのコーデックで、音ゲーやバトルゲームに最適。 16bit/48KHz 352kbps@44.1kHz
384kbps@48kHz
0.04秒前後
aptX™ HD 音質は★★★。aptXの高音質版コーデック。ビットレートを高め遅延を犠牲にした音楽用コーデック。 24bit/48KHz 529kbps@44.1kHz
576kbps@48kHz
0.13秒前後
aptX™ Adaptive 音質は★★★★。接続環境やアプリに応じてビットレートを自動で変化させるコーデック。今後主流になる可能性大。 24bit/96KHz 276kbps~620kbps 0.05秒~0.08秒程度
LDAC 音質は★★★★。SONY独自の超音質特化型コーデック。遅延が大きいためゲームや動画視聴には向かない。 24bit/96KHz 330kbps/660kbps/990kbps 1秒以上

AK UW100は急速充電とワイヤレス充電に対応

AK UW100は急速充電とワイヤレス充電に対応しています。

急速充電は10分の充電で約1時間の再生が可能なので、webミーティングが連続するような日でも、片方ずつ使えばバッテリー切れで使えないという事態にはならなくて済みます。

また、AK UW100は利便性の高いワイヤレス充電に対応しており、いちいちUSBケーブルを抜き差しする手間がいらないのは実際使ってみると大きなメリットだと感じます。

 

 

Astell&Kern UW100のレビューまとめ

それでは最後にAK UW100総合評価と、良い点・改善してほしい点を整理してみましょう。

評価項目 Impression Score
通話品質 ビジネスでも積極的に使えるレベル 4.5
低音 量感は控えめだが温かみのあるタイトさ 4.4
中音 解像度が高くみずみずしさが感じられる 4.8
高音 クリアでタイト、抜けも良い 4.7
外音取込み ノイズを抑えて声だけが際立つ 4.6
アプリ機能 自由度が少なく機能不足の感あり 3.8
機能加点 高いパッシブノイズキャンセリング 5.0
機能加点 マルチポイント機能搭載 5.0
機能加点 aptX ™ Adaptiveに対応 5.0
総合評価 4.6

 

良い点

ビジネスシーンでも使用可能な通話品質
中~高音のクリアで繊細な音質
遮音性(PNC)の高さ
aptX™ Adaptiveに対応
急速充電とワイヤレス充電に対応
マルチポイント対応

 

改善してほしい点

イコライザーによる完全カスタマイズ非対応
タッチコントロールのカスタマイズ自由度が低い

 

AK UW100は、韓国の高級オーディオメーカーであるAstell&Kern初の完全ワイヤレスイヤホンとして2022年4月9日にリリースされました。

同社の高級デジタルオーディオプレイヤーで培った独自のアンプ技術やオーディオ回路技術をイヤホン設計に融合させることにより、AK UW100は原音に忠実な高音質のTWSに仕上がっています。

バランスド・アーマチュアドライバーのみという珍しい仕様ながら、低音の量感は予想以上にあり、中~高音、とくにボーカルの表現力は他の製品にはない生々しさが感じられます

また、テレワーク需要にもしっかり応えられるよう製品開発がすすめられた感があり、webミーティングにも積極的に使っていける高い通話品質が備えられています。

アプリの充実度は今一歩ではありますが、aptX™ Adaptiveマルチポイントワイヤレス充電への対応など、いまのTWSに欲しい基本機能は実装されているので実用的には満足できるはず。

とにかく高音質、でもビジネスでも使える便利機能はしっかり搭載されている完全ワイヤレスイヤホンが欲しいという方には間違いなくおススメの1台です。