Anker Soundcore Space A40は、同社のカナル型完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルにあたる存在です。
これまでカナル型ではLiberty 3 Proがありましたが、これはハイブリッドドライバーを搭載したモデル。
ダイナミックドライバー搭載機としての最上位モデルは、スティック型のLiberty Air 2Proしかありませんでしたからね。
Soundcore Space A40は最上位モデルにふさわしく、ハイレゾコーデックのLDACに対応。
機能面でもマルチポイントに対応し、ウルトラノイズキャンセリング2.0やワイヤレス充電機能なども搭載しています。
Ankerとして相当気合の入ったモデルの投入ということで、これは実力を確かめないわけには参りません。
というわけで、今回はAnker Soundcore Space A40を実際に使ってみた感想をレビューしていきます。

【良い点】
〇Ankerノイキャン機史上最小モデル
〇ウルトラノイズキャンセリング2.0搭載
〇充電ケースあわせて最大50時間の再生が可能
〇ハイレゾコーデックLDACに対応
〇マルチポイント接続に対応
【イマイチな点】
✖外音取り込みモードの音質が不自然
✖マルチポイント接続時にLDAC使用不可
Contents
Anker Soundcore Space A40のデザインと装着感
Soundcore Space A40のデザインと装着感をチェックしていきましょう。
イヤホン本体と充電ケースのデザイン
Soundcore Spac A40は、Ankerのカナル型イヤホンとしては最小サイズ。
まず充電ケースですが、楕円形のコロッとした形状で手の中にすっぽり収まる大きさです。

重量はイヤホン本体込みで約58g、イヤホンなしでも約48gありますので、このスペックとしては標準的な重さでしょう。
シャツやパンツのポケットに入れて持ち運べますが、厚みがあるのでちょっと邪魔に感じるかもしれません。
また、充電ケースの表面がさらりとした手触りで、指紋が付きにくいのは好印象ですね。
イヤホン本体は軽量・小型化がはかられ、Soundcore史上最小サイズとのこと。

フェイスプレートはメタル調のデザインで、Soundcoreのロゴがきらりと光って高級感が感じられますね。
カラーバリエーションはブラック、ホワイト、ネイビーの3色展開。

Soundcore Liberty Air 2 Proのようにピンクもラインナップして欲しかったんですが…。
カラー追加に期待しましょう。
Anker最小サイズで軽く安定した装着感
Soundcore Space A40はAnker史上最小サイズというだけあって、密着度の高い安定した装着感だと感じました。
出典:Anker製品ホームページよりやはり完全ワイヤレスイヤホンは、小さくなればなるほど個人の耳の形に左右されにくくなりますね。
密着度が高いゆえに耳栓効果も高く、イヤホンを装着するだけで周辺ノイズがだいぶ抑制されるのも大きなメリットでしょう。
また、イヤホン本体片側約4.9gと重量も軽いので、長時間装着しても耳が痛くなるようなこともないでしょう。
Anker Soundcore Space A40の音質と通話品質
Anker Soundcore Space A40の音質と通話品質をチェックしていきましょう。
中低音に厚みがあり暖かみのある音質
Soundcore Space A40の音質は中低音に厚みがあり前に出てくる印象で、男性ボーカルによく合うサウンドだと思います。
とくに低音は暖かみのあるウォーム系の音で、少しブーミ―なところが良い味付けになっていると感じますね。
いっぽうで高音になるにしたがって情報量が落ちる感覚があるので、女性ボーカルだと伸びが少し足りないと感じるかも。
Ankerといえばドンシャリという印象だったんですが、このモデルはフラットにチューニングされた印象を受けました。

Soundcore Liberty Air 2 Proをよりフラットになるように再チューニングしたら、こんな音質になるのかなといった音質ですね。
繊細さを楽しむような音質ではありませんが、ロックやポップスなどノリの良い音楽を楽しむには向いていると思います。
Soundcore Space A40はハイレゾ対応なので、LDAC接続でも音質を確認してみました。
やはり全音域にわたって情報量が増し、中~高音のスケールがワンランク上がったように感じますね。
とはいえ、もともと高音の情報量が若干不足している感があるので、ハイエンドイヤホンほどの音質には達していない印象ではあります。
それでもハイエンドイヤホンの半額以下でこの音質は、十分満足いくものでしょう。
AIノイズリダクション機能搭載マイク
Soundcore Space A40はAIノイズリダクション機能を搭載しており、周囲の雑音を除去したクリアな通話が可能とされています。
AIノイズリダクションは、2022年6月に発売されたSoundcoreシリーズのLife Dot 3iやLife P2iあたりから搭載されだした技術。
それを踏まえると、周辺ノイズ抑制については低価格機種とそれほど変わらないかな?という先入観が…。
あれこれ考えても仕方ありませんので、いつも通り夕方のカフェでマイクテストを実施してみました。
【Soundcore Space A40マイクテスト】
Space A40は6マイクなので、Soundcoreの低価格モデルに比べると自分の声はかなりハッキリと聴こえます。
ただし、若干声にエコーがかかったような感じが強く、上位モデルのLiberty 4のほうが通話性能は上だと感じました。
Soundcore Space A40の通話品質をグラフで表すと以下の通りです。

自宅など静かな環境下なら、リモートミーティングなどビジネスシーンでも積極的に使える通話品質です。
しかしカフェやオフィスで使うときは、周囲の騒がしさをある程度考慮するべきだと思います。
Anker Soundcore Space A40のANCとアンビエント
Soundcore Space A40のアクティブノイズキャンセリング(=ANC)と外音取り込み(=アンビエント)性能についてみていきましょう。
価格帯としては優秀なANC性能
Soundcore Space A40のアクティブノイズキャンセリングは、同価格帯としてはかなり優秀なレベルだと感じました。
人の話し声や高域ノイズはそれなりに残るものの、電車内の走行音やエアコンのモーター音などにはかなり効果が感じられます。
Soundcore Space A40はフィット感が良いので、耳栓効果(パッシブノイズキャンセリング)もかなり高いイヤホン。
イヤホンを装着すると、それだけで中高域ノイズはある程度抑えてくれるので、総合的なノイキャン性能は平均以上でしょう。
なお、Soundcore Space A40には、周囲の騒音に合わせてノイキャン強度を自動で調整してくれるウルトラノイズキャンセリング2.0が搭載されています。
もちろん、マニュアルでのノイキャン強度調整も可能で、専用アプリで強・中・弱の3段階から選択が可能です。

この価格帯でノイキャンの自動調整機能があったり、マニュアルでの強度調整も可能なのは、Ankerならではといったところでしょう。
Anker Soundcore Space A40も含めて、ノイズキャンセリング機能が優秀なイヤホンのランキング記事もありますので、よろしければご覧下さい。
外音取り込みはイマイチポイント
Soundcore Space A40の外音取り込みは、中高音を増幅して取り込んでいるような印象で、すこし不自然に聴こえます。
外音取り込みモードには「全ての外音」と「音声フォーカス」の2パターンが用意されているんですが…。
音声フォーカスを選択すると中高音の増幅度合いがさらに強まって、個人的にはちょっと使いたくないといったレベル…。
「全ての外音」なら、コンビニのレジでの会話や電車内のアナウンスを聞くなど、短時間の使用なら問題は無いでしょう。
ただし、常時外音取り込みモードにして使いたいというユーザーには、あまりおススメできないですね。
Anker Soundcore Space A40の専用アプリ
Anker Soundcore Space A40は機能満載の専用アプリ「Soundcore」に対応しています。
アプリホーム画面とメニューについて
Soundcore Space A40の専用アプリトップ画面は以下の通りです。

モード変更、タッチ操作カスタマイズ、HearID、サウンドエフェクト(イコライザー)などが並んでいますね。
また、トップ画面右上の歯車マークをタップすると、その他の設定画面に遷移します。

低遅延のゲームモードへの切り替えや、自動電源オフまでの時間設定、イヤーチップのサイズを確認する装着テストなどもできるようになっています。
1万円前半という価格帯のイヤホンとしては、やはりAnkerのアプリ充実度は群を抜いていて、対抗できるのはJBL Live Free2くらいだと思います。
自由度の高い操作カスタマイズ
Soundcore Space A40のイヤホン本体操作は、デフォルトでは以下の通り設定されています。
| 動作 | 左 | 右 | |
|---|---|---|---|
| 音楽 | 2回押し | 次の曲にスキップ | 再生/停止 |
| 2秒長押し | モード切替(ANC/標準) | ||
| 通話 | 2回押し | 着信応答/通話終了 | |
| 2秒長押し | 着信拒否 | ||
デフォルト設定は誤動作が起こりやすいワンタップの操作割当てが「無し」の状態になっていますね。
本体操作のカスタマイズは、アプリトップ画面のタッチ操作をタップして行います。

カスタマイズは1回、2回タップ、長押しで左右ぞれぞれに個別設定が可能で、いわゆる完全カスタマイズが可能。
このアプリの充実度がSoundcoreブランドイヤホンの大きなメリットの1つですね。
初心者にも扱いやすいイコライザー
Soundcore Space A40は、音楽用イコライザーも充実しています。
イコライザーは20種類ほどのプリセットからの選択か、8バンド・±6dBの完全カスタマイズいずれかを選択可能。

カスタムイコライザーの種類が多いので、まずは自分の好みの音質を探してみましょう。
自分のお気に入りのプリセットイコライザーを見つけたら、その波形を参考にカスタムイコライザーで微調整をするのがおススメです。

いきなりイコライザーを調整するのは難しいものの、この方法なら比較的簡単にお気に入りのチューニングができるようになりますよ。
カスタムイコライザーは「+」マークで登録することもできるので、音楽ジャンルに合わせていくつか用意することも可能。
このあたりもSoundcoreアプリは使い勝手が良いなと感じます。
HearIDでパーソナライズが可能
Soundcore Space A40には、HearIDによるパーソナライズ機能が搭載されています。
これはユーザーの聴力特性を測定して、聴こえにくい帯域を補完したチューニングを自動で行ってくれるというもの。

Soundcoreのパーソナライズは比較的優秀で、HearIDを行うと音質がクリアになったように感じます。
Soundcore Space A40を購入したら、ぜひ試して頂きたい機能ですね。
Anker Soundcore Space A40の機能
Anker Soundcore Space A40には、アプリメニュー以外にも便利な機能が数多く搭載されています。
特におさえておきたい便利機能をご紹介しておきます。
2台同時接続のマルチポイントに対応
Soundcore Space A40はマルチポイントに対応しています。
マルチポイントとは、スマホとパソコン、スマホとタブレットなど自分が選んだ任意の2台のデバイスに同時接続しておける機能のこと。
たとえば以下の画像のように、プライベートとビジネス用スマホに同時に接続して、プライベートスマホで音楽を聴いていたとします。

もしこのときビジネス用スマホに着信があればイヤホンに着信音が鳴るので、タッチセンサーを2タップ(※デフォルト設定の場合)するだけで着信応答することができます。
もちろん、通話している間はプライベートスマホの音楽は自動で停止し、電話を切ると続きが再生されるという優れもの。
スマホ、パソコン、タブレットなど、Bluetooth接続が可能なデバイスなら、どのような組み合わせでもOK。
ビジネスやプライベートで複数台のデバイスを同時に使う可能性のあるユーザーには、マルチポイントは非常におススメの機能です。
Soundcore Space A40は、マルチポイント接続時にはLDACは使用できません。
マルチポイント接続時にLDACが使用できるのは、Technics EAH-AZ60、SONY WF-1000XM4、SONY Linkbuds Sなどです。
急速充電とワイヤレス充電に対応
Soundcore Space A40は急速充電とワイヤレス充電に対応しています。
急速充電は、10分間の充電で約4時間の音楽再生が可能というレベルの高さ。
これなら通話に使う場合でも、最低2時間程度ならバッテリー切れを心配することはありません。
完全ワイヤレスイヤホンの通話時間は、音楽再生時間の6~7割程度です。受信専門の音楽再生と違い、発声=発信をともなう通話では電力消費が多くなるため稼働時間が短くなります。
また、ワイヤレス充電にも対応しているので、充電のたびにUSB-Cケーブルを準備する必要もありません。

そもそもSoundcore Space A40はイヤホン本体で最大10時間、充電ケースを合わせると最大50時間というタフなバッテリーを搭載。
バッテリーに関する使い勝手の良さもこのモデルの大きなメリットだといえるでしょう。
IPX4の防滴性能
Soundcore Space A40はIPX4の防滴性能を備えています。
IPX4は「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」というレベル。
したがって、急に雨に降られたりしてイヤホン本体が多少濡れても、それだけで故障するということはありません。
ここで注意して頂きたいのは、充電ケースはIPX4ではないということ。
雨に降られて慌ててその場で充電ケースを開いたり、イヤホン本体が濡れたままケースに戻すのは故障の原因になりますからやめましょう。
屋内に入ってからイヤホン本体の水気をふき取って、十分乾かしてから充電ケースに戻すようにしましょう。
Anker Soundcore Space A40のレビューまとめ
それでは最後にAnker Soundcore Space A40の総合評価と良い点、改善してほしい点を整理したうえでまとめていきましょう。
| 評価項目 | Impression | Score |
| 通話品質 | 自宅など静かな環境ならビジネス通話も可能 | 4.3 |
| 低音 | 力強さと暖かさが同居した低音 | 4.6 |
| 中音 | 厚みがあり低音に負けず前に出てくる | 4.5 |
| 高音 | 中低音に比べ情報量が不足している感あり | 4.1 |
| ANC性能 | 中高域ノイズは残るが価格的には標準以上 | 4.5 |
| 外音取込み | 中高域の音を集音したような音質 | 4.0 |
| アプリ機能 | さすがの高機能、全く不満なし | 5.0 |
| 機能加点 | LDACに対応 | 5.0 |
| 機能加点 | マルチポイントに対応 | 5.0 |
| 総合評価 | 4.6 | |
【良い点】
〇Ankerノイキャン機史上最小モデル
〇ウルトラノイズキャンセリング2.0搭載
〇充電ケースあわせて最大50時間の再生が可能
〇ハイレゾコーデックLDACに対応
〇マルチポイント接続に対応
【改善してほしい点】
✖外音取り込みモードの音質が不自
✖マルチポイント接続時はLDAC使用不可
Anker Soundcore Space A40は、Ankerとしてはカナル型完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルの位置づけです。
AnkerでSpace A40以外で1万円以上のイヤホンは、Liberty Air 2 ProとLiberty 3 Proしかありません。
Liberty Air 2 Proはスティック型、Liberty 3 Proはハイブリッドドライバーなので、オーソドックスなカナル型としては最上位モデルなるんですよね。
Soundcore Space A40はLDACに対応したことが原因かはわかりませんが、従来の同ブランドよりフラットな音質にチューニングされています。
Ankerといえばドンシャリというイメージだったんですが、個人的には音質が少し洗練されたなと受け止めています。
繊細な音質というわけではありませんが、テンポの良いロックやポップスを聴くのなら何ら不満は感じないはず。
そのような良い変化が加わりながら、アプリも含めて機能面の充実はこれまで通り。
特にマルチポイント機能が搭載されたことは大きなメリットだと感じます。
これでマルチポイント使用時にLDACも使えれば言うことなしなんですが、ここはファームウェアアップデートか次回作に期待しましょう。
いずれにしても売出価格1万円台前半でこれだけの性能は、Ankerだから実現可能なんだとあらためて感心したレビューでした。
















